大阪・道頓堀で魔女の手作り料理を味わってきた!

大阪・道頓堀で魔女の手作り料理を味わってきた!

2020/08/25

近年、インバウンドの影響で、さまざまな国の人々が訪れるようになった大阪・ミナミ。グローバル化が著しい中、なんと、道頓堀には魔女が世界各地の珍しい料理を作ってくれるレストランバー「魔女の厨房コルドロン」があるとの情報が。「魔女」のパワーワードが気になりすぎて、足を運んできました!

Yahoo!ライフマガジン編集部

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異国料理と歴史メシで見えてくる世界史

ミナミのシンボルの一つとして知られる道頓堀のネオン。昼間に見ても存在感抜群です

2020年3月にオープンしたコルドロン。お店があるのは、大阪ミナミのグルメエリアとして名高い道頓堀で、アメリカ村方面に1分ほど歩いた雑居ビルの最上階を目指します。

童話の森のような雰囲気が漂う店内。なぜか初めてきたような気がしない居心地の良さ

エレベーターで5階まで行き、階段を登るとお店に到着。ヨーロッパのような中東のような、はたまたアジアンな雰囲気もある店内には、儀式などに使われそうな不思議なグッズも販売されており、食事前からミステリアスなムードを高めてくれます。

世界各国から取り寄せられた魔法・魔女関連のグッズ。インテリアにもおすすめです

世界の料理を研究するミナミの魔女がこちらのお方

店主の弥富マハさん

コルドロンの店主を務める弥富マハさんは、3年前から魔女としての活動を開始。世界各国を旅し、現地で習得した料理がコルドロンのメニューとして提供されています。ところで、本当に基本的な質問で申し訳ないのですが、魔女の定義っていったい、どのようなものなのでしょうか。

店主・弥富マハさん
店主・弥富マハさん
「魔女には、これという定義は私はないと思いますが、人間の人生と同じく、それぞれ違う魔女としての生き方や、この世界との関わり方はありますね。私は、自分の行動に責任を持ち、考えて自らを律するということを精神的なベースに、アニミズム(精霊信仰)寄りの魔女として活動しています。このお店で料理をしていますが、“キッチンウィッチ”という言葉もあるように、料理も人を笑顔にしたり、ハーブやスパイスで体調を整えたりする魔法の一つだと思っています」

今回は中央アジア〜中東よりのラインアップ

テーブルに並んだ異国料理の数々。それぞれに興味深いストーリーがあります

羊肉料理の概念を覆す、パワフルな「シャシリク」

ビールのアテにもぴったりな「シャシリク」(800円)

まず登場したのは、羊肉の串焼き料理であるシャシリク。ウズベキスタンの料理と言われていますが、中央アジア全域に普及しており、屋台などで気軽に食べられる料理として親しまれています。約50センチの串に刺さった羊肉は非常に力強い味わいで、いわゆるラム肉を想像すると、その食べごたえにノックアウトされそうです。

店主・弥富マハさん
店主・弥富マハさん
「羊は、もも肉の筋膜や筋を取って丁寧に下処理し、お酢と塩で揉んでひと晩寝かします。味付けは岩塩だけで、最後に炭火グリルで火を入れることにより、食べごたえのある仕上がりになります。本当に広範囲に普及している料理で、細かく話し出すと14世紀の都、ティムール朝の歴史まで出てきて、話が終わらなくなってきます(笑)」

ウズベキスタンの家庭の味「プロフ」

「プロフ」(1000円)。ご飯の黄色はウコンによるもの。さまざまな具材がミックスされ、香ばしさが際立っています

お米を使った料理もとお願いし、出していただいたのが、ウズベキスタンでは超メジャーな家庭料理という「プロフ」。米ににんじん、レーズン、玉ねぎ、クミン、にんにくのかたまりなどを混ぜて炊き込むと、少し甘めのかやくご飯という感じの味わいに。トップに乗った羊肉もスプーンで触れるとほろほろと崩れる柔らかさで、大人から子どもまで幅広い年齢層におすすめしたいメニューです。

店主・弥富マハさん
店主・弥富マハさん
「肉は牛を使うこともあるのですが、イスラム圏では鶏肉は高価な食材ということで、羊が主に使われているようです。当店では特注の土鍋で炊き、油もヘルシーなひまわり油を使っているので、とても食べやすくなっています」

古代メソポタミアの歴史メシ「羊肉と小麦のスープ」

「羊肉と小麦のスープ」(600円)は、どこか懐かしい味わい

コルドロンのメニューの売りは、異国料理だけでなく、太古の人々が食べていたと思われる料理、いわゆる「歴史メシ」を食べられること。今回、作っていただいたのは、古代メソポタミアの「羊肉と小麦のスープ」。炒めた玉ねぎ、ニンジン、少し筋のある羊肉などを煮込み、塩とクミンで味付け。小麦によるとろみと少し濃い目の味付けは、日本の田舎料理にありそうな雰囲気も素朴さを感じさせます。

店主・弥富マハさん
店主・弥富マハさん
「歴史メシは当時の文献など数少ない資料から、どんな料理だったのかを予想し、なるべくその当時あった食材だけで作るように心がけています。このスープは、粘土板に刻まれたくさび文字からレシピを再現されたものだそうで、確実ではないけど、こうやって作ることで古代の料理や人々に思いを馳せることができるのが楽しいですね」

エジプトの人気おやつ「オム・アリ」

「オム・アリ」とエジプトの紅茶「シャイ」のセット。(1000円)

お腹も大きくなってきたところですが、やっぱりデザートも欲しいですよね。ということで出てきたのは、近代エジプトの定番おやつ「オム・アリ」。焼いたパイ生地をばらばらにして牛乳と生クリーム、はちみつを合わせたもので作るパンプディングで、ナッツの食感がほどよいアクセントに。

店主・弥富マハさん
店主・弥富マハさん
「エジプト語で、オムはお母さん、アリは男の子の名前を指すようで、直訳は“アリ君のお母さん”という感じでしょうか。どこか懐かしい味わいで、エジプトでは大人から子どもまでが大好きな温かいデザートです」

オリジナルの商品も、ぜひお土産に

雑貨の隣の棚には、オリジナルブレンドのハーブティーや、硫黄を含んだ珍しい岩塩なども販売

コルドロンの料理は、マハさんが海外旅行した際、現地の住民から直接教えてもらうということで、食べているだけで海外の人々とコミュニケーションできているような気持ちになれるのが醍醐味です。「心と体においしく、料理を通して世界史や歴史の背景にあるものを考える切っ掛けになれば」という魔女の手料理、ぜひ味わってみてください。

最上階の特権! ということで、開放的なテラス席も

取材・文・写真=伊東孝晃(クエストルーム)

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