人気ベスト5店を巡ってわかった神田神保町にカレー店が多いワケ

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わざわざ食べに行きたい! ニッポンの絶品カレー22

2016/11/26

人気ベスト5店を巡ってわかった神田神保町にカレー店が多いワケ

神田神保町といえば本の街のイメージだが、カレー店の聖地としても知られる。本好きに食べてほしい5つのカレーを厳選して紹介。なぜこの街にはカレー店が多いの?その謎とともにお届けします。

Yahoo!ライフマガジン編集部

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本好きに食べてほしい神田神保町のカレー5皿

四六時中読んでいたい! 本好きたちの心と腹を満たす絶品カレー

本の町・神田神保町はなぜカレーの聖地に?

古本屋がずらりとならぶ神田神保町。そして、神田神保町といえばカレー店の聖地としても知られる。

本の街なのになんでカレー店が多いの?

カレー店のみなさんに聞いたところによると「スプーン一本で食べるカレーは本を読みながら食べられるから」というのが濃厚とのこと。なるほどです。カレーは腹だけでなく、四六時中読んでいたい本好きの心も満たしてくれる料理なんですね。ではさっそく、本好きに贈る5皿を紹介します。

1.『上等カレー 神田小川町店』

「神田カレーグランプリ2015」優勝! 大阪発の甘辛カレー

絶対食べておきたい「トンカツカレー」(880円)。「生たまご」(1個目まで無料)をトッピングして食べるのが大阪流だ
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店長の門馬さん。「古書街をぶらぶらするのが好き。ハガキなんかも置いてあって、楽しいんですよ」(門馬さん)

「神田カレーグランプリ2015」でグランプリを獲得した、大阪発の「上等カレー 神田小川町店」。こちらは2014年に東京上陸を果たしたお店。牛スジとタマネギをふんだんに使った、大阪スタイルの味が瞬く間に人気を呼んだ。

定番はサクサクのカツがのる「トンカツカレー」(880円)。また、牛スジの旨味が詰まった甘辛のルーは「生たまご」(1個目無料)をトッピングして食べるのが大阪流。とろりとまろやかな黄身と、後から追いかけてくる辛さとのバランスが絶妙だ。

店長の門馬さん
店長の門馬さん
「神田カレーグランプリ2015」の際は、2日で3000杯以上売り上げました。中でも「トンカツカレー」は人気でしたね
サクッと揚げたカツは約75g
ボリューミーながら、食べ応えは軽め。生卵とルーを絡めると、まろやかな味わいの中に牛すじの旨味とスパイスが際立つ。後からピリっとくる甘辛風味がたまらない!

\カウンターでゆったり/

本をお供に食べる人多数!

創業30年。東京に上陸して約1年半後に「神田カレーグランプリ2015」でグランプリ獲得を果たした

店内はカウンターのみだが、椅子の間隔が広くゆったり。そして「上等カレー」の隠れ名物が、卓上に置いてある「キャベツのピクルス」。カレーと一緒に食べると、ぎゅっとあふれるキャベツの甘み&ほどよい酸味がルーの味を引き立てる。

ゆったりしたカウンター席。卓上にはキャベツのピクルスほか、ふくじん漬けも。「場所柄、本を持ってくる方も多いです」(門馬さん)
数種のスパイスやフルーツ、牛スジ、タマネギなどを煮込んだ秘伝のルー
店長の門馬さん
店長の門馬さん
やみつきになる本場大阪の”甘辛カレー”をぜひ味わってみてください。テイクアウトもできるので気軽にいらしてくださいね

2.『シディーク 神保町店』

リーズナブルな本場のインドカレー

スパイスが効いた鶏のBBQが付く「ターリーセット(バーベキューあり)」(1300円)。選んだのは、マイルドなバターチキンカレーとピリッと辛めのマトンカレー。バランスいい2種を食べるとじんわり体が温まる
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チーフシェフのアメットさん(右)と店長のピタンバーさん(左)。一番好きな本は、それぞれコーラン(アメットさん)とヒストリーブック(ピタンバーさん)

