これぞ沖縄人の豚肉愛!県産豚肉使用こだわりの店4選

これぞ沖縄人の豚肉愛!県産豚肉使用こだわりの店4選

2020/02/18

沖縄人の胃袋を支えてきた食材といえば豚肉ですが、今年は豚熱(CSF)が発生し、関連産業は逆風に立たされています。そこで今回のテーマはおいしさを武器に、豚肉メニューや加工品を提供する各地の「県産豚肉こだわりの店」。家族や仲間と、県産豚を味わってみませんか。

琉球新報Style

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しゃぶしゃぶに珍味も 長堂屋(今帰仁村玉城)

今帰仁アグーのこだわりメニューを提供している長堂俊春店長(右端)とスタッフ=今帰仁村玉城の長堂屋

今帰仁村玉城の乙羽トンネル近くにあるのが、今帰仁アグー専門店「長堂屋」だ。希少種の黒豚・今帰仁アグーをしゃぶしゃぶや焼肉で楽しめる。店長の長堂俊春さん(53)は「肉そのもののうま味を堪能してほしい」と胸を張る。

おすすめのしゃぶしゃぶコース(税別3500円)は、ロースやもも肉を地元産シークヮーサーと島唐辛子の薬味を添えたポン酢で食べる。あっさりした肉の味が口いっぱいに広がった。脂身がさっぱりとして臭みがない。長堂さんは「豚好きな人はうま味に驚く」と笑みをこぼす。肉と共にしゃぶしゃぶするリーフオクラなど、野菜もやんばる産にこだわっている。

しゃぶしゃぶコース。アグー水餃子や、季節ごとにアグーひれ肉のたたきなどの小鉢が付く

農業生産法人「今帰仁アグー」の高田勝代表と豚の交配を重ね今帰仁アグーを開発した長堂さん。「地元で食せる場を」と12年前に出店。アグーの全部位を調理し、じっくり煮込むコンフィやテールの煮物といった珍味も提供している。

豚熱発生直後に半減した客足は、新型コロナウイルスによる中国人客減も響き現在は通常の約8割。長堂さんは「豚熱の肉が出回ることはなく衛生管理も徹底している。時間を掛けて育てた肉を食べてほしい」と力を込めた。

豚愛 厚い店 ぶたや黒将(読谷村座喜味)

豚のTシャツに豚柄のシャツを羽織り、豚愛を語る「ぶたや黒将」の與儀将親社長

上質な県産豚を財布が悲鳴を上げない値段で食べたい―。その願いは読谷村座喜味のアグー専門店「ぶたや黒将」がかなえてくれる。自社農場で育てている琉球在来種アグーと他種を掛け合わせたオリジナル豚「黒将」を直営店ならではの値段で味わえる。特に、客の8割が頼むという看板メニューの特選黒将しゃぶしゃぶ鍋は、その肉質の良さをじっくりと堪能するのにうってつけだ。

「最初から豚ではなかったんです。でも沖縄では豚と離れることはできないんでしょうね」。そう笑いながら語るのは、豚のイラストTシャツの上に豚柄のシャツを羽織った與儀将親社長(41)。専門料理店を開きたいと決意し、ヤギにアヒル、うさぎと試行錯誤を重ねていたときに、「豚だったら手伝える」という両親の言葉が後押しとなり、2005年に自社農場「ヨギファーム」を創業。13年、直営店「ぶたや黒将」をオープンした。

特選黒将しゃぶしゃぶ鍋

料理人の修業経験もある與儀社長がこだわったメニューの中でも、一押しの特選黒将しゃぶしゃぶは、少しかためでしっかりとした味わいを感じることができる。ほかにも、黒将の手こねハンバーグに豚足鉄板焼き、豚肉の天ぷら―。「豚への愛とこだわりは豚の脂肪よりもはるかに厚い」と語る與儀社長が厳選した多彩な豚料理がスタンバイしている。ぜひご賞味あれ。

