福井・越前町 越前水仙を活かしたまちづくり事業

福井・越前町 越前水仙を活かしたまちづくり事業

2020/03/07

日本海を望む越前岬で、凛と咲き誇る越前水仙。越前町商工観光課では「ふるさと創造プロジェクト事業」の一環として、水仙を生かしたまちづくりに力を入れています。越前町の魅力を知ってもらおうとペットボトルのイルミネーション設置など、開花シーズン以外でもイベントや事業を展開しています。

中広

中広

国内最大級を誇る水仙の群生地

可憐な水仙の花が、白い絨毯のように広がる越前海岸。兵庫県の淡路島と千葉県の房総半島に並び、日本水仙三大群生地の一つに数えられています。

越前水仙は、ほかの産地の水仙に比べて香りが強く、日本海の潮風に揉まれて育つため、花びらは厚く、茎も太いのが特徴です。冬の寒さと強風に耐えて咲く様子が、県民性、町民性に通ずるものがあるとして、福井県の県花および越前町の町花に選ばれています。

越前海岸における水仙の栽培は、大正時代に始まったとされています。梨子ケ平地域に自生していた水仙を名古屋の生花市場に出荷すると需要が高まり、周辺農家で本格的に栽培されるようになりました。

越前町内では、約60軒の農家が水仙を栽培。毎年、関西を中心に東海地方や関東地方に出荷しています

現在の作付面積は、60ヘクタール以上。越前岬水仙ランドから梨子ケ平にかけて、約3キロメートルにわたり水仙の群生地が広がります。「毎年きれいな花を咲かせるためには、球根の植え替え作業が欠かせません。面積が広く、大変な重労働ですが、丁寧に手入れしています。一面に咲き誇る水仙はとても清々しく、美しい。これからも守り続けていきたい」と、越前町水仙部会の会長を務める水仙農家の宮本修さんは話します。

宮本修さん

宮本修さん

越前町水仙部会 会長

開花シーズン真っ盛りの越前海岸。一面に可憐な白い花が咲き誇り、潮風に運ばれて甘い香りが広がります

通年の観光活性化に向けて幅広い年代の意見を募る

福井県は、各市町の地域資源を発展させて全国に発信し、オンリーワンかつナンバーワンのふるさとづくりを行う「ふるさと創造プロジェクト事業」に力を入れています。その一環として、越前町では「越前水仙を活かしたまちづくり事業」に取り組んでいます。

平成25年には、「3(サン)セットプロジェクト協議会」を立ち上げ、町内に住む幅広い年代の人々が、越前町を観光地として盛り上げるためのアイデアを出し合いました。

現在は、「ビューティフル3セット」と称して、越前水仙日本海の絶景美しい夕日の三つを用いた通年の観光地化をめざしています。「参加メンバーの職業はさまざまです。幅広い意見、とりわけ若い世代の視点を重視しています」と話すのは、越前町商工観光課の上坂佳一さん。

上坂佳一さん

上坂佳一さん

越前町商工観光課

主な取り組みは、越前町血ヶ平(ちがだいら)にある越前岬水仙ランドや絶景ポイントの再整備など。今年度は、水仙ランド内にあるガーデンクラブハウス水仙の館の前に、モニュメントベンチや案内板を設置しました。

開花期を過ぎても楽しめる越前岬のイルミネーション 

毎年3月には、イルミネーションイベント「越前岬水仙のかがやき」を開催(注:新型コロナウイルスの影響により今年のイルミネーションは中止)。水仙の開花シーズン以外でも観光できるようにと、平成28年度から、地域住民によるまちづくり組織 上岬地区を良くする会が主催しています。イルミネーションに使用するのは、ソーラー型LEDの発光装置「ペットボタル」。地域団体やボランティアで、約1万6000個を設置します。

水仙をイメージしたイルミネーションイベント「越前岬水仙のかがやき」。日本海と夕陽の絶景も楽しめます
イルミネーションイベントの開催に向けて準備を行う上岬地区を良くする会の皆さん。ボランティアとともに、ペットボタルを一つひとつ取り付けていきます

「先行して開催されていた石川県能登半島の『あぜのきらめき』、富山県牛岳温泉スキー場の『虹のかけはし』という二つのペットボタルイベントを参考にさせてもらいました。ゆくゆくは北陸の三大ペットボタルイルミネーションとして、認知してもらいたい」と上坂さん。

ペットボタルイルミネーション

さらに今年度は、青と白のLEDチューブライトを使って越前海岸の海と波をイメージした新しいイルミネーションも登場。平成29年に日本ロマンチスト協会と日本財団による「恋する灯台プロジェクト」に認定された越前岬灯台と光のコラボレーションも楽しめます。

「昨年度からは、福井県立大学で水仙について研究している学生も、ボランティアとして運営に参加してくれています。このイベントが地域の新たなコミュニティーの場として活性化している」と、上坂さんはほほ笑みます。

美しい景観を維持しながらも、幅広い世代の視点で新しい事業に挑戦する越前町商工観光課と上岬地区を良くする会。町民に親しまれてきた水仙と日本海の絶景を通年で楽しんでもらうため、さまざまな取り組みに力を入れています。皆さんも、越前海岸とイルミネーション、灯台の美しいコラボレーションを見に訪れてはいかがでしょうか。

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中広は岐阜に本社を置く広告会社です。 地元の情報を各戸配布のハッピーメディア(R)『地域みっちゃく生活情報誌(R)』のブランドで発信しています。

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