240年以上の歴史ある“大谷焼”の里でとっておきの器探しへ

240年以上の歴史ある“大谷焼”の里でとっておきの器探しへ

2020/03/25

約240年の歴史を誇る徳島の伝統工芸品・大谷焼。土の風合いを活かし、光沢をもちながらも素朴で力強いのが特徴です。水がめやスイレン鉢など大きな陶器が有名ですが、最近ではマグカップや花瓶などの生活雑貨から個性的な芸術品まで、次世代による新たな作品づくりにも注目が集まっています。

あわわ

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四国を代表する陶器の一つ“大谷焼”とは?

大谷焼の歴史は、江戸時代の後期まで遡ります。
四国八十八箇所霊場の巡礼にきた九州生まれの焼物細工師・文右衛門が“大谷村(現在の鳴門市大麻町)”に訪れて、ろくろ細工を披露。それを見た庄屋の森是助が素焼き窯を築いて、焼きものを作らせたことから始まります。

当時の大谷村では、徳島藩主の命により阿波国(徳島県)で初の染付磁器が製作されました。しかし、材料が大谷村にないため損失が大きく、短期間で閉窯。

光沢のある質感が特長

天明4(1784)年になると、徳島の名産品・藍の商人である賀屋文五郎により、村内に「登り窯」を築きます。
信楽焼の職人を雇って技術を取得した納田平次平衛を中心になり、この登り窯で陶器(民陶)の生産を開始。これにより大谷焼は広まりました。

お気に入りを探したくなるカラフルな器たち
こんなに素敵なカップで飲むコーヒーは格別かも

明治時代には藍染に使う“藍甕(あいがめ)”が多く作られていましたが、大正時代の多様な変遷を経て、現在では大甕(おおがめ)から日用雑器に至るまで、多彩な陶器が作られています。

現在、大麻町にある窯元は6軒。形作りや色使いなど、窯元それぞれに個性があります。

大谷焼の窯元の位置を明示したマップ

日本一大きい登窯がある『森陶器』で陶芸体験!

国の有形文化財に登録されている“登り窯”

大麻町にある窯元のひとつ『森陶器』。
国の有形文化財に登録されている“登り窯”があります。

登り窯というのは焼物を薪で焚く窯のことで、火が上に登っていくように設計されたもの。

『森陶器』の登り窯は、奥行き7.4m幅2.8mです。
これだけ大規模な登り窯は珍しく、日本一の大きさを誇ります。

窯の中の見学も興味深い

のぼるのも窯の中を見学するのも自由。
静けさが漂う窯の中は、耳を澄ますと水琴窟(すいきんくつ)の音が楽しめますよ。

また、『森陶器』では二人がかりで行う「寝ろくろ」という伝統技法が守り続けられています。

今なお受け継がれる「寝ろくろ」という技法
職人が丹精込めて制作を行っている

「寝ろくろ」とは、大人の背丈ほどの巨大な甕(かめ)などを製作する際に、職人が作業台の下に寝転んで、ろくろを足で蹴りながら廻すことから名付けられた成形技法です。
この技法を使って、藍染に使う大がめなどを作っています。

そして、予約をすれば陶芸体験もできます!
体験メニューは電動ろくろ、手びねり、絵付けがあり、今回女子2人でろくろ体験をしてきました。

森陶器の4代目 森行雄さんの息子さんである森崇史さん

まずは、お手本を見せてくれました。

あっというまに、きれいな器の形に…(さすが)
初心者にもわかりやすいように丁寧にレクチャーしてくれる

ほとんど初めての2人で行きましたが、先生が丁寧に教えてくれたので、2つも作ることができました。

こんなに上手にできちゃいました!

体験時間は1時間。何をつくってもOKです!
じっくりチャレンジできるので、3つ作る人もいれば1つにこだわって作る人など、体験にくる人はさまざまだそう。

この中から好きな色を選ぶことができる

ろくろ体験後は、数種類ある色から好きな色を選びます。
後日、選んだ色をつけて焼いて送ってくれるのです(有料)。

世界にひとつだけのオリジナル作品を作るのにいかがですか?
絵付けなら小さなお子様にもできます。

窯元オリジナルの器を購入できる

ろくろ体験の後にはショップの方へ♪
店内には、茶碗や菓子鉢、コーヒーセットに飾皿といった普段づかいできる品が数多く並んでいます。

デザイン、色もさまざまで、棚には温かみのある色合いのカップ&ソーサーがたくさん!
看板犬・くるみちゃん

15時ごろには看板犬のくるみちゃんがお出迎えしてくれますよ。
甘えん坊で人懐っこく、お利口さんなので犬好きの人や遠方から訪れるお客さんの癒やしの存在。くるみちゃんに会いたくて、お店に訪れるお客さんも多いそうです。

窯元こだわりの器が大集合 大谷焼窯祭りへ行こう!

