秩父・二子山 断崖に秘かに咲くウチョウランを求めて

秩父・二子山 断崖に秘かに咲くウチョウランを求めて

2020/07/17

低山ながら、切り立った断崖、絶壁に富んだ山容を誇る二子山。下部には最難ともいわれるフリークライミングのエリアを持つことでも知られています。梅雨の短い晴れ間に、ウチョウランが咲くという岩稜へ撮影山行に向かいました。

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断崖の片隅にひっそりと咲くウチョウランを求めて岩稜地帯のハイキングを楽しむ

ウチョウランは小型ながらピンクや赤紫の可憐な花を咲かせることで人気です。盗掘によって激減し、絶滅危惧種に指定されています。いまでは人の手が届かない岩場や断崖の片隅にひっそりと咲いているのみです。ささやかな期待を胸に、二子山の岩稜地帯のハイキングを楽しみました。(取材日=2016年7月2日)


モデルコース:倉尾登山口~股峠~東岳~西岳~股峠~倉尾登山口

二子山の岩稜地帯ハイキングのモデルコース
モデルコースの高低図

コースタイム:約5時間


股峠からまずは東岳を登ります。一般道ですが、最初から気の抜けないクサリ場があります。

東岳。一般道だがいきなり厳しいクサリ場が待っている

朝方はガスに覆われて、周囲は真っ白で展望がない状態でしたが、次第にガスが晴れてくる様子です。稜線に出ると、次に登る西岳の雄姿がガスの中から浮かび上がってきました。

低山とは思えない偉容を誇る西岳本峰南面の岩壁

いったん股峠に戻り、西岳に向かいます。取り付きまですべりやすい泥土の急登を強いられます。上級者コースを選びましたが、ここはクサリが撤去されています。ここで撮影のため両手を使えるようにすることも含めて、ヘルメットとハーネスとセルフビレイを装備し、万全を期しました。岩場に慣れていない人は巻き道の一般道をおすすめします。

西岳上級者コースの岩稜の登行は、岩稜の直登コースです。石灰岩特有の鋭く切れたギザギザの岩角や岩穴を使うことで、ホールドは豊富ですが、逆に足の置き場には注意が必要です。この日は下地が濡れて泥状になっていて、非常に滑りやすく、また靴底に泥がついた状態では、スタンスが信用できません。直登ルートなので、クサリが撤去されていることもあり、登り始めたら引き返すことはさらに困難です。

稜線上も起伏が激しい岩稜歩きです。足をひっかけないように慎重に歩を進めます。やがて日差しが出てきて、風がなく、30度を越えるかのような蒸し暑いなかの岩稜登りとなりました。雲の間からは奥秩父や西上州の峰々が頭を見せ始めていました。

稜線からは両神山の堂々たる山容が見て取れる

緊張した岩場の登下降の連続でしたが、期待していたとおり、岩稜帯の、わずかな岩の隙間に秘かに咲くウチョウランをいくつか見いだすことができ、気の張り詰めた岩稜登りの緊張感をひととき、和らげてくれるかのようでした。

岩溝に秘かに咲くウチョウラン。まるで一輪挿しのような風情

帰路は、フリークライミングのエリアを見ながら戻りました。

二子山を代表するフリークライミングエリア。二子山弓状岩壁

教えてくれた人

奥谷 晶

奥谷 晶

この記事を書いたライター情報

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