ツレヅレハナコの下北半島おいしい民宿飲み食いだおれ旅vol3

ツレヅレハナコの下北半島おいしい民宿飲み食いだおれ旅vol3

2020/05/11

酒好き・民宿好き、ツレヅレハナコが行く、青森県下北半島の民宿で3泊飲み食いだおれる旅、始まります。

まるごと青森

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大女将曰く「過去最高の白子」!下北の冬を味わいづくす鱈御膳‐むつ市「民宿 栄屋」‐

青森県民でさえも「遠いよね~」「行ったことない」などと、けんもほろろな辺境の地・下北半島。陸奥湾を囲む青森県の先っちょと聞けば、「あのあたりか」とイメージもわくのでは。しかし、「四方を海に囲まれているから、民宿(!)での魚介三昧のごはんが最高なんですよ」「特に真冬は酒のアテ天国!」って……。えー、そんなの酒好き・民宿好きとしては行くしかない! 私、ツレヅレハナコが下北半島の民宿で3泊飲み食いだおれる旅、始まります。

ツレヅレハナコ

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鱈を食べるなら脇野沢!生クリームのような白子に悶絶

下北半島の冬の美食を語るにおいて、ゆずれないスター食材がもうひとつ。
それは、「鱈」!
中でも脇野沢地区の鱈漁は有名で、毎年12月上旬になると「脇野沢の場取り」がニュースになるほどです。

少し行けば、もうそこは海の脇野沢地区

脇野沢の場取り」とは、漁師たちが鱈漁の仕掛け場所を早い者勝ちで取り合う恒例行事。江戸時代から鱈漁がおこなわれているこの地区では毎年の風物詩なのだそう。

黄色い壁が目印の「民宿栄屋」!

この日、お世話になるのは鱈料理で知られる脇野沢の宿「民宿栄屋」。
地元でも老舗の民宿です。

誰もがおどろきを隠せない豪華な鱈コース!

さっそく浴衣に着替えて広々とした宴会場に着いたら、まずは瓶ビールで一杯! 
テーブルの上には、すでにズラリとごちそうが並んでおります。ひゃー、これはテンション上がる!

料理上手な大女将杉浦ヤエ子さん

場取りが始まると、真冬が来るなあという気になるよねえ」と話してくれたのは、大女将の杉浦ヤエ子さん。年末に最盛期を迎えて2月頃まで続けられる鱈漁ですが、「今年はいっぱい獲れているから、たくさん食べてもらおうと思って」とうれしいお言葉! さっそくテーブルに並んだ料理の説明をしてもらいました。

鱈ならではの脂ののりっぷりがたまらんとも和え!

まずは、鱈のとも和え。鱈の身や皮を肝で和えたもので、いきなり酒泥棒……!
あんこうのとも和えは青森の定番だけれど、さすがここでは鱈バージョンなのね

もちろんお酒を! 今日は八戸の地酒「八仙」を一升で
鱈のお刺身は部位違いでいただきます!

お刺身も、もちろん鱈をたんまり。そして帆立。
東京では鱈を刺し身で食べられる機会なんて、ほとんどないー。さすが地元!

コリコリのなまこ酢。ポン酢でサッパリ
どんぶりでドーンと出てきた鱈のじゃっぱ汁
肉厚の身もたっぷりと!

身やアラでつくった具だくさんの汁物「じゃっぱ汁」。これも地元では欠かせない一品です。
骨や身から出ただしが、たまらなくおいしいー!
寒いこの土地では、これを食べて身も心もあっためたんだろうなあ。

しゃーぶしゃーぶ(なぜか必ず声に出してしまう)

そして本日のメインディッシュは、「鱈と白子のしゃぶしゃぶ」。
いやーん、シンプルなだけに地元で食べるべき贅沢な組み合わせ。
大皿に盛られた白子の、なんと立派で美しいこと!

これからのおいしさを前に気付け薬的に「八仙」を飲む私

ここで、大女将から衝撃の発言が……。
「私は、この宿に嫁いできて40年。毎年ずっと鱈をさばいているけれど、こんな白子は初めてだー。今まで見た中で一番きれいな白子だよ」。
えーーーー! そんなうれしいお墨付き!?

