2017/01/10
寒くてもへっちゃら!都会のオアシス・温室植物園が穴場すぎる
東京の真ん中にありながら、熱帯、亜熱帯地方の植物が楽しめる温室植物園。外の寒さが嘘のようにコートなしでも過ごせる暖かさは、まるで南の島にいるようだ。植物を見るもよし、触れるもよし、緑の中で過ごすもよし。植物マニアも初心者も楽しみ方は十人十色。この冬のお出かけ先に加えてみては?
Yahoo!ライフマガジン編集部
寒い冬、大好きな人とあったかい温室植物園で過ごしてみよう
あったかい室内で、たくさんの緑を見たり、触れたり、感じたりできる「温室植物園」は、まさに南の島。仲間とバカンス気分を楽しんだり、大切な人とゆっくり流れる時間を過ごしたり、一人で気分をリフレッシュしたり、さまざまな楽しみ方ができる。冬の新たなお出かけスポットとして、非日常的な癒しの空間を楽しんでみよう。
温室植物園5つのオススメポイント
・コートなしでも過ごせる暖かさ
・都心で気軽に緑が楽しめる
・給料日前でも安心の入園料
・楽しみ方いろいろ
・植物が好きになる
今回オススメする温室植物園はココ!
1. 渋谷区ふれあい植物センター
2. 東京都夢の島熱帯植物館
3. 新宿御苑大温室
1. 渋谷区ふれあい植物センター
日本で一番小さい温室植物園は働く人が集うオアシス
渋谷からも恵比寿からも徒歩10分。ここは都心にある日本で一番小さい植物園だ。温室に1歩足を踏み入れると辺り一面が緑。入場料は100円、年間パスポートでも1000円だから、毎日昼休みに足を運んで、2階のテラスでお弁当を食べたり、本を読んだり、居眠りをしたり、のんびり時間を過ごす人も多いという。
同センター職員の宮内元子さんに話を聞いてみた。
ーーここはどんな温室植物園なのですか?
- センター職員・宮内元子さん
- センター職員・宮内元子さん
- 「当センターは、日本で一番小さい植物園です。都心にありながら、入場料は100円。年間パスポートなら1000円という安価な料金設定ですから、気軽に足を運んでいただけます。大きな特徴は、植物との距離が近いということ。すぐ側で植物を見たり、触ったり、感じたりしていただけます」
ーー植物の名前を知らなくても、温室植物園は楽しめるんでしょうか?
- 宮内元子さん
- 宮内元子さん
- 「植物のことをあまりご存じなくても、着てみたい洋服を探すような感覚で、例えば好きな色や柄の葉っぱを探すだけでも楽しいと思いますよ」
ーーワークショップには誰でも参加できるのですか?
- 宮内元子さん
- 宮内元子さん
- 「できるだけたくさんの方に身近に植物を感じていただきたいので、月に一度、100円程度の参加費で誰でも参加できるワークショップも開催しています。2月は『ツバキの小さなひな人形作り』、3月は『押し花のカード作り』の予定です。当日受付ですから、気軽に参加してくださいね。詳細はホームページでご確認ください」
ーー宮内さんの考える温室植物園の楽しみ方を教えてください。
- 宮内元子さん
- 宮内元子さん
- 「植物は、ほんの少しの時間花が咲く以外は、ほとんどはただそこに静かにいるだけです。温室植物園では、そのスピードに合わせて、日常生活を忘れて過ごしていただくことで、リフレッシュできるんじゃないかなと思います」
植物園は、植物好きの人、知識がある人が行く場所だと思いこんでいたけれど、緑の中にいたら、何だか気持ちがリフレッシュされてきた。ここなら何時間いても飽きることはなさそうだ。渋谷でのショッピング帰り、カフェじゃなくて温室植物園に行こうなんて言ったら盛り上がるかも!?
2. 東京都夢の島熱帯植物館
ガイドツアーやイベントに参加して植物に親しもう!
昭和63年にオープンした夢の島熱帯植物館は、面積43ヘクタールという都立夢の島公園の一角にある。半円のガラス張りドームが3つ連なった大温室は、1年を通じて平均気温22〜23度、平均湿度70〜80%という熱帯・亜熱帯気候を再現している。一番のオススメはガイドツアー。熱帯植物の魅力を初心者にわかりやすく説明してくれる。
同館の名物館長、榎本浩さんに話を聞いた。
ーーガイドツアーが人気だそうですね。誰でも参加できるのでしょうか?
