愛知・豊橋発! 深夜営業の町中華『弥栄』でまったりと過ごす夜

愛知・豊橋発! 深夜営業の町中華『弥栄』でまったりと過ごす夜

2020/03/06

これまで24時間営業だったファミレスや牛丼チェーン、コンビニ。アルバイトの確保やライフスタイルの変化を理由に深夜の営業を休止する店も出てきた。そんな中、愛知県豊橋市に深夜0時から翌日14時までという深夜営業がメインの町中華がある。

Yahoo!ライフマガジン編集部

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深夜営業は朝ラーメンがきっかけだった!?

『中華定食 弥栄』の店内POP

筆者が20代の頃、深夜まで営業している中華料理店は多かった。会社で明け方まで仕事をした帰りや友人との夜遊びの締めくくりに立ち寄ってはラーメンや餃子などを食べた。が、ファミレスやコンビニが乱立するようになると、いつの間にか時短営業になってしまった。眠たい目をこすりながら食べた町中華の素朴な味が忘れられず、豊橋に向かって車を走らせた。

『中華定食 弥栄』外観

カーナビの案内に従いながら店をめざす。ところが、豊橋市の中心部からどんどん離れていく。気がつくと、人も車もあまり通らない住宅街に入り込んでしまった。こんな場所で深夜営業をして客が来るのだろうか……と、心細くなったその時、店に辿り着いた。ここが今回紹介する深夜営業の町中華『中華定食 弥栄(やさか)』である。

店主の佐藤要さん。一人で店を切り盛りしている

店主の佐藤要さんによると、オープンしたのは、2019年2月。当初は11時〜14時がランチタイム、17時〜21時がディナータイムと、巷の飲食店と同じ時間帯で営業していたという。
「ランチはそこそこお客さんが来てくださるのですが、夜がさっぱりで。そんなとき、豊橋の喫茶店のモーニングが頭に浮かんだんです。夜がダメなら、朝やってみようと」

店の入り口にある看板で「朝ラーメン」を告知

豊橋の喫茶店では、コーヒーなどのドリンク代に50円や100円をプラスするだけで豪華なモーニングセットが出てくる。県内でも屈指のモーニング激戦区である。現状を打開すべく2019年末に佐藤さんは、朝8時に店を開けて朝ラーメンの提供を始めた。

うずら卵とちくわ天入りの「朝ラーメン」

これが「朝ラーメン」(600円※ソフトドリンク付き700円)。豊橋特産のうずら卵とちくわの天ぷらが入っているのが特徴だ。澄みきったスープは丸鶏がベース。口当たりはあっさりとしているのに、深みを感じるのは中華ならでは。これなら朝からでも美味しく食べられる。

やさしい味わいの朝ラーメンは、朝でも美味しく食べられる

「ところが、喫茶店は6時くらいから開けていますから、朝8時の開店では遅すぎるんです。そこでいっそのこと、深夜0時からランチタイムが終わる昼2時までやってみようと思ったんです。朝ラーメンも朝6時〜10時にしました。それが2020年になって間もない頃ですね」

営業時間の案内

深夜営業に切り替えると、店の近くの工場で働いている人が夜勤明けに立ち寄るほか、深夜に働くタクシー運転手や、クラブやスナックで仕事を終えた女性やスタッフが来るようになった。これまでファミレスや牛丼チェーン、コンビニを利用していた客層を取り込むことができたのだ。

群を抜く料理の美味しさに驚愕!

