ガンバレ乙女(笑)。身も心も「ガーリーを楽しむ博物館」めぐり

特集

「博物館」を五感でフルに楽しむ。

2017/03/07

ガンバレ乙女(笑)。身も心も「ガーリーを楽しむ博物館」めぐり

「博物館」というと、堅苦しくて難しいイメージ。だけど、「かわいい」を楽しめるミュージアムもあるのです。かわいくて、ためになって、そして気分があがる乙女な博物館に行ってみましょう。

Yahoo!ライフマガジン編集部

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ガーリーの世界へようこそ

かつて誰もが少女でした。ガーリーとは少女らしさ。男の子にはちょっと縁がないかもしれないけど、例えば女の子と行くだけで気分が上がる、華やかでかわいらしいそんなミュージアムをご紹介。いま注目のモデルで女優の佐藤ミケーラさんと「ガーリー道」を極めてみましょう。

佐藤ミケーラ

佐藤ミケーラ

モデル・女優

奥深き紅の世界

1.「伊勢半本店 紅ミュージアム」

骨董通りにある紅ミュージアム

江戸から続く「紅屋」である伊勢半本店が、紅作りの「技」と「伝統」を広く伝えるために作った施設がこちら。ミュージアムでは紅づくりの歴史や製法を学ぶことができ、サロンでは、実際に紅を試すことができます。

江戸時代の美容読本「都風俗化粧伝」。コンプレックス別の解決法が記されておりベストセラーとなりました

当時は、現代のように化粧に用いられる色が豊富ではありませんでした。ファンデーションに相当する白粉の「白」、お歯黒・眉墨の「黒」、そして「紅」の三色だけでメイクを仕上げなければいけませんでした。差し色である紅は、それは大事な役割を担っていたのです。

これが紅餅。紅花の花弁を発酵・乾燥させたもの

紅とは紅花の花弁に含まれる赤色色素のこと。真っ黄色な紅花に、ほんの少量含まれる赤色を取り出す紅の製法は、秘伝中の秘伝。江戸時代から続く製法は代々口伝で受け継がれ、現在でもわずかな職人しか知らないのです。

「祖父の家のような匂いがする」と答えてスタッフに苦笑いされるミケーラさん

古来より「赤」は悪魔を祓う神聖な色とされてきました。出産、雛祭り、七五三、婚礼、還暦など、女性の人生の節目に彩りを添えてきたのです。

 

サロンでは実際に紅を体験できます。専属のスタッフが専用の紅筆を使って、貴重な紅を試しづけしてくれるのです。使用される「小町紅」は、江戸時代の女性が憧れた高価なブランド化粧品でした。

これが伝統製法で作られた紅。玉虫色の部分が紅で、水をつけた筆を入れると、紅が溶け出す
スタッフが丁寧に紅を塗ってくれます

紅は一色ですが、唇に重ねる量により、淡い桜色から深紅まで幾通りもの色が表現できます。また、唇の色に合わせて発色するので、その人だけに似合う色になるのです。

いかがでしょう

心なしか、さっきよりも大人びた表情にも見える? 紅を塗ることで、背筋が伸びてキリッとした気分になれるのです。

初体験の紅で新境地を開拓?

初めてつけた紅が、まったくベタつかないことにびっくりしたミケーラさん。「いつかお母さんにもプレゼントしたい」とのこと。そして、最後は「べにばな茶」をいただいてホッと一息。表参道のメインストリートからちょっと離れた大人の隠れ家、一度足を運んではいかがでしょう。紅の世界は奥が深いですよ。

女子力上がりましたか?

伊勢半本店 紅ミュージアム

住所:東京都港区南青山6丁目6-20
電話:03-5467-3735
アクセス:表参道駅[B1]から徒歩約10分
表参道駅[B3]から徒歩約11分
表参道駅[A5]から徒歩約11分

口コミ・写真など

※この情報は取材時の情報です。ご利用の際は事前にご確認ください。

洋装と女性の社会進出

2.「杉野学園衣裳博物館」

「ドレメ」の愛称でおなじみ杉野学園の附属施設

森英恵さんなどの有名デザイナーを輩出したことでも知られる「杉野学園」の教育施設として設立されたのが、こちらの「杉野学園衣裳博物館」です。服飾教育を支える附属施設として、大学の実習でも使われており、西洋衣装を中心に、貴重な衣裳が数多く展示されているのです。

こちらの博物館は土足厳禁。入り口でこんな可愛いスリッパに履き替えます

創始者の杉野芳子は大戦前から洋服の必要性を説いた、日本における服飾教育の先駆者です。元々は花嫁修行の一環として通う女性が多かったようですが、杉野は洋装の普及定着と服飾技術の修得による女性の自立を目指しました。