- 館長の榎本浩さん
- 館長の榎本浩さん
- 「はい。どなたでも気軽に参加していただけますよ。土、日、祝日は、ボランティアさんが待機しているので予約は不要です。事前に『館長ガイドをお願いします』とご連絡いただければ、予定が空いていれば、私がご案内することもできます。最初はガイドなしで、次はガイドと館内を回る。もしくはガイドと回ってからもう一度、一人でゆっくり回る。きっと新たな発見があると思いますよ」
ーー熱帯植物館と聞くと、ちょっと敷居が高く感じるんですけど……。どんな楽しみ方ができますか?
- 榎本浩さん
- 榎本浩さん
- 「きっかけはどんなことでもいいんです。おもしろい花の名前からでも、食べられる実を探してもいいし、花や葉の色や形を見比べてもいいし、その人の興味によって楽しみ方はたくさんあると思いますよ」
ーーこれから予定しているイベントを教えてください。
- 榎本浩さん
- 榎本浩さん
- 「1/29(日)までは、酉年にちなんで『干支の植物展』と題して、名前に酉の名前が隠れている植物を紹介したり、最近人気の多肉植物を集めた『多肉植物展』などを企画したりしています。これ以外にも、定期的にウィークエンドコンサートや講習会も実施しているので、ぜひHPをチェックしてみてください。これらの催しが植物を好きになるきっかけになればうれしいですね」
植物のことを知らなくても毎日の生活にはまったく困らないけれど、知ることでより豊かな気持ちになれることを実感。おもしろくてためになる館長さんの話は、一度聞いたらまた次も聞きたくなる。ここで学んだ植物に関するトリビアは、誰かに自慢したくなりそうだ。
3. 新宿御苑大温室
新宿御苑の一角にある熱帯植物があふれる大温室
広さ58.3ヘクタールの広い園内に約1万本の木が茂る新宿御苑。この都会のオアシスには、季節を問わずたくさんの人が訪れている。しかしその一角、大木戸門からすぐの場所に明治初期から続く歴史ある大温室があることは意外と知られていない。新宿御苑の入園料を払うだけで大温室も見られるので、まずはぜひ一度訪れてほしい。ガラス張りの大きな館内はまさに南国。ふだんあまり目にすることのない熱帯地方の植物が生い茂っている。
新宿御苑の職員の方に話を聞いてみた。
ーー大温室はどんな植物園なのですか?
「新宿御苑の大木戸門に近い大温室は、明治初期から始まった歴史ある温室です。平成24年11月にリニューアルして今の温室になりました。洋蘭の原種や小笠原・沖縄地方の絶滅危惧種の植物、バナナ、パパイヤ、カカオ、コーヒーなどおなじみの熱帯植物がご覧いただけます。1月から3月までの洋蘭の開花シーズンには、運が良ければ新宿御苑で作出された洋蘭を見ることができます」(職員さん)。
ーー上手な温室の楽しみ方ってありますか?
「いつも下から見上げているヤシの木やバナナなど背の高い植物も、館内の展望デッキからなら、目の高さや見下ろすように見られますから、いつもと違った角度から観察することができますよ。また館内に植栽されている約500種類の植物は定期的に入れ替えていますから、ご来館いただくたびに見頃の花を楽しんでいただけます」(職員さん)。
お花見、紅葉と何度も新宿御苑を訪れているにも関わらず、その存在すら気づいていなかったから、こんなにも充実した温室植物園があることにまず驚いた。新宿御苑の入園料200円を支払えば、気分はすでに南国。ちょっとしたプチ旅行気分も味わえる。寒い日は、買い物をしたり、映画を観たりするのもいいけれど、たまには、ガラス越しに太陽の光を浴びて植物に癒されてみるのもよさそうだ。家族や友達、時には一人で、ゆっくり時間をかけて館内を歩いて欲しい。
<新宿御苑にご来園いただくにあたっての注意>
・園内への酒類持ち込み、および飲酒は禁止しております。
・園内での遊具類の使用はご遠慮ください。
入館料はかかりませんが、新宿御苑の入園料は必要となります。一般200円、小中学生50円、幼児無料。
開館時間:9:30〜15:30(閉館16:00)
*新宿御苑の開園時間9:00〜16:00(閉園16:30)とは異なりますのでご注意ください。
取材メモ/室内が暖かいのはもちろん、緑に囲まれて過ごしていると、なんだか心までポカポカしてくる。大好きな人と訪れたら、距離がもっと近くなれるかも。寒い冬だからこそ、温室植物園に出かけてみよう。
取材・文=たなかみえ(エバーグリーン)