なぜこんな場所に寿司の名店が?座ウラの隠れ家で堪能する職人技

なぜこんな場所に寿司の名店が?座ウラの隠れ家で堪能する職人技

2020/03/17

大阪で今、話題を集めている座ウラエリア。人気の飲食店が集まるスポットとして連日、多くの人が行き交う中、隠れ家的なたたずまいで営まれている通好みの寿司屋があることをご存じでしょうか。「今里新地 松寿し 」――職人の仕事ぶりを存分に味わえる、こだわりの一軒をご紹介します。

Yahoo!ライフマガジン編集部

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その寿司屋、座ウラの奥にあり

人気の飲食店が集まる座ウラ。日が落ちるころから人の往来が増えはじめます

寿司こそは、この世で最も尊い食べ物の一つ。寿司は宇宙、寿司は芸術、寿司は平和の使者…みなさん、寿司食べていますか? と言っている本人も普段、回転寿司以外、お目にかかる機会は滅多にないのですが…。新年度を目前にしたこの時期、2019年度のお仕事を頑張ってきたご自分に、はたまた受験戦争をフィニッシュしたご子息・ご令嬢に、たまには回っていない寿司を奮発しようではありませんか。というわけで、話題のエリア・座ウラへゴー!

「今里新地 松寿し」が入居しているこちらのビル。なんと築60年超えなのだとか

座ウラの穴場とも言える「今里新地 松寿し」があるのは、昭和感あふれるスナックビルの1階。「本当にこんなところに寿司屋があるのか…」と思い、いちばん奥のお店の扉をおそるおそる開けると、そこには、たしかに寿司屋があり 、そして寿司職人がいたのでした。

もともとバーだった店舗。一見そうは思えないけど、まごうことなき寿司屋です

座ウラで話題の寿司職人がこちら!

店主の近藤晋太郎さん。祖父の代から3代続く寿司職人家系です

こちらのお店を切り盛りされているのは、愛称「スシニィ 」こと近藤晋太郎さん。ご実家は大阪・今里で50年続いた寿司店で、現在はこちらで伝統の屋号を継承しています。このようなスタイルで寿司屋をされているのは珍しいと思うのですが、開店の経緯は?

近藤さん a.k.a スシニィ
近藤さん a.k.a スシニィ
「若い頃、実家とは別の店で修行して、その後、数年間、流れの寿司職人をしていたんです。大喜利イベントで勝った人に寿司を握るとか、イベントにもよく呼ばれていました(笑)。なので最低限のスペースさえあれば、自分の店はできるなと。そう考えていたときに、バー物件の空きがあるという情報を聞いて、よし、今だ! と開店を決意しました」

江戸前&大阪鮨&オリジナルの技法を駆使する職人技

本日、寿司になる魚介たち。これが、どのように変身するのかは、後のお楽しみ

ということでお待ちかね。本題である寿司を握っていただきましょう。こちらの寿司は、鶴橋鮮魚市場で仕入れたネタすべてにひと仕事加えているというのが特徴で、これにはスシニィの職人としての矜持が込められています。

近藤さん a.k.a スシニィ
近藤さん a.k.a スシニィ
「寿司職人たるもの、やはり仕事してなんぼと思っています。自分は江戸前、大阪鮨、そしてオリジナルの技法も使っているのですが、基本的には王道の寿司を握ることにこだわっています」
目の前で繰り広げられる握りの技に思わず見とれてしまいます

ちなみに価格帯ですが、内容は基本おまかせで、8貫+お通し+お酒1 杯であれば、6000円でお釣りが来るというのが松寿しの相場です。界隈(かいわい)の寿司屋と比較してもお得なのはもちろん、こだわりがたっぷり込められたスシニィの仕事をこの価格で堪能できるなんて、本当にありがたや!