神田神保町でインドカレーを食べるならココ!「シディーク 神保町店」は、インド人シェフが作る本場の味が手ごろに楽しめると評判のお店。ハラール認証店でもあり、カレーは日替り含む9種をラインアップ。

おすすめは2種のカレーにナンとライス、タンドールで焼いたチキンが付く「ターリーセット(バーベキューあり)」(1300円)。カレーは9種から選べ、今日はまろやかな「バターチキンカレー」と基本の辛口「マトンカレー」を注文した。

チーフシェフのアメットさん
チーフシェフのアメットさん
バターチキンは5種のスパイスにトマトやジンジャーガーリックペースト、ナッツを使ったまろやかな味。チリやコリアンダー、ショウガなど10種のスパイスを使う「マトンカレー」は1時間じっくり煮込んでいます。結構辛めですが、体が中から温まりますよ。
ほんのり甘くモチモチのナンはキッチンにある筒型の窯、タンドールで焼き上げる。カウンター越しにシェフのナイスな手さばきを楽しもう
2つのカレーが選べる「ターリーセット(バーベキューあり)」(1300円)。バターチキンカレー(手前)はほのかにトマトの味わいが。奥は後からスパイシーな風味が追ってくるマトンカレー。ナン&ライスと

\古書店巡りの途中に/

スパイスが効いた本格インドカレーでパワーチャージ!

古書店街に佇む「シディーク 神保町店」。一部メニューは入口横のカウンターからテイクアウトできる

本場インドをイメージした店内は、意外にも女性が多い。本部の山崎さんによれば「1階は壁沿いのカウンターもあり、女性一人でも入りやすくなっています。1000円でカレー2種とデザートが付く、女性限定の『レディースターリー』が人気ですね」。

ひとりでほっと落ち着ける、1階のカウンター席。日本語が話せる外国人スタッフのみなので、南アジアに来たよう雰囲気を味わえる
(右から)ピルスナータイプのインド発「マハラジャ」(500円)や本国でメジャーな「キングフィッシャー」(700円)をはじめ、ベトナムの「333 バーバーバー」(700円)など世界のビールもそろう
店長のピタンバーさん
店長のピタンバーさん
夜はお酒にあう一品料理も豊富なので、女子会などで集まるお客さまも多いです。インドやインド料理店で修行した、シェフの腕前を楽しんでください!

3.『スマトラカレー共栄堂』

後をひく苦みがやみつきに! 老舗の黒カレー

「スマトラカレー共栄堂」のカレーは、スマトラ島の味を日本人でも食べやすいように仕立てている。コクとほろ苦い後味がやみつきに
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代表の宮川さん。「約20年前のカレーブームから、この界隈にカレー店が増えはじめましたね」とのこと

大正13(1924)年創業の「スマトラカレー共栄堂」。後をひく苦みがクセになる黒いカレーは、当時東南アジアに足を運んだ伊藤友治郎氏より、スマトラ島のカレーの作り方を教わったことが始まり。ソースは小麦粉を使わず、1時間じっくり炒めた26種のスパイスとタマネギ、ニンジンなどの野菜を形が無くなるまで煮込む。

メニューはポークやエビほか5種類。今回紹介する「チキンカレー」(1150円)は、鶏でとったブイヨンをあわせたもの。やわらかな肉の旨味と、ほろっとビターな味わいが心地いい一皿だ

代表の宮川さん
代表の宮川さん
小麦粉を使わず、スパイスを炒めるのがスマトラカレーの特徴。さらりとしたソースにあわせてご飯はふっくら炊いています。お米は新潟産のコシヒカリ。つやがありおいしいんですよ。
創業時から変わらない黒色のソースは、26種のスパイスや煮込んで細かくした野菜を約3時間煮込む。一度冷蔵庫でシメてから、さらに熱を入れるとのこと。コクがありほんのり残るロースト感が心地いい
やわらかな鶏肉がごろんと入った「チキンカレー」(1150円)。ふっくらと粒が立つご飯に、さらさらのソースがよくなじむ。同店の特徴であるほんのり残る苦みは、炒めたスパイスからなるもの

