そば奉行・小籔千豊が指南! そばを満喫する10の方法【前編】

2017/01/01

そば奉行・小籔千豊が指南! そばを満喫する10の方法【前編】

芸人・小籔千豊。達者なしゃべりでお茶の間の人気者となり、いまやテレビで見ない日はないほどだが、実はそんな彼が今こよなく愛する食べ物が、そばであることをご存じだろうか。そこで、そばについて大いに語ってもらうべく、小籔がついにYahoo!ライフマガジンに初登場!

Yahoo!ライフマガジン編集部

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小籔がこよなく愛するそば店で熱すぎるそばトーク

ピザ好きとして知られ、テレビ番組では「鍋奉行」ならぬ「ピザ奉行」として後輩芸人などに講釈をたれることもある小籔千豊。実はひそかにそばにも熱い愛を待っていた!

「そば奉行」と化した小籔が、行きつけのお店を舞台に、そばの理想的な楽しみ方を実演しながら伝授する!

三合菴(東京・白金)を訪問!

お店のオーラとバイブスに注目!
そばを芸術のように楽しむ方法とは?

ミシュラン一つ星の「三合菴(さんごうあん)」(東京・白金)。「外観からも『えげつないほどウマそう』というオーラが漂ってますけど、内観もまたええ雰囲気なんですよ」と言いながら暖簾(のれん)をくぐる
店に入るや否や、「語りたいことはたくさんありますけど、今日は静かにしゃべります」と声をひそめる小籔。その心は?「お店に対するリスペクトです。ええおそば屋さんにいる時は、行儀よくせなアカンのです」

--小籔さんは、いつからそばが好きなのでしょう?

小籔
小籔
「大阪の実家が肉を食べへん家庭やったから、幼少期から外食といえば、ステーキや焼き肉の代わりにおそば屋さんへ行くことが多かったんです。その影響で子供の頃からそばが好き。大人になってからも、特に東京所属の芸人として単身赴任を始めてからは、そばの食べ歩きが趣味になってますね」

--大阪と東京のそばは、どっちがおいしいですか?

小籔
小籔
「よく『そばは東京だよね』と言う人おるけど、そんなことあらへん。大阪にも美味しい店はあります。でも、東京のほうが都会やから『美味しい店が多い』のは事実。ここ『三合菴』もその1軒ですわ」

いざ実践! 小籔流「正しいそばの楽しみ方」講座

【その一】
バイブスで店を選ぶべし!

--イイおそば屋さんって、どうやって見分けるんですか?

小籔
小籔
「バイブス的なもんですね。五感を研ぎ澄まし、『自分に合う、合わん』でジャッジする。たとえば、目の前にキレイな女優さんが5人おったとします。5人ともめっちゃキレイ。でもそん中に、『俺やったら彼女が一番!』って子がおるでしょう? それと一緒です。ここ三合菴は、照明、木の色、小物などトータルのセンスが僕好み。食う前にわかります。ここは絶対ウマいやろな、と」

--バイブスを感じ取れない鈍感な人は、どうすればよいでしょう?

小籔
小籔
おいしい店をたくさん知ってる高級クラブのチーママに『オススメのそば屋ベスト3』を聞くのが一番ちゃいますか。誰もが知ってるベタな有店名を三つ挙げてきたら、『そのほかに個人的に好きな店はある?』と聞いてみる。そこでポロッと出てきた店名が、ホンマにその人がウマいと思っとる“隠れた名店”であることが多いです」

--お金はかかりますが、確かな情報源と言えそうですね。

小籔
小籔
「若いホステスやなく、必ず舌の肥えたチーママに聞くことです」
小籔いわく「店構えのセンスの良さと、そばの美味しさは比例する」とか。「三合菴は明るくて大人っぽくて清潔感もあって、僕の大好きな雰囲気です」

【その二】
冷たいそばと熱いそばを頼むべし!

--さて、何を頼みましょうか?

小籔
小籔
「う〜ん、どないしよ? こうやってメニューを眺めながら、あれこれ悩むのがまた楽しいんですよ。この店に最初来た時に思ったんが、品揃えが予想よりも繊細やな、ってこと。スポーティーで『自分ひとりで生きていけます』みたいな女の子かと思いきや、付き合ったら割と女子っぽくて繊細な部分があるんやな、と。そういう印象のラインナップですね」
そばとサイドメニューの充実ぶりを確認しながら、何を頼むか思案中
迷った末、この日の小籔は冷たい「とろろ蕎麦」と、温かい「天ぷら蕎麦」を注文することに

--冷たいのと温かいの、二つも食べるんですか?

