明治~大正 ロマンあふれる名建築カフェ【東京・京都・名古屋】

明治~大正 ロマンあふれる名建築カフェ【東京・京都・名古屋】

2017/02/07

アンティークの家具やタイル、クラシカルな装飾……。いたるところにちりばめられた歴史の足跡を見つけることができる名建築の数々。そんな貴重な空間で過ごす、安らぎのカフェタイムをどうぞ。

Yahoo!ライフマガジン編集部

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時の流れを感じる名建築カフェへ。

さまざまな時代の変遷を乗り越えて、カフェとして活用される名建築の数々。しっとりと落ち着いた時間を過ごせる空間へ足を運んでみませんか?

\今回ご紹介する3店はこちら/

1.Café 1894(東京)
2.さらさ西陣(京都)
3.フェアビーンズコーヒー 橦木館カフェ(名古屋)


1.Café 1894(東京)

1893年 「君が代」が祝日大祭日の唱歌に選定
1894年 三菱一号館が竣工(現:Café 1894のビル)
同年 日清戦争
1895年 下関条約調印

繊細な装飾がちりばめられた
クラシカルなカフェ

明治時代にタイムトリップした気分を味わえるクラシックな空間

オフィスビルが林立する東京・丸の内で、ひときわ目を引くレンガ造りの三菱一号館美術館。こちらの建物は、1894(明治27)年、日本初のオフィスビル「三菱一号館」として竣工し、鹿鳴館などを手がけたイギリスの建築家ジョサイア・コンドルが設計。1968年に一度は取り壊されたものの、2009年に現存する写真や図面、保存部材をもとに復元し2010年春に三菱一号館美術館としてオープンした。美術館に併設している『Café 1894』は、銀行営業室として使用していた場所を当時のままに復元している。

竣工当時の活気ある銀行営業室。古き良き時代に思いをはせて

重厚な風除室のある入り口から中に入ると、二層吹き抜け、天井高8mの開放感のある空間が広がる。大きな柱の上部には繊細な彫刻が施されており、これは保存部材をもとに3人の彫刻家が制作したもの。固いタモ材を使用しているため、完成まで半年の歳月がかかったそう。店内を見渡すと、銀行の窓口部分が間仕切りとして使用されていたり、往時のガス灯を模した照明のデザインなど、細部に至るまでこだわりが。

甘味と酸味のバランスが良く、食感も楽しい名物のアップルパイ

シェフやパティシエが考案する料理も、本格派として知られる。デザートの一番人気は「Café 1894自家製クラシックアップルパイ」(907円 ※ティータイム14:00〜17:00の提供)。甘酸っぱいリンゴを包んだパイに、小麦粉とバター、砂糖をそぼろ状にしたクランブルがたっぷりトッピングされている。リンゴのほどよい酸味に、パイ生地とクランブルの異なる食感と甘さが絶妙に絡む。添えられている自家製のバニラアイスクリームもあっさりと上品で、良い引き立て役に。

アップルパイと一緒に楽しみたい「カプチーノ」(702円)には、カフェのロゴがステンシルで施されていて、つい写真におさめたくなる。

当時の素材に近いレンガを取り寄せ、一つ一つ手積みした外壁

展覧会とのタイアップメニューでは、展覧会のテーマに合わせたランチやデザートを鑑賞の余韻に浸りながら味わえる。併設の三菱一号館 歴史資料室でより深く建物の歴史を調べたり、ミュージアムショップ『Store 1894』で美術館オリジナルのグッズも手に入れたり、プラスアルファの楽しみも。東京駅から徒歩5分とアクセスが良いので、東京観光や出張の空き時間に立ち寄りやすいのも魅力だ。

Café 1894

住所:東京都千代田区丸の内2-6-2
アクセス:
東京駅(丸の内南口)から徒歩5分
二重橋前駅(1番出口)から徒歩3分
都営三田線「日比谷」駅(B7出口)から徒歩3分
電話:03-3212-7156
営業時間:11:00~23:00(L.O.22:00)
定休日:1月1日、不定休

口コミ・写真など

※この情報は取材時の情報です。ご利用の際は事前にご確認ください。

2.さらさ西陣(京都)

1926年 昭和天皇が即位
1927年 さらさ西陣の前身である銭湯が開業
同年 東京地下鉄道が浅草~上野間で営業開始
1929年 世界恐慌

築80年の銭湯を改装した
レトロかわいいカフェ

隠れた名店と聞きつけ、カフェ好きがたびたび訪れる

京都の代名詞でもある鴨川が流れ、南に京都御所、北に京都府立植物園、東に下鴨神社と由緒ある史跡や寺社に囲まれた、豊かな自然と昔ながらの街並みを残す烏丸鞍馬口エリア。

地下鉄「鞍馬口駅」から10分ほど歩いた場所に、立派な唐破風の門構えで圧倒的なオーラを放つノスタルジックな建物がある。1998年に廃業した銭湯 藤森湯を改装し、2000年から銭湯カフェとして新しく生まれ変わった『さらさ西陣』だ。築80年の建物をそのまま利用し、観光客や京都の大学に通う地元の学生などから高い人気を集めている。

木漏れ日が差す窓際席は、大ヒット映画『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』のワンシーンで実際に使用された

