「日本最北端の地」稚内市で360度の圧巻パノラマを堪能

「日本最北端の地」稚内市で360度の圧巻パノラマを堪能

2020/07/10

「日本最北端の地」として知られる稚内は、最も北海道らしさを味わえる場所かもしれない。豊かな自然とおいしい食べ物。冬は寒く、夏は涼しい。360度のパノラマを楽しめる場所もある。一度は訪れたい最果ての地だ。

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「日本最北端の地」稚内市で360度の圧巻パノラマを堪能

稚内のシンボルといえば、宗谷岬にある「日本最北端の地」の碑だろう。本当の最北端は、択捉島のカモイワッカ岬になるそうだが、残念ながら、簡単に行くことができない。ここは、だれもがアクセスできる最北端だ。

手前には間宮林蔵の像が立っている。北海道を測量し、樺太(サハリン)を探検した徳川将軍家のお庭番。天気が良ければ、その目線の先にサハリンの島影が映る。遠く北の端まで来たことをいやが上にも実感できる場所だ。

日本最北端の地の碑

宗谷岬から歩いて南に向かうと、1万年前に氷河期の凍結と融解が繰り返してできた周氷河地形の「宗谷丘陵」になる。緑のなだらかなアップダウンは、スコットランドやアイルランドの丘陵を想起させる。通り抜ける風は乾いていて心地良い。牧草地を左に見ながら先を進むと、風力発電用の巨大な風車群に差し掛かる。総数は57基。緑の大地に白い風車がスクッと立ち並ぶ姿は壮観だ。

「稚内市は風力で6割、太陽光で3割と、電力需要のほとんどを再生可能エネルギーでまかなっています」(同市建設産業部長の中村清司さん)

宗谷丘陵から望む利尻富士

さらに少し歩くと、ホタテの貝殻を敷き詰めた「白い道」に変わる。海に向かってまっすぐ伸びる全長3キロの一本道。市役所の女性職員の発案で始めたそうだが、青い空と海、周囲の緑とのコントラストが美しい。最近は「インスタ映えスポット」としても知られている。ここでしか見られない絶景だ。

遠くには日本百名山に数えられる「利尻富士」(利尻山)。まるで海にポッカリと浮かんでいるようで、稜線も美しい。宗谷岬から白い道が切れるまでは11キロ。4時間ぐらいかけて景色を楽しみながら歩く観光客も少なくないという。

白い道

樺太冬眠を慰霊する「氷雪の門」と「九人の乙女の碑」

樺太島民慰霊碑(氷雪の門)

1945(昭和20)年8月、日本領だった樺太に住む人たちは、ソ連軍の侵攻を受けて稚内に緊急疎開した。その数は10日間で、なんと8万人。戦火で命を落とした人も少なくない。

彼らを含め、日本領時代の樺太で命を落とした人を慰霊するため、63(昭和38)年に稚内公園内に建てられたのが「樺太島民慰霊碑」だ。通称「氷雪の門」。8メートルの門の間に立つ女性の像は、戦争の苦しみ、樺太や家族を失った悲しみ、そこから立ち上がる姿を表現しているという。

その隣には、「九人の乙女の碑」もある。真岡(現ホルムスク)の郵便局で、ソ連軍の侵攻中に電話交換業務を終えた後、「皆さん これが最後です。さようなら」と言い残して自害した9人の女性を慰霊するものだ。

市制百年を記念して78(昭和53)年に建てられた「開基百年記念塔」も稚内公園にそびえ立つ。海抜250メートルに建てられた地上80メートルの塔。ガラス張りの展望室からは市内を一望でき、宗谷岬、サロベツ原野、利尻島、礼文島も見渡せる。360度のパノラマは圧巻だ。

九人の乙女の碑

古代ローマ風の防波堤

北防波堤ドーム

JR北海道の稚内駅は、日本最北端の駅だ。東京駅から1547.9キロ。東京駅を朝一番に出発する北海道新幹線に乗り、新函館北斗駅で在来線を乗り継げば、日付が変わる前にギリギリで到着する。

かつてはさらに北の「稚内桟橋駅」まで線路が延びていた。樺太行きの船に乗り換えるための駅で、貨物列車はそのまま乗せて、樺太まで運んだという。

現在、稚内駅の北にある「北防波堤ドーム」は、桟橋駅で乗り換える乗客を高波から守る目的で造られたもの。長さ427メートルで、6メートル間隔に70本の円柱が支えている。まるで古代ローマの建築物のようだ。

JR北海道は今年7月27日から9月8日までの土日祝に、トロッコ型の観光列車「風っこ そうや」を宗谷本線で運行する予定。最北端の駅まで運転する旅行商品も用意されている。

取材・文=二口隆光
2019年6月25日掲載 価格等は掲載当時のものです。

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