沖縄誕生の地・久高島で、神々と共に生きる人々と出会う/レポ①

沖縄誕生の地・久高島で、神々と共に生きる人々と出会う/レポ①

2020/04/01

旅好きな私が京都を飛び出して、今回特別にお邪魔させていただいたのは、沖縄県。定番の沖縄本島旅より、少し変わった場所に行きたいと思い、沖縄県南部に位置する離島・久高島へ。”神聖な島”だという噂は聞いていましたが、なぜそのように呼ばれる島なのか。part1スタートです!

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沖縄誕生の地・久高島で、神々と共に生きる人々と出会う/旅好き編集部おすすめ、1泊2日沖縄離島旅の体験レポ

久高島の歴史や自然を歩いて散策しながら学びます。初めて訪れた私にも優しい島の人々。温かな時間がたっぷりと流れていました

那覇から約1時間。沖縄誕生の地・久高島へ

安座真港から出発。往復1,480円で高速船に乗って久高島へ

離島といえば、少しハードルが高いイメージですが、沖縄県には本島から気軽に行ける島がたくさんあります。今回訪れた久高島もそのひとつです。那覇空港からは、レンタカーで約45分、久高島へ向かうフェリーのある安座真港(南城市)を目指します。運転ができないという方でも、那覇バスターミナルからバスに乗って約1時間、安座真サンサンビーチ入口で下車すると目的の港の近くに到着することができます。

安座真港から高速船で約15分、フェリーだと約25分で目的の久高島に到着します。13時発の高速船に乗って、1泊2日の久高島の旅へといざ出発。

安座真港から出発を待つ船

初めて出会った隣の方とも一気に仲良くなってしまうほど、親しみやすいコンパクトさがウリの高速船。揺れも少なかったので、外の様子を見にデッキに出てみることにしました。キラキラと輝く水面や空を見上げるのもつかの間、ほどなく久高島に到着しました。

天気がいい日は絶対にデッキへ!
奥に久高島が見えてきました!

琉球の神が住む島といわれる理由は...

久高島には神々を祀る拝所が多数ある

久高島のことイチから知りたいと思い、まずは歴史と文化を深く知れる久高島ガイドツアーに参加しました。このガイドツアーは、南城市観光協会認定ガイド「アマミキヨ浪漫の会」久高支部の地元島人メンバーのみなさんが案内してくれ、コースによって、所要時間や内容も異なります。

この日は、久高島の主要なスポットを2時間かけてまわる「久高島行幸コース」に参加しました。

ガイドを務めてくれた、久高島生まれ、久高島育ちの西銘 武良さん

まずは久高島がどんな場所なのか簡単に教えていただきました。
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久高島とは?
・琉球を創ったとされる神様「アマミキヨ」が天から舞い降りた島
・五穀発祥の伝説の他、琉球王家と関わる様々な伝説も残る
・御嶽(うたき)や拝所(うがんじゅ)など、数々の祈りの場が今も残る
・12年に一度「イザイホー」という神事が行われていたが、1978年以降は中止となっている
・今もなお、琉球開闢や五穀発祥にまつわる祭りが年間約30行われている
・立ち入りが制限され、一般の村人さえ入れない御嶽もある
・女性を守護神とする文化が継承されている
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つまり、この島に「アマミキヨ」が降り立ったことで沖縄が生まれたのだ。琉球の神話の数々が残る久高島では、180人ほどの島の人々が今でも古来の風習を大切に守り、神々と共に生きているのです。

基本的なことを学んだ後は、早速歩いて島内を散策します。赤瓦の家やシーサー、ゴツゴツとした石垣、軒先からそっと顔を出す色とりどりのハイビスカスやブーゲンビリアの花...周りの風景を眺めるだけでも、私が住む京都とは全く違う世界。それだけでも「沖縄に来てるんだ〜」と旅のわくわく感が高まります。「こんにちは」と挨拶をすると「どこから来たの?」と島の方が気さくに話しかけてくれました。全長約3km、一周約8km、誰もが家族のような存在のこの島の人々は、初めて訪れた私にも優しく接してくれ、それだけでもほっと温かい気持ちになりました。

白い瓦屋根が青い空の下で輝いています

ちなみに、久高島の土地は、個人所有ではなく、島民がみんなで持つ”総有”。琉球王朝時代の「地割制度」が今でも残っています。つまり、土地もみんなで分配して、大切に守り続けているのです。

きれいに整列した石が、土地と土地の間を区切っていました

島の暮らしを感じながら歩き進めること約5分、まず向かったのは「君泊(ちみんとぅまい)、大君口(うぷしんぐち)」です。ここは琉球王国時代、聞得大君(きこえおおぎみ=第二尚氏時代の琉球神道における最高神女[ノロ])と国王が来島する際に使われた港だと伝わります。この港からは、なんと約5,000年前の貝塚も見つかっています。

この先に見える海のが君泊

続いて、島で年間の主要な祭りが行われる「御殿庭(うどぅんみゃー)」へ向かいます。

御殿庭には、島の人々にとって大切な建物が3つ並んでいました

中央に建つのが神を招き、祭事を行なう場所「神アシャギ」です。右側は、久高島の人々の始祖のひとりと言われる百名シラタルーを祀った「拝殿」、左側には神の使いで聖なる食べ物とされたイラブー(ウミヘビ)を燻製する「バイカンヤー」があります。イラブーは滋養強壮にいい食材として珍重され、琉球王国時代には国王へ献上していたのだそう。今でもイラブー漁は続き、イラブーを食べる文化も残っています。

「御殿庭」は「イザイホー」で最も重要な祭場です。そもそも「イザイホー」とは、12年に一度の午年、久高島で生まれた30歳から41歳までの女性が、祖先の霊力を受け、島の祭りを行う一員になるための儀式でした。中央の「神アシャギ」は神の木と言われるクバで一面覆われ、入口には現世と来世をつなぐ”七つ橋”がかけられたそうです。1978年以降は、後継者不足などが理由で行われていないのだとか。

五穀豊穣の神として祀られるアカッツミー夫婦がいたとされる、久高島の旧家のひとつ、大里家(うぷらとぅ)にも足を運びました。大里家には、娘のクンチャサヌルが、久高島にやってきた尚徳王と恋仲になった伝説も残っているのだそうです。

大里家(うぷらとぅ)

それにしても、小さな島だというのに、祈りの場所が多いことがなんとも印象的です。御殿庭や大里家以外にもたくさんあり、拝所の前には入れ替わり立ち替わり島の人々がやってきます。年間約30のお祭りが行われるとなると、単純に計算しても毎月2回は御嶽や拝所へ向かうことになります。考えただけでも、神々の存在は切っても切れないものだと、実感させられます。

島には祈りのシンボルが点在。玄関前では家ごとに表情が違うシーサーが家内安全を祈ります

協力/NPO法人 久高島振興会、一般財団法人 沖縄観光コンベンションビューロー
旅の注意ポイント:久高島には禁忌や立入禁止の場所があります。島のルールに従って旅を楽しんでください。

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