小籔
小籔
「僕は大食いやし、以前この店に来た時に、この二つを同時に頼んではる方を見て、『ええな。僕もいつかマネしよ』と思ってたんです。こういう名店にはよく、おじさん1人で来てはる方がおるでしょう? 会社の昼休みに迷い込んだ感じやなくて、完全にこの店目指して来てはるな、っていうバイブスのおじさん。そういう方の頼み方って、大いに参考になるんですよ」
オーダー後もメニューを見続ける小籔。「無駄のない編成、考え抜かれた料金設定、飾り気のない書体……。こういう要素からも、お店の風格みたいなもんを感じ取ることができるんです」

【その三】
料理を待つ間は騒ぐべからず!

--そばの出来上がりを待つ間の心構えを教えてください。

小籔
小籔
おとなしく待つ。それに尽きるんとちゃいますか。芸人の後輩を連れて来る時には、『俺より店を立てろよ』と事前に必ず忠告しときます。それを無視してバカ騒ぎしたり、忙しそうな店員さんに向かってお茶のおかわりを何度も頼んだりしたら、もうそいつは二度と誘わへん」

--厳しいですね。

小籔
小籔
「僕らみたいなしょうもない芸人が、『お金を払っとるから』という理由で踏ん反り返ったらアカンのです。『お金を払うということだけで食べさせていただいている』という遠慮の気持ちが大事。せやから本気のええ店は、人格的にちゃんとしてそうな後輩にしか紹介しません(笑)」

【その四】
そばは芸術。集中して味わうべし!

--そばと一緒にお酒を楽しむ人も多いですが、小籔さんは?

小籔
小籔
「一切飲まず、そばを食うことだけに集中します。『食事』という感覚とちゃうかな。そばに関しては、歌舞伎とか高尚な演劇、つまりは『芸術』を楽しむような感覚やから、その間にお酒を飲みたいとは思わへん。なんか大げさな話になってきましたけど(笑)、半分ぐらいは本気でそう思ってますよ」
熱く語っているうちに、そばがいよいよ出来上がった!
とろろ蕎麦(1130円)。細めでツルツルのみずみずしいそばが、上品な粘度をたたえたとろろと相性抜群

【その五】
食べる順番を考えるべし!

--まずは、冷たいとろろ蕎麦が届きました。

小籔
小籔
「さっきお店の方に『どっちを先にしますか?』と聞かれたので、『冷たいのを先で』とお願いしたんですよ」

--それはなぜでしょう?

小籔
小籔
「最後、温かいお出汁をゆっくり飲み干したいからです。先に温かいそばを食べて、『この出汁、ウマいわ〜』言うてグワ〜ッと飲んでもうたら、早々に腹いっぱいになって、そのあと食べる冷たいそばが『ウッ!』としんどくなるでしょう』

--確かに。

小籔
小籔
「せやから、まずは冷たいそばをサクッとたいらげて、そば湯を軽くいただいてから、最後、温かいそばと温かいお出汁をいただき、さらに調子良ければそば湯をもういっぺん飲んで帰る、という方式を僕は取り入れてます」
いただきますの合掌。「おいしいものを食べさせてくれるお店と、僕を産んでくれた両親に感謝」
そばつゆに生卵とのりを入れ、軽くかき混ぜたらスタンバイ完了。最初からわさびを入れなかった理由は「途中で“味変”を楽しむため」だとか
素材の味を確認するべく、そばつゆに漬けず、まずは1本だけすするそば通も多いという。小籔もそれをマネてみる。「うん、上品な香りやし、粘度も僕好みです」
ざるやせいろに盛られたそばは、真ん中から箸を入れると取りやすいそうだ
そばをすする音は立てるべきか否か? 小籔の考えはこうだ。「“ズバズバズバズバー!!!”いうて店中に響くのはさすがにどうかと思うけど、お店や他のお客さんに迷惑にならん程度なら音を鳴らしてええでしょう」
そばを噛む音については「クチャクチャ音を立てるのはアカン。モグモグ静かに噛むべきです」
そば湯をおいしくいただくために「ネギ、わさび、そばつゆ」をそれぞれ適量残しておく
「そば湯は映画のエンドロールのようなもの。映画がおもろかったらエンドロールも最後まで見ますよね? その感じに近い。あぁこのそば、ウマかったな……という余韻に浸りながら最後の1滴まで味わいます」
「この店のそば湯は、色は濃いけどサラサラしてて飲みやすい」と小籔。そば湯に関するさらなるウンチクは、近日公開の【そばを満喫する方法 後編】で語っていただこう