『大谷焼窯まつり』の様子

毎年11月の第2土・日曜には、大麻町の6つの窯元が一堂に作品を展示・販売する『大谷焼窯まつり』が開催されています。

メイン会場となる『東林院』には、そのうち5軒が出店。

イベント中は窯元ごとの特色が出た器を一度に見ることができます

各窯元のこだわりのカップやお皿などがズラリと並ぶので、どこを見ようかと歩くだけでも楽しめます。

日常使いできるアイテムを見つけよう

同じ大谷焼、同じテーマの作品でも窯元によって印象が全然ちがいます。
窯元によって土選びから違うようで、質感も色合いにも違いが出るのだそう。

佳実窯 会長 滝野佳宏さん

『佳実窯(よしみがま)』の滝野佳宏さんは、大谷焼陶業協会の会長も務め、陶暦は25年!
焼〆陶、変窯、灰釉などの技法を取り入れて大谷焼に取り組んでいるそうです。
毎年、干支の置物もつくっており、それがとってもキュート。

田村陶芸 田村栄一郎さん

現代的なデザイン、色鮮やかな器が印象的な『田村陶芸』。特に、藍色や瑠璃色、水色など、ブルーのバリエーションが多彩です。
徳島市蔵本町にもショップ『otaniyaki tamura 1784』をかまえており、乙女心をキュンとさせるような陶器がそろっているので要チェックです!

森陶器 森崇史さん

先ほど、電動ロクロを教えていただいた『森陶器』の若き窯元・森崇史さんは、芸大で陶芸を学んだのち、磁器を扱う作家の元へ修行、さらに専門学校へと8年間の学びの時期を経て、父の窯へ入ったそうです。

自家製の陶土を使って睡蓮鉢の大物からコーヒーカップや小皿などの食器まで幅広く手がけています。大谷焼きの素朴であたたかみのある風合いを活かした、モダンなデザインが特長です。

大西陶器 勝浦直紀さん

社会人として3年間勤務したのち、京都の専門学校を2年間通い、母の実家であった窯を継いだという勝浦直紀さん。
伝統もトレンドも大事にする勝浦さんがつくる大谷焼は、ふんわり明るいテイスト。徳島らしいジャパンブルーの器もやさしい色合いでステキです。

梅里窯 森祐紀さん

『梅里窯』の陶芸家・森祐紀さんは、TVチャンピオンの陶芸王選手権で優勝した経歴を持ち主! 伝統的な大谷焼の作品はもちろん、フクロウの置物やLEDランプなど、ユニークな作品をつくっています。
TVチャンピオン優勝者が教えてくれるとあって、普段、工房でできる絵付けやろくろ体験も人気です。

矢野陶苑 作品

まつり期間中は店舗のみの出店ですが、大谷焼きの中で最も古い歴史をもつ窯元『矢野陶苑』では、ブランド「SUEKI CERAMICS」を立ち上げ、新しいものづくりにも取り組んでいます。現代の感覚に合うシンプルなデザイン、美しい中間色、マットな肌感などが好評で、全国のセレクトショップでも多く取り扱われているので、こちらも必見ですね。


会場には、ろくろ体験と絵付け体験コーナーもあります!

この日のろくろ体験は30分ごとに実施(予約が必要)

先生がわかりやすく教えてくれて、粘土が崩れてもばっちりフォローもしてくれるから初心者も安心です!

イラストや文字を自由に組み合わせてデザイン♪

絵付けでは、好きな絵を素焼きされたお皿に鉛筆で下書き。釉薬(ゆうやく)を筆、または綿棒につけて下書きをなぞっていきます。
できたお皿は、焼いて後日郵送してくれますよ(有料)。

ちなみに、焼き上げていただいたものがこちらです!

かわいい仕上がりに大満足

毎年春には、6軒の窯元を歩いてめぐれる『大谷焼の里 スプリングフェスタ』も開催します。すべての窯元で商品を20%割引で購入できるほか、作陶やろくろなどの体験もできますよ。

イベントについては、大麻町商工会ホームページでご確認ください♪

イーストとくしまDMO

イーストとくしまDMO

そのほか徳島県・東部地域の宿泊、遊び体験に関する詳しい情報はイーストとくしまDMOのサイトまで。

この記事を書いたライター情報

あわわ

あわわ

徳島県内、所狭しと編集者が走り回って、お役立ち徳島ディープネタを毎日配信中のブログメディア『アワログ』を運営する地域密着ローカルメディア集団「あわわ」。 月刊フリーマガジン『あわわfree』、月刊タウンマガジン『Geen』、徳島ママの子育て情報誌『ワイヤーママ』も発行しています。

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