1965年に和歌山で誕生した 「イノブタ肉」のうまさとは?

特集

全国ご当地グルメ(和歌山県編)

2016/04/24

1965年に和歌山で誕生した 「イノブタ肉」のうまさとは?

「イノブタ」とは、イノシシを父にブタを母に持つ畜産品種。野生のうまみと、ブタの柔らかい肉質をかけ合わせて、甘さとコクが楽しめる肉を生み出した。町の人からも愛されるパロディー国家「イノブータン王国」のバックアップのもと、和歌山県すさみ町のご当地食材として全国展開中だ。

Yahoo!ライフマガジン編集部

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味にほれた料理人が、自ら飼育まで手掛ける

ご存知の通り、周囲をぐるりと海に囲まれた和歌山県は、黒潮の恩恵にあずかり、海の幸が豊富。その中にあって近年、メキメキと頭角を現したご当地食材がある。すさみ町の「イノブタ」だ。

場所は、紀伊半島のほぼ南端に位置した海沿い。イノブタは、1965(昭和40)年にすさみ町の県畜産試験場で、雄のイノシシと雌のブタの交配から生まれた。コクのある脂肪と、くさみがなく歯応えのよい赤身が特徴。

町の特産品として全国にPRしていこうと、1986(昭和61)年にはパロディ国家「イノブータン王国」が建国され、王国の首相にはすさみ町長が就任。バックアップ体制が整っている。

「イノブタステーキ」(1674円)。同ホテル敷地内の別棟にあるレストラン・花かいろうでは、日帰りのお客さん向けに、ステーキやカツ丼、生姜焼きなど、イノブタざんまいの定食や単品もラインアップしている

「ここ10年で素晴らしく畜産技術が進歩し、イノブタの安定供給ができるようになりました」と話すのは、南紀すさみ温泉「ホテル ベルヴェデーレ」の社長・坂本信也さん。自身もまた、その味にほれ込み、イノブタを飼育する「イブファーム」まで手掛けてしまった、生粋のイノブタフリークである。

ところがつい最近まで、飼育の難しさから畜産農家が少なく、おいしさを伝えることができない状態であったという。それを打開するためイブファームが立ち上がり、飼育頭数を増やしつつ、さらなるおいしさを追求した。

県が推奨する優良県産品のプレミア和歌山に認定された品種「イブの恵み」と、そのイブの恵みから生まれた次世代の「イブ美豚」をブランディングし、県内外へと打ち出しを開始した。

「全国展開はすさみ町の未来。イノブタで地元と消費者を元気にする、地域活性化の取り組みの一つです」と、坂本さんは言う。

職人も絶賛するイノブタの脂と赤身のバランス。肉特有の臭みがなく、しゃぶしゃぶなどの鍋物にしてもアクが出ないという。肉厚のステーキでも歯切れがよく、柔らかいのが特徴

柔らかくジューシーで、濃い味わい

地元の味として、町の飲食店でもイノブタメニューを考案。同ホテルのレストラン「花かいろう」でも、丼や鍋、ハンバーグと、さまざまなアレンジを加えている。

肉本来の旨味を堪能するなら「イノブタステーキ」がおすすめ。厚めのカットでも歯切れがよく、柔らかさとジューシー感が際立つ。ジビエ特有の臭みはなく、脂にしても赤身にしても、味わいだけが濃い。

さらに熱を加えると旨さが倍増する。ウインナーやハムにも加工され、2012(平成24)年にはイブの恵み「モモハム」が、プレミア和歌山の審査委員特別賞を受賞している。

太平洋を一望する高台に位置。ホテルレストランでありながら、日帰りのお客さんも気軽に来店。近くの道の駅には、王国を象徴するイノブータン城があり、建国の歴史が紹介されている

※掲載の内容は2016年4月時点の情報に基づきます。
※2019年5月に店舗(住所、電話番号、営業時間など)、メニュー、料金などの一部情報を更新しました。

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