230円の追加料金で一品料理を定食にできる

町中華の魅力は、昔から慣れ親しんだメニューが揃うことに尽きる。ここ、『弥栄』も例外ではない。佐藤さんは中華の料理人として東京や横浜で修業を積んだという。ホテルやレストランでキャリアを重ねていくという選択肢もあっただろうが、選んだのは町中華だった。修業で身につけた技術を余すことなく注いだ料理は抜群に旨い。

シンプルな「炒飯」

では、ここから『弥栄』の人気メニューを紹介しよう。まずは定番中の定番、「炒飯」(600円※ハーフサイズは350円)。
「とくにこだわって作っているわけじゃないんですけど、炒飯が美味しいというお客さんは多いですね」と、佐藤さん。
よく、「炒飯を食べるとその店の実力がわかる」と言われるが、まさにその通り。

味付けや食感など、どれも完璧な出来映え

一見すると、何の変哲もない炒飯だが、味の濃淡や奥行き、パラパラとしっとりの中間あたりをいくご飯の食感など、旨い炒飯を語るときに必須となる部分をすべてクリアしているのである。レンゲで思いっきりかき込んでしまった。

ラーメンと聞いて、誰もが思い描く味そのもの

こちらも定番の「ラーメン」(600円)。前出の「朝ラーメン」との違いは、うずら卵とちくわ天ではなく、煮卵が入ること。うん、これぞ、正統派のラーメンである。勢いよく麺をすすった直後、「これ、これっ!」と叫んでしまったではないか。町中華のラーメンと聞いて想像した通りの味だったのである。

醤油ラーメンのほか、塩や台湾、五目なども揃う

ほかの料理の味を邪魔しないどころか、互いに引き立て合う。とくに炒飯や天津飯、中華飯などご飯ものとの相性も抜群のため、セット(1000円〜)も用意している。ランチタイム(11時〜14時)にはハーフ炒飯が付く「ハーフセット」(780円)も人気だ。

海鮮と野菜がたっぷりの「海鮮堅焼きそば」

町中華にありそうだが、実際に探してみると意外と置いていないメニューも。それが、「海鮮堅焼きそば」(750円)。五目あんかけ焼きそば、それも醬油味のものは見かけるものの、このような塩味のタイプは少ない。ホテルやレストランでは定番なのだが。

餡が染みた麺が美味しい

これもひと口食べて驚愕。まず、海鮮の旨みやほのかな甘みを引き出した絶妙な火の入れ方にヤラれた。さらに、塩加減やベースとなるスープの深み、餡のとろみ具合、パリパリとした麺の食感などなど、どれをとっても完璧。佐藤さん、アナタはいったい何者なんだ(笑)?

佐藤さんこだわりの「にくぎょうざ」

そんな佐藤さんのオススメは、「にくぎょうざ」(6個・380円)。これもまたごくフツーの餃子に見えるが、使用している肉に彼のこだわりがあるのだ。
「豊橋の隣町、豊川市の養豚場で育てられた“とよかわみー豚”を仕入れています。脂の少ないモモ肉を使ってますから、しっかりとした肉の旨みを感じていただけると思います。餃子以外にラーメンや炒飯に入れるチャーシューにも使っています」

脂が少ないのでいくらでも食べられる

佐藤さんの言う通り、脂が少ないので実に肉々しい味と食感が楽しめる。モモ肉ならではのあっさりとした口当たりなので、何個でも飽きることなく食べられる。もはや、サイドメニューとは呼ばせない。十分にメインを張れる一品である。

開店準備をする佐藤さん

それにしても気になるのは、営業時間の変更によって昼型から夜型のライフスタイルになった佐藤さんのコンディションだ。
「最初の頃はキツかったですが、もうだいぶ慣れてきましたね。ランチが終わってから後片付けをして、寝るのはだいたい17時頃ですね。5、6時間ほどで起きて、夜の仕込みを始めるという感じです。今のところ、自分だけの時間はなかなか取れませんが、深夜営業の店としてもっと多くの人に知ってもらうために頑張ります!」と、佐藤さん。

店の看板でも深夜営業をPR

深夜、温もりが伝わってくる手作りの中華料理が食べたくなったら、また、人恋しくなったら是非、『弥栄』を訪ねてみてほしい。きっと、次の日からまた頑張ろうというパワーがもらえるはずだ。

取材・撮影・文/永谷正樹

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