箸でつかんでもしっかり大粒!

確かに、見たことがないレベルのツヤツヤぷっくり立派な白子。
「箸でつかむと違いがよくわかるよ。粒が大きくてよく張っていてね。小さくて恥ずかしくて出せないような白子の時もあるのに、いい日に来たねえ」

一口ごとに幸せが広がります…

オススメは、鱈の薄切りとともに湯にくぐらせていただくしゃぶしゃぶ。
「鱈は少し厚切りにしたほうがおいしい。しゃぶしゃぶといっても、気持ち長めに火を通して、おろしポン酢で食べて」

まずは身だけをいただくと、しっとりふわふわ~。旬ならではのたっぷりのった脂が適度に湯に落ちて、何枚でも食べられてしまいそう。そして、「過去最高レベルの白子」は、まさにもちろん私だって! はー、なにこれー。舌の上に広がるのは、完全に濃厚な生クリームなんですけれども。 

スタッフ一同、あまりのレベルの白子に無言。いやはや、すごいの食べちゃったなあ。ここまで来た甲斐がありすぎ!(←この3日間、毎日言ってる)

脇野沢の民家の軒先に鱈。よく乾いてる!

「今は旬だから生の鱈がたくさんあるけど、干して保存食にもするんですよ。それぞれの家で軒先に吊るしてね。〈寒風干しだら〉っていって、この地域では欠かせないものだね」
そういえば、昼間にまわりを散歩していたら、各家に鱈が干してあったような!

なぞの物体だったのが、大女将の説明で「エラ」と判明

「〈ささめ〉っていう保存食もあってね。鱈のエラを干しとくの。刻んで煮しめに入れたり、汁物にいれたり。鱈の出汁が、本当によく出んのよ」。
なんとエラ? 「鱈は捨てるところがないほどすべての部位を食べられる」と聞くけれど、地域の恵みをいただく人々の知恵に驚くことばかりだなあ。

「ほかにも地元ならではのおいしい食べ方があるんだけどね」と大女将。
聞き捨てならない、その情報! でも今夜のお腹はもういっぱいです……。
「それじゃあ明日の朝ごはんに出してあげるよ」とのことなので、
喜んでお願いすることに。
ここまで来たら、ギリギリまで最高の鱈料理を食べつくすぞー!

白メシにもお酒にも合う!大女将が研究した鱈料理

さわやかに起きたら、もうお腹が空いている!
おいしい地元料理とお酒は翌日に残らないなあ。

やっぱり外は雪景色。冬の下北はこうでなきゃ!
共同の洗面所もかわいいのです
これだけで、ぐいぐいいけすぎるラインナップ

昨夜と同じ朝食会場へ行くと、またしても酒のつまみになりそうなものばかり……。たらこの醤油漬けをほぐしたのとか、よく漬かった大根とか!
そこに、とどめの海藻のみそ汁なんてね。毎日これ食べたいなー。

楽しみにしていたのは、昨日大女将が話していた「脇野沢に伝わる鱈料理」。
あとから食卓へ焼きたてをもってきてくれました。

これが脇野沢ならではの鱈料理!

鱈の肝と鮭とみそを混ぜたものに身を漬けこんで焼いた「鱈の肝焼き」。
ひー、なんてものを朝っぱらから出してくれるのでしょう……こんなの、好きに決まってる! ひと口いただけば、しっとり脂ののった鱈の身に濃厚な肝とみそが合いすぎて悶絶。こんな鱈料理、初めて食べたよ……。

「私もこの民宿に嫁いできてから、お母さんに教わった料理でね。ここに嫁に来る人は、そうやって鱈料理を覚えていくんです」
ちなみに漁師さんの家では「漁仕事に〈みそ〉がつくから」という理由で、この料理に絶対にみそは使わず塩で調味するそう。なるほど、さすが縁起もののお仕事!
「女将の仕事も私の代になり、お客さんの意見を聞いたりしながら少しずつ作り方も変えてきました。たとえば、母の代では身は肝床に一晩以上漬けておくのが基本。でも鱈の脂は強いので、長い時間置きすぎると脂が酸化して油くさくなる。だから私は、漬けてから30分ほどで焼きます」
なるほど、伝統料理も独自に研究することでよりおいしくなっていくんだなあ。

朝の胃袋に染みわたる鱈雑炊!

