まさに魚の王者 兵庫「鮨 生粋」で食べる淡路島産タイの握り

連載

早川光の最高に旨い寿司

2017/01/06

まさに魚の王者 兵庫「鮨 生粋」で食べる淡路島産タイの握り

寿司専門の情報番組「早川光の最高に旨い寿司(BS12)のナビゲーターを務めてきた私が、最高に旨い旬の名店と、そこで食べられる極上のおまかせ握り10貫をご紹介いたします。第28回は兵庫「鮨 生粋」。

早川光

早川光

著述家、漫画原作者

気品のある店内

今回は関西の数ある江戸前寿司の名店の中でもトップクラスの評価を受けている、神戸市東灘区「鮨 生粋」のおまかせ握り10貫をご紹介いたします。

親方の福原大介さん

親方の福原大介さんは45歳。寿司屋の家に生まれ、16歳から修業に入って腕を磨いた筋金入りの職人です。その握りの形の端正な美しさには定評があります。

おまかせ10貫のスタートは淡路島のタイから

1貫め タイ

スタートは兵庫県淡路島産のタイから。しっかり脂ののった淡路島のタイを「立て塩」と呼ばれる塩水を使って締めることで、まさに魚の王者と呼ぶにふさわしい深い旨みを引き出しています。

2貫め サヨリ

2貫めはこちらも淡路島産のサヨリ。本来は淡白な味の魚ですが、軽い昆布〆を施すことで身はもっちりとして旨みが立ち、それが赤酢と藻塩で作ったまろやかなシャリと絶妙にマッチします。

3貫め マグロ大トロ

3貫めは青森県大間産のマグロの大トロ。蛇腹と呼ばれる白い筋の部分を丁寧にはがして食べやすくした“はがし”の身です。しかも2週間熟成させているから旨みも申し分なし。

4貫め コハダ

大トロの後の4貫めは、熊本県天草産のコハダ。関西の寿司屋ではコハダを浅く〆る店が多いのですが、親方のコハダは塩と酢でしっかりと〆てから2日間寝かせたという本格の江戸前。シャリとの間に車海老と芝海老で作ったおぼろを挟むことで、丸みのある味わいに仕上げています。

とろけるようなタコの握り

5貫め タコの桜煮

5貫めは徳島県阿波産のタコの桜煮。柔らかくするために冷蔵庫で一週間寝かせたというタコは、とろけるような食感で、口に入れると瞬時に濃厚な旨みが溢れます。タコは歯応えがあるものという既成概念を覆す一貫。

サバ、カツオ、サワラの食べ比べ

6貫め サバ
7貫め カツオ
8貫め サワラ

6、7、8貫めは、サバ、カツオ、サワラという青魚の食べ比べ。

和歌山県産のサバは、皮目をパリパリになるまで炙ることで、サバの魅力である脂の甘さを存分に引き出しています。

千葉県産のカツオは藁の火を使って燻してから握ります。藁のスモーキーな香りをまとわせることで青魚のクセを消し、ぐっと旨みを立てています。

そして岡山県産のサワラは、一週間熟成させたものを、切りつけてから30分ほどねぎ醤油に漬けて“づけ”にします。サワラは水分の多い魚なので、こうして醤油に漬けた方が本来の旨さが出るのだとか。

9貫め ノドグロ

9貫めは長崎県対馬産のノドグロ。塩をして30分ほど置いてから串に刺し、軽く炙ってから握ります。表面を上手に炙ることで、生と焼き魚の中間の絶妙な味わいに。たっぷりのった上質な脂の甘さが、砂糖を使わないシャリによってさらに引き立ちます。

10貫め アナゴ

最後となる10貫めは長崎県対馬産のアナゴ。煮上がりのものは煮ツメで、表面をパリッと炙ったものは塩で、2つの異なる味が楽しめます。この煮ツメはアナゴの煮汁にイカの煮汁を合わせて煮詰めたもの。深みのある味わいに思わず唸ってしまいます。

伝統的な江戸前寿司のスタイルを、関西の職人らしい洗練された技によってさらに昇華させた「鮨 生粋」の握り。関西の江戸前寿司のレベルの高さを実感する10貫でした。

Yahoo!ロコ鮨 生粋
住所
兵庫県神戸市東灘区本山中町3-3-6

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アクセス
摂津本山駅[南口]から徒歩約8分
岡本(兵庫県)駅[北口]から徒歩約11分
青木駅[出口1]から徒歩約14分
電話
078-411-1904
営業時間
火~日 17:00~22:30
定休日
毎週月曜日
口コミ・写真など

※この施設の情報はYahoo!ロコから提供されています。

「早川光の最高に旨い寿司」公式サイト

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(BS12で日曜15時から放送中)

産地・旬にこだわった 極上の素材 と、経験を積んだ職人による 熟練の技 。 そんな寿司の醍醐味をとことん味わい尽くし、寿司を食文化として捉えた情報番組。

「早川光の最高に旨い寿司」

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びあMOOK

BS12で放送され、多くの寿司好きを狂喜させた番組の書籍版。 若手の注目店から星付きの名店まで、「最高の寿司」が揃っています。

「ごほうびおひとり鮨」

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原作・早川光 作画・王嶋環

「美味しいもので癒されたい! そんなアラサー女子のおひとりさま鮨デビュー!!!」 江戸前鮨の人気店に食べに行って描いた、体験型コミック。実際に店で支払ったお勘定の金額も載っています。

この記事を書いたライター情報

早川光

早川光

著述家、漫画原作者

鮨職人を描いたコミック「きららの仕事」の原作のほか「日本一江戸前鮨がわかる本」「鮨水谷の悦楽」など鮨に関する著書多数。 現在、BS12で放送中(毎週日曜15時〜)の「早川光の最高に旨い寿司」のナビゲーターを担当。 書籍版「早川光の最高に旨い寿司」(ぴあMOOK)も発売中。

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