--さて、続いては温かい天ぷら蕎麦です。

小籔
小籔
「この天ぷら、ただの海老ちゃいますよ。車海老より柔らかくて甘みが強い『才巻海老』をつこてるらしいから、なんともぜいたく。そばとの相性もバッチリですわ」

--冷たいそばと温かいそばを食べ比べてみて、いかがでしょう?

小籔
小籔
「さっきのが『昼間にカフェで会う彼女』なら、こっちは『夜にレストランで会うメイクバッチリの彼女』やね。どっちも魅力的やから、二つ頼んどいて正解でした」
天ぷら蕎麦(1990円)。うまみがしっかりと出た出汁で、コシのあるそばを味わう。サクサクに揚げられた才巻海老も忘れられない食感だ
「肉は食べられない」という小籔。海老は大丈夫なのか?「海老は魚介類やから、食べますやん!」
薬味をお好みでかけていく。「僕の経験上、柑橘系に重きを置いてるとこは、漏れなくええ店ですね。この店のゆず、めっちゃええ匂いがします。食欲をそそるわ〜」
そばに口をつける前に、3本ある海老のうちの2本を一気食いする小籔。「長いことおつゆに漬けとくと衣が溶けてまうから、その前にサクサクした食感を味わいたいんです」
おいしいそばの余韻に浸りながら、お出汁をゆっくり飲み干していく
「さすがミシュラン一つ星を取ってはるお店です。食後の幸福感がハンパやない。ごちそうさまでした!」

--「三合菴」の人気メニュー二つを、軽々と完食しましたね。感想をどうぞ。

小籔
小籔
「そばのワールドカップがあったら、この店、小籔ジャパン入り確定ですね。必ず招聘させていただくし、優勝も狙えるでしょう」

--「三合菴」をサッカー選手にたとえると、誰ですか?

小籔
小籔
「戦術によってコロコロ入れ替わる本田や清武みたいなトップ下やない。いつも変わらぬ人。いつ見てもおる人。そう、キャプテンの長谷部でしょうね」

--この店は、どんな時に利用するのがオススメですか?

小籔
小籔
「彼女と付き合って半年くらいたって、ちょっと毎日がマンネリ化。『本当にこの人でいいんだろうか?』と思われ始めた頃に、『いつも来てます』みたいな感じで、さらっと昼ごはんに誘ってみたらええんとちゃいます? 『こいつ、やるな』と彼女は思うはず。行きつけが三合菴。それって、めっちゃ格好いいでしょう」
「三合菴」の加藤裕之店主と記念撮影。「お口に合いましたか?」「何万回と言われとるでしょうけど、死ぬほどおいしかったです。僕みたいな素人がえらそうにアレコレ語ってすいませんでした!」
「三合菴」は、店主夫婦が2000年に開店したそば屋。絶品そばがうわさを呼び、遠方から目指して訪れる方も大勢。2010年から2012年までミシュラン一つ星を獲得。小籔のほか、糸井重里らもひいきにする名店

三合菴(さんごうあん)

住所:東京都港区白金5-10-10 白金510 1F
アクセス:恵比寿駅から田町駅行き都バスに乗り、5バス停目の北里研究所前で下車、30m戻る
白金台駅から749m
電話:03-3444-3570
営業時間:11:30~14:30(L.O.14:00)、17:30~21:30(L.O.21:00) ※夜は要予約
定休日:水曜日、第3木曜日 ※水曜が祝日の場合は翌日休

口コミ・写真など

※この情報は取材時の情報です。ご利用の際は事前にご確認ください。

取材メモ/おいしい店を探し歩くことを趣味とする小籔氏に、「あ、もうええわ。こんなに素晴らしい店があるんやったら、もう新しい店を探すのやめようかな」と言わしめたのが、今回の「三合菴」だ。一体どれほどのウマさなのか? 興味ある方はご賞味あれ。

構成=乾 純子(Roaster)、取材・文=岡林敬太、撮影=米田樹央(Roaster)

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Yahoo!ライフマガジン編集部

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