シメには昨夜の鱈しゃぶの残ったものをベースに雑炊を。
鱈のうまみが溶けだしたスープ、おいしくないわけがない!

ああ、おいしかった。最高でした。
もとから鱈好きではあったけれど、こんな鱈の世界があったのかと感動し通し。
冬の下北でしか食べられない鱈天国、ぜひ皆さんも味わいに来てみてー!


DATA 
脇野沢「民宿 栄屋」
住所 青森県むつ市脇野沢本村160
TEL 0175-44-3422
客室 和室計8室
最大客数 25名様
宿泊料金 1泊2食付き6500円税別(鱈料理が味わえるのは12月中旬頃~2月頃)

おまけ立ちよりスポット

★繊細な手仕事が光るヒバ細工
柴田円治さんの「かご工房」

ひとつひとつ丁寧に編まれる青森ヒバのかご
職人の柴田円治さん
柴田さんが「編み方の先生」と言うお母様の編んだかご。自分で数字をふった
作るものによって幅や厚みを変えて削るヒバのテープ

最近では全国のメディアでも人気を集める青森ヒバ。アロマや消臭剤にも使われる天然の香りを持ち、最高級建材としても知られています。
下北半島には「日本三大美森」のひとつである青森ヒバ林があり、昔からヒバとの縁が深い場所。その地でヒバを使ったかごを作っているのが柴田円治さんです。
硬くて加工の難しいヒバをテープ状に加工し、一枚ずつ編み込むことで完成するかご細工。ツヤツヤと輝きながらも透明感のある表情と、ヒバならではのすばらしいアロマ香には誰もがうっとり! 
柴田さんは、もともとヒバ施業実験林の管理をされていたそう。そのためヒバの特性を知り尽くしていて、作るかごの大きさや種類によって削る厚さや幅を調節しています。「ヒバのくせを見ながら曲げると折れないよ」と話しながらスイスイ編んでいく至極の逸品は、「下北物産協会まさかり売店(●0175-22-9161)」などで手に取ることができます。

★学生たちの胃袋を支える
お惣菜「大湊吉田ベーカリー」

煮卵から白子の天ぷらまでなんでもこい!
その場でパンにぬってはさんでくれます。楽しい!
卵焼きに菊の花のおひたし。そこに、すじこにぎりを
お腹空かせて寄ってってー!

地元の学生ならば必ず食べたことがあるという「大湊吉田ベーカリー(通称「ヨシベー」)」のパンやお惣菜。
昼前になると学校の売店に運ばれてきて毎日のように買って食べる、言うなれば「むつ市のソウルフード」? その本店となるお店がこちらです。
店内に入ると、ショーケースにはお惣菜がズラリ。揚げものから煮物、あえ物など食べたいものがすべてある! 
とはいえ。こちらのメインはやっぱりパン。あんこやジャム、チョコレートなど好みのものを食パン塗ってサンドしてもらえて、なんと160円からって財布にやさしいな~。
私はお店の端っこにあるテーブルで、お昼から惣菜とすじこにぎり、ハイボールをいただきました。好みのパンをお土産に持ち帰るのも楽しいですねー

★ちょっとひと風呂あったまろう
コミュニティ銭湯「脇野沢温泉」

あせも、冷え性などにオススメの湯!
リニューアルしたばかりでピカピカ!
日によっては手づくりのおいしいものも販売

2018年にリニューアルオープンした人口温泉銭湯。
ピカピカの施設内にはゆったりとした浴場があり、冷えた体を芯から温めてくれます。
日によっては地元の方々が料理教室をしたり、お菓子やピザ、スムージーを販売。この日は、焼きそばやカレーライス、卵焼きなどが広間に並んでいました。
隣は道の駅「わきのさわ」なので、おいしいお土産を探しにのぞいてみてくださいね。

(写真:長谷川 潤)

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