入口ドアに掛けられた「さらさ」の看板をくぐり、胸を高鳴らせて中に入ると天井の高い開放感あふれる空間が広がる。吹き抜けから光が差す店内ですぐ目に止まったのは、壁を埋め尽くす鮮やかな色のマジョリカタイル。こちらは浴室の壁をそのまま残したもので、レトロかわいい模様に乙女ゴコロがくすぐられる。床、格子型の天井、トイレの洗面台などもすべて銭湯として営業していた当時のまま。どこか懐かしく温かい雰囲気がとても居心地よい。

現在は使用禁止になっている鉛の釉薬で焼かれたレアなタイルなのだとか
男湯と女湯の仕切りであった壁を活用し、座席の仕切りにしている
ドリンクがついた「ケーキセット」(950円)

「アップルウォールナッツケーキ」(単品540円)は、ごろっとしたリンゴが入った生地にサクサクのクランブルが乗った1番人気のメニュー。ケーキによく合う自慢のコーヒーは、すべて自家製工房で作ったもの。なかでも特別にブレンドした「サラサブレンド」(単品540円)は深入りベースで、苦みがなくすっきりとした味わいが特徴だ。

ゆったりとしていて、一人でも複数人でも気軽に訪れやすい

独特な空間に加え、おもてなしにもこだわりが。店員さんがオススメのメニューを気さくに提案してくれたり、さまざまな国の料理を用意するなど、お客様に愛されるお店作りの工夫がなされている。あかりがともり、ひときわ魅力を増す夜の時間は音楽の生演奏が行われることも。京都を訪れたときは、ランチやスイーツ、ディナーまでたっぷり楽しませてくれる『さらさ西陣』で特別なひとときを過ごしてみては。

3.フェアビーンズコーヒー 橦木館カフェ(名古屋)

1925年 山手線で環状運転開始
1926年 橦木館竣工
1927年 火災報知専用電話119番開始
1928年 張作霖爆殺事件

ステンドグラスから陽がこぼれる
瀟洒(しょうしゃ)な洋館カフェ

陶磁器の輸出で財を成した井元為三郎の邸宅

名古屋を代表する観光名所である名古屋城と、美しい池泉回遊式の庭園を見られる徳川園。このふたつを結ぶ道は「文化のみち」として整備されており、尾張名古屋の歴史に触れられる人気コースとなっている。

この「文化のみち」沿いにあり、名古屋城と徳川園の中間ほどに位置する白壁地区にたたずむ『文化のみち橦木館』は、大正末期から昭和初期に建てられた和洋折衷様式の邸宅。デザインの粋を集めた館内を見学できるばかりでなく、往時の雰囲気を感じつつこだわりのコーヒーを味わえる『フェアビーンズコーヒー 橦木館カフェ』を併設している。

和館から日本庭園越しに洋館を眺められる

もともと「橦木館」は井元為三郎という名古屋の名士の邸宅。井元為三郎は、名古屋陶磁器貿易商工同業組合の組合長に就任、加工問屋「五人衆」の一人に数えられるなど陶磁器業界の重鎮として活躍した人物だ。

陶磁器の生産地として有名な瀬戸や多治見へと続く街道沿いであったことや、物流を担った堀川にも近いことから、明治半ば多くの絵付け・加工業者などが集まるようになったという白壁地区周辺。洋館部分には、美しいステンドグラスが贅沢に使われており、見る者の目を奪う。輸出陶磁器の商談のため、この邸宅にバイヤーを多く招いていた井元だが、この邸宅が自らの美的センスを示す格好の場であったこともうかがえる。

日差しが差し込んできらめきを増すステンドグラス
ナッツの食感も楽しめる「ガトーショコラ」(430円)

さて、この館を訪れたならば美しい庭園や和館を眺めつつ一服したい。発展途上国の生産者が、作り出した物に見合った価値を受けとる「フェアトレード」を行う会社が運営しており、世界各国から厳選されたオーガニックコーヒーを味わえる。この日提供された本日のコーヒー(400円)はインドネシアの「スマトラ・ガヨ・マウンテン」。コクを感じつつもすっきりした飲み口だ。

庭園から爽やかな風が吹き抜けるカフェ

現在、カフェとなっている場はかつて応接間として使用されていた場所。この空間を彩るステンドグラスには尾長鳥が描かれており、現代人の感覚からしてもとてもかわいらしい意匠に思える。それにしても、四季折々の表情を見せる日本庭園を眺めながらのティータイムは至福。都心にいることをしばし忘れる瞬間だ。気候がよい日はテラスに出てのんびり過ごすのもおすすめ。

フェアビーンズコーヒー 橦木館カフェ

住所:名古屋市東区橦木町2-18 橦木館
アクセス:
高岳駅[2]から徒歩約10分
清水(愛知県)駅[出口1]から徒歩約13分
東大手駅[出口]から徒歩約13分
電話:070-6412-3279
営業時間:10:00~17:00(L.O.16:30)
定休日:月曜休(祝日の場合は翌平日)

口コミ・写真など

※この情報は取材時の情報です。ご利用の際は事前にご確認ください。

取材・文=後藤麻子(クエストルーム)、大野由加里(クエストルーム)、安田淳(クエストルーム)
撮影=向後真孝、久保秀臣、石塚実貴


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