「金モールのイヴニング・ジャケット」(渡辺雪三郎オートクチュールコレクションより)

杉野は自ら収集した衣装を展示するこの博物館を開設して、教育の場としました。学生も利用するこの博物館では、常設展の他に、年に一回企画展が行われています。流行は繰り返すと言いますが、昔の服を知ることは、今の、そして未来の服を考えるうえでも、とても大事なことなのです。

昭和天皇の即位の礼の際に、女官が実際に着用した十二単(じゅうにひとえ)

西洋洋服を展示するために用いられるマネキンは特に消耗が激しいため、昔のものはほとんど残存していません。こちらには、半世紀以上前の貴重なマネキンが展示されています。

こちらのマネキンは1952年に作られたもの。これも貴重な資料です

石造りの歴史ある建物と、しんと張り詰める空気。日本で最初に生まれた衣裳博物館で、ファッションの歴史の一端に触れてはいかがでしょうか。往時の流行の衣装は、今見てもきっと新たな発見があるはずです。

杉野学園衣裳博物館

住所:東京都品川区上大崎4-6-19
電話03-6910-4413
アクセス:目黒駅[東急中央口]から徒歩約3分
目黒駅[JR西口]から徒歩約4分
不動前駅[出口]から徒歩約10分

※この情報は取材時の情報です。ご利用の際は事前にご確認ください。

もう一つの文化史、
コスチュームジュエリー

3.「アクセサリーミュージアム」

祐天寺の住宅街に突如現れるミュージアム

多くのアクセサリーがコレクションされたこちらのミュージアムは、なんと自宅を改装してできたもの。展示されているのは、主に「コスチュームジュエリー」と呼ばれる、ファッション性を重視した装身具です。戦後、アクセサリー製造問屋の二代目として生まれた館長が、人生を通して集めたものなのです。

館長の田中元子さん。コスチュームジュエリー研究家として有名です

日本においてコスチュームジュエリーが発達したのは戦後でした。和装から洋装へ生活スタイルが変化する過程において、身につける装身具の必要性が叫ばれたのです。しかし、日本国内には専門の職人がいなかったため、館長のお父様が見本として海外から持って帰ってきたものをサンプルとして、数珠屋に見よう見まねで作らせたとか。

高価な宝石・貴石類を使用しないコスチュームジュエリーの最大の特徴は、金属、ガラス、プラスチックなど、時代の様相を表す素材がなんでも使われているということにあります。 

アメリカ人化学者ベークランドが1907年に発明したベークライト(植物由来のプラスティック)を使用したもの

時のファッションに似合うように作られたコスチュームジュエリーは、時代を映す鏡ではありますが、その反面、流行が終わると捨てられてしまうという宿命があります。ミュージアムは時代ごとに区分展示され、かつて一世を風靡した貴重な装身具たちを見ることができるのです。

モーニングジュエリーと呼ばれる喪服に合わせるジュエリー。1800年代にビクトリア女王が身につけたことで流行した

20世紀初頭にかけては、それまで貴族だけのものであった装身具が、産業革命で生まれた富裕層へと広がりました。同時に、それまでの手作りから機械化が進んだこともあり、コスチュームジュエリーが本格的に登場した時代と言われているのです。

1850〜1900年当時流行した虫ブローチ。本物のタマムシとスカラベを使用しています

館長の田中さんが6年前に私財を投げ打ってできたこちらのミュージアム。「まったく儲からないの。でも、夫も応援してくれてね」と少女のように笑う田中さんの笑顔は、コスチュームジュエリーへの愛に溢れていました。洋服に合わせて変遷を続けるコスチュームジュエリーは、ファッションの歴史そのもの。

あなたもコスチュームジュエリーが放つ、歴史の息遣いに触れてはいかがでしょう。

アクセサリーミュージアム

住所:東京都目黒区上目黒4丁目33番12号
電話:03-3760-7411
アクセス:祐天寺駅[西口]から徒歩約6分
中目黒駅[正面出口]から徒歩約15分
学芸大学駅[西口]から徒歩約17分
営業時間:10:00-17:00(最終入場16:30)
定休日:月曜日、日曜日(第4・5)、8月1日~31日、ゴールデンウィーク、年末年始(要問い合わせ)

口コミ・写真など

※この情報は取材時の情報です。ご利用の際は事前にご確認ください。

かわいくて、気持ちも上がる3つのミュージアム。今週末は「ガーリーハント」に出かけてはいかがでしょうか。

取材・文/キンマサタカ(パンダ舎)
撮影/木村雅章

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