TETSUYA(EXILE)<br />
大塚朝之(猿田彦珈琲)珈琲対談

特集

新生活、ドリップコーヒーを楽しもう

2016/03/15

TETSUYA(EXILE)
大塚朝之(猿田彦珈琲)珈琲対談

今や日本のコーヒー界を代表する存在となった「猿田彦珈琲」のオーナー大塚朝之さん。そんな大塚さんのおかげでコーヒー好きになったというのがEXILEのTETSUYAさん。自身でもコーヒーマイスターの資格を持つほどのコーヒー通だ。そんな2人にコーヒーの楽しみ方などを語ってもらった。

Yahoo!ライフマガジン編集部

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カフェモカしか飲めなかった
2人がコーヒーにはまる

TETSUYA そもそも何でコーヒーに目覚めたの?

大塚朝之(以下:大塚) 友達がコーヒー屋の店長だったのでそこで働かせてもらったっていうのがきっかけです。ただ、当時はカフェモカとカフェラテしか飲めなくて、ブラックコーヒーは飲んだことがなかったんです。そこで勤めているうちに好きになっていったんです。

TETSUYA 実は僕もなんだよね(笑)。朝之とはコーヒー屋を始める前から知り合いだったけど、僕もその頃はカフェモカしか飲めなかった。だから朝之がコーヒー屋を始めて「試しに飲みに来てください!」って言われた時は「カフェモカがあるなら行くわ」って答えたんだよね。そしたらちゃんと用意してくれていた。

大塚さんのことを「コーヒーと向き合っている時の朝之はかっこいいね」と語るTETSUYAさん

大塚 当初はアレンジドリンクを扱う予定はなかったんですが、TETSUYAさんの言葉がきっかけでメニューにも入れたんです。

TETSUYA ただ、そのカフェモカを試飲した時にブラックコーヒーも飲ませてもらったんだよね。それが衝撃的なおいしさで感動しちゃって。さらにいろいろと説明までしてくれるから、コーヒーってすごい飲み物なんだなってますます感心したんだよね。

大塚 よく覚えてます。そしたら「ハンドドリップってどうやるの?」って尋ねられたんで「器具をそろえてください」ってお伝えしたんでしたね。

TETSUYA そうそう。全部任せるからアメリカンな感じの物をそろえて欲しいって頼んだんだ。

「楽しくいれてください」
のひと言でコーヒーが
一気に身近に

TETSUYA 器具をそろえてもらって、ハンドドリップのおいしいいれ方を教えてもらおうと思ったら「余計なこと考えなくていいので、楽しくいれてください」って言われたんだよね。そしたら家に帰って気楽に楽しみながらいれられたんで、「次はどうすればおいしくいれられるだろう」って自分で考えられるようになったんだ。あの時「こうした方がいいですよ」とかって言われてたら、ここまでコーヒーにはまってなかったかも。

大塚 最近、セミナーなどで話すことが時々あるのですが、「まずは楽しみましょう」って言うことにしているんです。抽出時にスプーンでコーヒーをかき混ぜるという新しいいれ方があるので、「スプーンはどうやって回すの?」とかよく聞かれるんです。そういう細かいことを難しく考えてしまって、楽しさが二の次になるのは違うと思うんです。

TETSUYAさんのことを「ひとりの人間として尊敬している」と語る大塚さん

ツアー中に振る舞われる
お手製コーヒー

TETSUYA EXILEのライブツアーでは、メンバーそれぞれがプロデュースしたグッズを販売することがあるんだけど、僕はコーヒーを売りたいって相談もしたね。味は信頼してたから任せたんだけど、豆の説明を書いたカードを作った方がいいんじゃないとか、こういう文章を載せたらいいんじゃないかとか提案して。そういうのも全部一緒に考えてくれたからありがたかった。

大塚 あれは本当に勉強になりました。文章のチェックも厳しくて(笑)。

話は大いに盛り上がり、予定時間をオーバーするほどコーヒー談義を続けた

大塚 TETSUYAさんはツアー中に他のメンバーやスタッフにコーヒーをいれているんですよね?

TETSUYA 2011年のツアーから続けていて、昨年も全公演ちゃんとコーヒーいれたかな。地方公演に行く前には「猿田彦珈琲」で1kg以上は豆を買っていくという。もう習慣になっちゃったね。

大塚 公演中なんて肉体的にも精神的にも疲労がたまっているじゃないですか。人よりも早く起きてまで、何で続けられるんですか?

TETSUYA やっぱり朝持っていくと喜んでくれるのがうれしくて。この前は感謝の手紙をもらったりして、ますますうれしくなっちゃって。おもてなしが好きなんだと思う。

大塚 発想がお店の人ですよね(笑)。

ハンドドリップは
自分の心を映す鏡

大塚 僕は朝も、1日の終わりもハンドドリップでコーヒーをいれるようにしています。

TETSUYA 僕も1日の終わりは自分でハンドドリップしたコーヒーを飲むようにしてる。ハンドドリップはイライラしてたら、イライラした味になるし、悲しかったら悲しい味になるんだよね。「おいしくなれ」って呼吸を合わせながら、膨らんでくる泡と会話をする、コーヒーをいれている時間が自分の中でも大事なんだよね。あの時間の中にいろいろなことが凝縮されてるような気がする。

実際にハンドドリップをするTETSUYAさん。「自分がいれたものながらおいしい」と一言

大塚 ハンドドリップは「人」が伝わりますよね。うちのお店では新入りのスタッフには、家で必ずハンドドリップしてって話をするんです。1人暮らしの人だったら自分のために作ってもいいんですけど、お母さんと住んでるなら、必ずお母さんのために作ってとか、ご主人がいたら、ご主人のために作ってとか。誰かのためにいれるということを意識してと伝えています。

新たな抽出法を研究中という大塚さんがTETSUYAさんに講義しながら実演

TETSUYA それはどうして?

大塚 コーヒーの良いところだとは思うんですけど、全て自己完結できちゃうんですよね。人を意識することで、より楽しんでいれられると思うんです。

TETSUYA そうだね。人のためっていうのは大事だね。あと、コーヒーをいれる時間そのものを楽しんでほしい。豆をひいてる間も、お湯を沸かしてる間も、何もかも、飲み終わるその瞬間までを楽しめる人っていうのは、すてきだなって思う。何かコーヒー屋みたいな口調で最後まで話しきっちゃったね(笑)。

コーヒーで乾杯。お互い1日の最後はハンドドリップコーヒーでしめる2人

取材メモ/大塚さんはもちろんのことながら、TETSUYAさんのコーヒーへの愛情には感動さえ覚えました。「コーヒーをいれる」というたった数分の出来事は、忙しい現代においては自分とゆっくり向き合える貴重な時間なのかもしれません。

取材・文=荒尾英(Roaster)、撮影=中野理(Roaster)

※掲載の内容は2016年3月時点の情報に基づきます。
※2019年6月に店舗(住所、電話番号、営業時間など)、メニュー、料金などの一部情報を更新しました。

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Yahoo!ライフマガジン編集部

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