アンジャッシュ渡部「食べ歩きの店舗予約は自分でやります」

アンジャッシュ渡部「食べ歩きの店舗予約は自分でやります」

2017/02/27

アンジャッシュ渡部さんが行きたい店に時に自分でアポ取りし、気ままにハシゴするという、脱力した番組『渡部の歩き方』が話題を呼んでいる。今回は「食べ歩きの達人」である渡部さんが駆使している店の本気を最大限引き出すテクニック、さらに番組の取材の中で、特に印象に残っている店を聞いた。

Yahoo!ライフマガジン編集部

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ゆるくてガチな渡部流「食べ歩き術」とは

 

きっかけはプライベートの食べ歩き旅行

もともと、食べることが趣味だった渡部さん。『渡部の歩き方 グルメ王の休日』の原型は、40歳を機に始めた全国食べ歩き旅行だった。

渡部さん
渡部さん
「40歳になった当時も、おかげさまでお仕事をたくさんいただいていました。だけど、アウトプットがあまりに多すぎて、『このままだと飽きられてしまう』と怖くなった。そこで『月イチで旅行に行かせてくれ!』とお願いして、事務所からお休みをもらうようになったんです」

そんなある日、旧知の関係者から、「一緒に何か番組をやりませんか」とお誘いの声がかかった。

渡部さん
渡部さん
「スケジュールがパツパツで、泣く泣く断ろうとしたら、『だったらそのプライベート旅行に同行させてください』という話に(笑)。食べ歩き旅行にカメラを同行させたい、肩の力を抜いていいんでと。それで仕事になるなら悪くないなとお受けしました」

史上例を見ないグルメ番組は、こんな風にしてスタートを切ったのだ。

行きたい店を複数リストアップしてから「ここら辺かな」と訪れるエリアを決めるとか

Huluの長所を生かす

ひょんな事から生まれた番組だったが、放送開始から大きな反響を呼んだ。

渡部さん
渡部さん
「僕の周りの食に興味がある人々は、第一回の放送を見て『本気出したな』と思ったらしい。よく口説いたなと感心されたこともあります。それくらい本気で行きたい店ばかり選んでいます」

番組を楽しんでいるように思える渡部さんだが、行き当たりばったりという番組の特性上、苦労も多いという。

渡部さん
渡部さん
「予約はガチで電話しています。(万が一断られたら?)それはそのとき。ドキュメンタリーに近いので、変な話、どこも行けなくたっていい(笑)。 だけど、Huluの長所が生かされる場合もあります。田舎のおじさんたちは、基本的にHuluというものをわかってない。『テレビに出て客が大勢来たら困る』という店主には、スタッフは『そんなに見てません』って言う(笑)。だから、普段はテレビ拒否の店も『渡部くんはいつも来てくれるし、じゃあいいよ』って」
小田原にあるうなぎの名店にて【日本テレビ 3月4(土)13:30〜放送予定】。こんな風にものすごく簡素に撮影を行なっています

これまでで印象に残ったのは

Huluだからこそ、すごい店を紹介できることもあるという。金沢のとある店は、知る人ぞ知る名店だったが、今回初めてテレビに紹介された。

渡部さん
渡部さん
「金沢の『ひよこ』を知ったのは、ある日、高倉健さんが行きつけだった店があると聞いたことでした。行ってみたら、メニューは黒毛和牛のヒレの部分を使ったステーキプレートだけ。ご飯もない。今でこそ熟成なんて言葉が一般的ですけど、ここは何十年も前から、肉を寝かせています。『旨味』を最大限引き出す熟成方法をずっと昔から意図的にしていた。時代が店に追いついたんです。ペロッと食べられちゃうので、寿司と寿司の間に予約を入れることもあります」
金沢の「ひよこ」の肉は熟成も完璧で「本当に美味しい」(渡部さん)
金沢の「ひよこ」はこんなユニークな外観

美味しいものを食べるためには、手間を惜しまないという渡部さん。店を訪れる2カ月以上前から、その努力は始まっている。

渡部さん
渡部さん
「僕は自分で予約の電話して、料理の写真を撮るときも許諾を得る。もちろん、行列にも並ぶ。それをするだけで、『芸能人なのに偉いね』って褒められる。先輩芸能人の負の遺産というのが、よっぽどたくさんあるんでしょうね(苦笑)」

だが、渡部さんは手土産を持って、頭を下げて入って行く。

渡部さん
渡部さん
「そうしたら、向こうも頑張るしかないじゃないですか。予約もそう。2カ月前から予約していたら、頑張るでしょう。僕は飲食店のサービスは『えこひいきの文化』だと思うんです。店主を燃えさせたい。料理人のやる気を喚起するためならなんでもする覚悟があります(笑)」
店主との会話が飲食店の醍醐味だとか

経験を蓄積して見えてくること

食事が趣味だが、意外にも基本的に何を食べても美味しいと思えてしまう「ハッピーな味覚」の持ち主だという渡部さん。だが、早い段階で自分の味覚センスの凡庸さを自覚していた。

渡部さん
渡部さん
「趣味が仕事になっていいねと言われることがあります。でも、それに関しては違うぞと。仕事になったから趣味じゃいけない、本気でやらないとと思う。例えば、僕が店について何かコメントすると、「お前が言うな」と言われる。でも、給料を全部食費に使って、年間500軒食べ歩いていますよ、ってなったら、みんな文句を言えないじゃないですか。そういう数字の裏付けがあると強いんです」

僕はプロじゃないからと笑う渡部さん。では、渡部さんの考えるプロとは?

渡部さん
渡部さん
センスがある人でしょうね。食べ歩かなくても真髄が見える人。自分はセンスがないからこそ、足で稼いでいるんです。基本は『バカ舌』なので、何を食べても『美味しい』と感じてしまうんで。食べ続けて経験を蓄積することで、見えてくることもあるんだと思います」
「評論ではなく、ただ自分が美味しいと思うものを伝えて行きたい」

「ちょっと大げさかもしれないけれど」(笑)

渡部さん
渡部さん
「僕にとってこの番組は、プライベートでやっていたことが、全部タダになって、さらにギャラまでいただいて、おまけにお店に感謝までされちゃう、という夢のようなシステムなんです(笑)。そのスキームを構築したということはちょっと自慢できます」

カタログがわりにでもいいから観てほしいという渡部さん。

渡部さん
渡部さん
「『地方のお店を元気づけたい』というと大仰になっちゃって、ちょっと胡散臭いけど、この番組を見て『お、ちょっと行ってみようかな』なんて思ってくれたら、これ以上幸せなことはないですよね」

本人が厳選したとっておきのお店が毎回登場する『渡部の歩き方』。次回放送(3月4日)「なんと3月4日には『特別版』として、地上波で土曜の13時半から1時間という放送枠(日本テレビ関東ローカル)を獲得。ヨダレを垂らしながら、カタログがわりに見るのも一興。ああ、待ち遠しい!

『渡部の歩き方 グルメ王の休日』

『渡部の歩き方 グルメ王の休日』

Huluにて配信中!

【内容】アンジャッシュ渡部が月イチで行く地方の名店一人旅に、ただただ同行。今まで地上波では紹介出来なかった渡部の聖域にカメラが入る。テレビ的演出一切ナシ! 渡部のウマそうな旅をただ撮影した記録である。

取材・文/キンマサタカ(パンダ舎) 撮影/福田栄美子(インタビュー)、山下辰行(「ひよこ」)

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