皿の上に花咲く旬の味

季節の魚介を堪能できるおまかせ8貫。通常はコースのように1一貫ずつ供されます

目の前で繰り広げられる技に見とれながら待ちわびた寿司、寿司、寿司…ようやくお目見えです。今回は、タイ、サバ、マグロ、車エビ 、ハマグリ、イカ、アナゴ、ブリがラインアップ。きめ細やかな仕事が施された握りをスシニィのコメント付きでご紹介します。

タイは通年で味わえるレギュラーメンバー

まずは、大阪鮨の技法で握られた「鯛 の雀寿し」を。気品あふれるルックスに、さっそく食欲をそそられます。

近藤さん a.k.a スシニィ
近藤さん a.k.a スシニィ
「塩と酢で締めた大阪鮨の技法を応用して握りにしています。身と昆布の薄板の間に木の芽を挟むことで、お口に入れた際にタイの上品な食感とともに爽やかな風味が広がるようになっています」
スシニィの技で華麗にドレスアップされたサバの握り
近藤さん a.k.a スシニィ
近藤さん a.k.a スシニィ
「こちらも酢と塩で締めて、松前寿司のような仕込みで握っています」
寿司の王道、マグロは漬けの握りで

みんな大好きマグロの握り。こちらは漬けの仕込みで外側と中身のコントラストが、まるでローストビーフのような色合いに。

近藤さん a.k.a スシニィ
近藤さん a.k.a スシニィ
「漬けに使っている醤油は、煮きってアルコールを飛ばしたみりんにたまり醤油をブレンドしたもの。当店のネタは基本的に1日寝かせて熟成させることでカドが取れ、まろやかな風味を生み出します」
ピンクの身とシャリの白が織りなす透明感に目を奪われます

こちらもファンの多い魚、ブリ。冬から3月にかけて食べ頃を迎えます。

近藤さん a.k.a スシニィ
近藤さん a.k.a スシニィ
「定番かつ王道の握りですが、昆布締めのシンプルな味わいで素材の持ち味を堪能していただけます」
「あれ、これただのイカ? シャリは?」ノンノン、ちゃんと寿司なんですよ

ビジュアルのインパクト大なイカの印籠ずし、今回の寿司の中でもとびきり凝った一貫です。

近藤さん a.k.a スシニィ
近藤さん a.k.a スシニィ
「イカの身の中にシャリを詰めており、木の芽とわさびも入っています。仕上げにゆずのおろしをかけることで3段階の味を楽しんでいただけます」
このエビ、別次元のうまさです!

これも定番中の定番、車エビの握り。ところが口に入れた途端、今まで食べたエビを全部忘れそうなほど濃厚なうま味 が口いっぱいに広がるのです。

近藤さん a.k.a スシニィ
近藤さん a.k.a スシニィ
「生きたエビを串で刺して茹で、オーダーを聞いてからむくので風味と水分が逃げず、鮮度は抜群です。頭ごといっちゃってください」
柔らかふっくら食感のアナゴも通年で味わえます

ここらでそろそろ食べたいな~と思ったら、はい、もちろんご用意しております、アナゴです。

近藤さん a.k.a スシニィ
近藤さん a.k.a スシニィ
「今日のアナゴは、腹開きで炙っております。追いダシのタレは、アナゴの骨を煮て作っており、濃厚なうま味が凝縮されています」
3月が旬のハマグリの握り

今回、貝から唯一のエントリーとなったハマグリは、素材本来の味を最大限まで引き出し、風味も抜群です。

近藤さん a.k.a スシニィ
近藤さん a.k.a スシニィ
「生きているハマグリを割って煮て、出た煮汁をベースにダシを作っています。それを仕上げに付けているので、貝そのもののうま味を味わっていただけます」
寿司の味にアクセントを加えてくれるわさびは静岡産。これを1貫作るごとにすりおろしてくれるので鮮度抜群

ひっそりたたずむ寿司空間

それぞれのネタへの仕事についても詳しく解説してくれます

さあみなさん、もう寿司が食べたくて仕方なくなっていませんか? 松寿しは営業時間が18時~ということで、一杯飲みながらのご利用がおすすめ。ネタに仕事を施している分、それを受け止めるシャリも普通の店よりボリューミーになっており、そんな寿司を受け止めるお酒もまた、とっておきのものをご用意しています。

福島の地酒「榮川(えいせん)」。関西では取り扱いが少ないので、ぜひお試しを
近藤さん a.k.a スシニィ
近藤さん a.k.a スシニィ
「榮川さんは、スッとノドを通るけどアルコール度数が17度あるので、非常に飲みごたえがあります。個性の強い当店のネタと相性が良いので、注文される方が多いですね」

秘密の隠れ家的な店舗で夜な夜な繰り広げられる寿司の宴。一味違う寿司で大人の階段を登りたい方は、ぜひ、足をお運びください。ちなみに、15歳未満は入店不可となっていますので、ご注意を。

使い込まれた木のドアに付けられたメタル製の看板が目印。小さいのでお見逃しなく

\まだまだ穴場ありまっせ/

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