\お気に入りの一冊とまったり/

大正13年から続く名物にも注目

神保町屈指の老舗である「スマトラカレー共栄堂」。店はビルの地下1階にある

お店は創業時の雰囲気が残る。そしてこの時期見逃せないのが、10月〜4月限定の創業時からの名物「焼きりんご」(530円、平日14時、土日祝11時から販売)。初代にスマトラカレーを伝授した伊藤氏が、リンゴの産地として名高い長野県出身だったことからはじまったのだそう。ちなみに品種は、香り高く果肉がしっかりている紅玉

座席スペースは広々。本を片手にまったりカレーを待とう。「5種のカレーはそれぞれ別で煮込んでいるため、味わいの違いが楽しい。ぜひいろいろな種類を食べてみてください」と代表の宮川さん
10月〜4月限定の「焼きりんご」は、甘〜いリンゴの香りが。ほどよくシャリシャリ感を残しながら、口の中でじゅわっととろけるやわらかさ。あっさりした甘みと酸味で、口直しにも◎。甘さ控えめのクリームをかけて
代表の宮川さん
代表の宮川さん
低温で焼いてから寝かせ、その際に出る蜜や果汁の甘さのみで作っています。ほんのり酸味が残る紅玉は、食後の口直しにもぴったりですよ。

住所:〒101-0051 千代田区神田神保町1-6 神保町サンビルディング B1
電話:03-3291-1475
営業:月〜土11:00~20:00(LO19:45)
定休日:日曜日(祝日は不定休)
席数:60
アクセス:神保町駅A5出口から徒歩約1分、新御茶ノ水駅B5出口から徒歩約7分、御茶ノ水駅御茶ノ水橋口出口から徒歩約8分
カテゴリ:カレーライス,ハヤシライス,スイーツ(その他),神保町・水道橋,神保町、新御茶ノ水、御茶ノ水
予算:昼夜950円〜2000円
喫煙:不可
※小さいお子様の入店はご遠慮させていただきます

※この情報は取材時の情報です。ご利用の際は事前にご確認ください。

4.『スープカレー屋 鴻(オオドリー)神田駿河台店』

2種のスープが選べるスープカレー専門店

ボリューミーな「国産牛100%手造りハンバーグ」(赤スープ、1050円)は、固めに炊いたご飯に肉汁とスープの旨味がじわり。口に広がるスパイスの余韻が心地いい
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読書好きというマネージャーの山本さん。料理本専門の古書店によく足を運ぶそう

スープカレー専門店「スープカレー屋 鴻(オオドリー) 神田駿河台店」は、
選べる2種のスープがウリ。野菜と国産の手羽がベースのあっさりした「赤」スープ、野菜にトンコツを加えたコクのある「黒」スープはそれぞれさらりとした口あたりだ。

スープが決まったら具材を6種、辛さを4段階からチョイスする。中でも人気なのが、国産牛の手ごねハンバーグが入った「国産牛100%手造りハンバーグ」(1050円)。スープの旨味にジューシーな肉汁があわさって、食べ応えも抜群な一皿だ。

マネージャーの山本さん
マネージャーの山本さん
辛さは1辛で中辛程度。ぜひ同じ具材で2種のスープを食べ比べてみてください。スプーン一本で食べられるよう、ハンバーグの固さも工夫しています!
肉のニュアンスが強めな野菜と豚骨ベースの「黒」スープ。「黒」と「赤」の両スープは、乱切りにしたタマネギの食感がアクセント。素材の旨味とスパイスの余韻がやみつきになる
スプーンは持ち手が厚く軽いものを採用。「さらっとしているので、スープに浸けて食べるのがおすすめ。スープが少なくなってきたらご飯にかけて。ご飯は終日お替り自由。たくさん召し上がってください」(山本さん)

