神話が彩る神武天皇ゆかりの地 奈良県橿原市をめぐる旅

神話が彩る神武天皇ゆかりの地 奈良県橿原市をめぐる旅

2020/07/10

奈良県第2の都市、橿原市は、奈良盆地の南部に位置する神武天皇ゆかりの地だ。元号が変わり、即位に伴う儀式が続く中、神話が彩る世界を訪れた。

日刊ゲンダイDIGITAL

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神話が彩る神武天皇ゆかりの地 奈良県橿原市をめぐる旅

橿原神宮の内拝殿

その昔、神武天皇は45歳の時に日向国(宮崎)の高千穂から東へ向かい、大和国(奈良)の畝傍山の麓に都を開き、正月元旦(グレゴリオ暦換算で2月11日)に即位したと伝えられている。

これが古事記や日本書紀に登場する「神武東遷」の神話。その伝説上の皇居「橿原宮」の跡地に建てられたのが「橿原神宮」(℡0744・22・3271)である。

毎日行われる朝拝

広さは甲子園球場の15個分。森の真ん中にすっくと延びた第一の鳥居をくぐり、真っすぐに延びる表参道に敷き詰められた砂利を踏みしめながらしばらく進むと、右手に南神門が見えてくる。その先は神の域。大きな屋根の外拝殿と回廊でつながる内拝殿、本殿、儀式殿などが並ぶ。

創建は明治23(1890)年。神社としては歴史が浅い。都があったのも一代限りで、建造の跡も残っていない。

それでも背中に畝傍山をいただく御社殿は、やはりどこか神々しく、周囲はピリリとした空気に支配されているように感じる。生活音が一切しない静寂の中にいると、参拝した者はみな、否が応でも非日常にいざなわれるだろう。

さらに特別な体験をしたければ、朝の8時半までに訪れることだ。希望者は、儀式殿で毎日行われている朝拝(祭典・行事が行われる日を除く)に参加できる。神職が集まって「大祓詞」を奏上する朝のお参りだ。

神武天皇陵

大祓詞は、唱えるだけで罪や汚れ、過ちが払われて、運気が上昇するとされる。人生を見つめ直したい人は、一度体験してみるといいかもしれない。

橿原神宮の北側には、畝傍山東北陵がある。神武天皇が眠る場所とされ、27日は「親謁の儀」で両陛下が参拝する予定だ。

中世の街並み

橿原市の真ん中にある今井町は、中世の雰囲気が色濃く残るエリアで、平成5(1993)年に「重要伝統的建造物群保存地区」に選定された。東西600メートル、南北310メートルの中で軒を並べる1500棟の建物のうち、500棟が伝統的建造物に指定されている。

1つの地区の数としては日本一。それだけに見応えがあり、ぶらぶらと街歩きをするのも楽しい。数百年前にタイムスリップしたような気分になれる。

今西家住宅

もともとは浄土真宗本願寺派の称念寺を中心に発展した寺内町。戦国時代は周囲を堀と土塁で固め、織田信長の軍勢とも戦った。本願寺の降伏に伴って武装解除したのちは「万事大坂同然」と信長から自治を許され、商業の街として発展を遂げる。その賑わいは「海の堺、陸の今井」と呼ばれるほどで、独自の紙幣「今井札」も流通。「大和のカネは今井に七分」とまでいわれたそうだ。

自治権があれば、司法権もある。裁判所が置かれたのは、大坂夏の陣での功績で、郡山城主の松平忠明から「今井の西を守った家」として「今西」の名前が与えられた今西家だ。

慶安3(1650)年に建てられた「今西家住宅」(℡0744・25・3388)は、民家としては日本で3番目に古く、国の重要文化財にも指定されている。広い土間はお白州として使われ、一段高い板張りの式台から沙汰を告げる仕組み。土間の一角には、牢屋もあったが、昭和2(1927)年の北丹後地震で潰れてしまったそうだ。

滋味あふれる料理

女性杜氏の西川暁子さんが切り盛りする「河合酒造」(℡0744・22・2154)の家屋も重要文化財。江戸中期から続く酒蔵で、代表銘柄の「出世男」は土産にも人気だ。

最近は古民家を改装したカフェやレストランも増えている。そのひとつがフレンチレストランの「Tama」(℡0744・24・8868)。都内の店で腕を振るっていたシェフの南部礼一郎さんは、「こちらでは、いろんな食材が手に入ります。大和野菜など、東京では手に入りにくいものも多く、料理をするのが楽しい」と笑う。

限定メニュー

「うのまち珈琲店」(℡0744・41・6645)は、インスタ映えするドリンクで話題のカフェだ。
(取材・文=二口隆光/日刊ゲンダイ)
2019年11月27日掲載 価格等は掲載当時のものです。

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