アグーかつ、さくっと 南国亭(八重瀬町仲座)

「アグーは沖縄の産業としてナンバーワンになれる可能性が十分ある」と語る國場勉さん

カツカレーからソーキそば、カツ丼、生姜(しょうが)焼き、ハンバーガーまで、どれもおいしそうで迷ってしまう八重瀬町仲座のアグー豚専門の南国亭。町内で飼育した自社ブランド「南國アグー」は肉質が柔らかくて臭みも少なく、アグーのうま味が楽しめる。

沖縄南國フーズ代表取締役の國場勉さん(68)は、もともと木材からおが粉を作って販売していた。営業でやんばるのアグー農家と出会い、自身もおが粉でアグーの飼育を始めた。豚舎に敷いたおが粉が糞尿を吸うことで臭いが消え、豚のストレスと周囲への悪臭が減るという。現在は約200頭を飼育する。

1番人気の「アグーかつ定食(小)」。アグーのうま味が楽しめる

2011年7月に南国亭をオープンした。1番人気は「アグーかつ定食」(小・税込み750円、大・950円。ご飯、みそ汁、小鉢付き)。サクサクした衣のカツは、ジューシーで肉のうま味が凝縮されている。國場さんは「アグーのコレステロール値は普通の豚よりも低い。アグーはおいしくて体にも良い」と魅力を語る。

店内で手作りしたもちもちの餃子(ぎょうざ)なども販売する。飼育コストがかかる中、価格を抑えたこだわりのアグーをぜひ味わってほしい。

新鮮島素材「ぎゅっ」 石垣島ハム・ソーセージ 十五番地(石垣市・新栄大通り)

「もろみ豚」など石垣島・八重山産の素材にこだわり手作りのハムやソーセージなどを作る平野啓文さん

石垣市の新栄大通り沿いにあり、店舗内の「スバル360」が窓越しにも目立つ「石垣島ハム・ソーセージ 十五番地」では、店舗内の工房でハムやソーセージ、ベーコンなどを製造、販売している。原料に使っているのは石垣島産のブランド豚「もろみ豚」。塩や香辛料などにも石垣島・八重山産のものを使用し、島の素材にこだわる。

愛知県で肉屋やハム工房で経験を積んだ後に石垣島に移住した平野啓文さん(50)が2008年に開業。手作りの味に地元客が多く訪れる。

もろみ豚を使うのは肉質の柔らかさ、そして地元で生産されることによる新鮮さが決め手だ。「地元の豚なので鮮度が良く、うま味を含む水分も逃げていないのでジューシーに仕上がる」と自信を見せる。

「石垣島ハム・ソーセージ 十五番地」のソーセージやハムなど

人気商品は、発色剤を使用しない無塩せきソーセージが渦を巻く「くるくるソーセージ」(税抜き300円)。島唐辛子やピパーツなど島の香辛料を使ったソーセージも人気だという。「もっと島に隠れた香辛料や調味料を使っていきたい」と語る。

「地元産の材料を使うことで生産者の顔も見えるし声も聞こえるので安心だ。作り手側としても、みんなに安心して食べてもらえるように頑張りたい」と笑顔で話した。

再起に力つぐ時

沖縄と豚との関わりは14世紀ごろから始まったといわれます。中国から訪れた久米三十六姓らが豚とともに調理法を持ち込んだそうです。冊封使のもてなしや琉球王朝の宮廷料理として発展しました。そんな豚との関わりも沖縄戦で豚は激減。戦後はハワイの県系人の協力で頭数が劇的に回復しました。

今年1月から2月にかけて豚熱の感染が拡大し1万頭を超える豚が殺処分されました。やむを得ないとはいえ、痛ましい光景に胸がふさがる思いでした。豚熱の感染は近くは1986年にも発生しました。識者は「そのたびに感染拡大を防ぎ発展を遂げたのが沖縄の養豚だ」と言います。再起に力をつぐ時です。

(2020年2月9日 琉球新報掲載)

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