\喫茶店のようなレトロ空間/

古書店街になじむ店構え

「スープカレー屋 鴻 神田駿河台店」。1号店は徒歩5分の場所にある

昭和の喫茶店のような内装からか、女性のおひとりさまも多い。オーナーの鴻巣さんいわく「古書店街の街並みになじむよう、レトロな雰囲気にしました」とのこと。軽く持ちやすいスプーンも自ら選んだもので「ワンスプーンで食べやすいように具材もやわらかく仕上げています」。

昭和を感じさせる店内。ほっと落ち着く、居心地がいい空間
口の中をリセットしてくれるオリジナルラッシー「オッシー」(100円)。名前の由来は「鴻(オードリー)」と「ラッシー」をかけあわせたそうで、ディナーはサイズ約1.5倍で200円で提供
マネージャーの山本さん
マネージャーの山本さん
食後に口の中をすっきりしたい方には、オリジナルのラッシー「オッシー」(ランチ100円)をおすすめしています。さらっと爽やかな味わいで、カレーのお供にされる方も多いですよ。

5.『欧風カレー ガヴィアル』

素材の味が光る贅沢欧風カレー 

魚介が香る「シーフードミックスカレー」(1850円)。やさしい味のバターライスはブイヨンで炊いてゴーダチーズをオン。奥行きあるソースの味がはえる。プラス200円で大盛りも可能!
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店長の曽根田さん。近くの児童書専門店「ブックハウス神保町」へお子さんの絵本を物色しに訪れるという。「大人が見ても楽しいですよ」(曽根田さん)。

神保町交差点に店を構える「欧風カレー ガヴィアル」。昭和57(1982)年の創業時から継ぎ足すソースは、コクを出す野菜のペーストが味の要!国産肉などの贅沢素材とあわせ、ソースに素材の旨味を閉じ込めている。

10種あるカレーのうち、今回紹介するのは「シーフードミックスカレー」(1850円)。ホタテとエビ、アサリがごろりと入ったボリュームたっぷりな一品だ。

店長の曽根田さん
店長の曽根田さん
2日間かけて作るペーストは、タマネギやセロリ、ニンニクなどの香味野菜をバターで炒めて作ります。これにカレー粉と28種のスパイスを足して、ソースのベースになるんです。
「シーフードミックスカレー」(1850円)のソースにはバターとオリーブオイルで炒めた魚介のツユがたっぷり! 
プリプリのエビやボリューミーなホタテがごろり。ホクホクのメイクイーンはカレーに入れても、バターをのせて口直しにしても

\本を片手に食べる人もちらほら/

辛さを選べる継ぎ足しソース

店は神保町交差点の中心にあるビル2階

クラシックが流れる店内には、本を片手に食事する人もちらほら。「カレー好きが集まる神保町で、食べに来ていただけるのは嬉しいことです」(曽根田さん)。またここでは、辛さを甘口から中辛、辛口の3種から選ぶことができる。異なるカレー粉で作る3種のソースを、辛さによってブレンドしているのだそう

「ゆったりしていただけるよう、スペースは広めに」(曽根田さん)。お気に入りの一冊と贅沢カレーを味わおう
辛さにあわせ3種のソースをブレンド。味の要であるペーストにビーフとタマネギをボイルしたスープを足し、このソースができあがる。シェフいわく「35年継ぎ足していますが変わらない味にするのが腕の見せどころ」
店長の曽根田さん
店長の曽根田さん
シーフードのほかにも、まろやかなチキンやスパイスが後をひく野菜のカレーもおすすめです。辛さを変えたりとお好みで味わってみてください。

※年末年始定休


取材メモ/紹介した5皿はどれも絶品。温かなお店の方とおいしいカレーで心もお腹もほっこり(ぽっこり)した取材でした。約400店もある神田神保町のカレー、食べ尽くせる日はくるのだろうか…

取材・文=金城和子、撮影=ウチダアキヤ、齋藤ジン、三佐和隆士

この記事を書いたライター情報

Yahoo!ライフマガジン編集部

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