大阪vs広島! 地元情報誌の編集長が教える「お好み焼き」銘店

特集

いますぐ食べに行きたい「お好み焼き」の銘店

2017/03/14

大阪vs広島! 地元情報誌の編集長が教える「お好み焼き」銘店

「お好み焼き」と聞いて、大阪と広島のいずれかを思い浮かべる人は多い。具材を混ぜて焼くふわふわ生地が特徴的な大阪焼と、薄く引いた生地に具を重ねて蒸し焼きにする広島焼。お好み界の2大聖地を楽しむには、どこに足を運べばいいのか。大阪と広島、それぞれを代表する情報誌の編集長に聞いてみた。

Yahoo!ライフマガジン編集部

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◉大阪編

家食べ派が多い関西お好み、外で食べるなら?

\教えてくれるのは、この人/

兜姿で登場!『Meets Regional(ミーツ・リージョナル)』編集長の竹村匡己さん(写真/木村華子)
竹村匡己さん

竹村匡己さん

『Meets Regional』編集長

どの街にも、地元で愛される良店がある

生まれてからずっと関西在住の僕にとって、お好み焼きは「土曜の昼」というイメージ。子どもの頃、半ドン(午後が休みであること)で学校から帰ったら、おかんがフライパンで焼いてくれる。そのお好み焼きを食べながら、吉本新喜劇を見るのが週課でした。

僕らの世代なら、お好み焼きが日常の風景とともにある、という人は多いはずです。たとえば「★曜の夜はお好みの日」って、昔から家族で決まっていたという話もよく聞きます。

「象屋」の「お好み焼き豚」(860円・税別)。1枚に150g以上の豚肉を使う。ソースは自分で塗るスタイル(写真/エレファント・タカ)

だから関西人にとって、お好み焼きって気合いを入れて向き合う料理じゃないんです。基本は家で食べるもの。けれど一方で、どの街にも必ず、地元で愛される良店が存在します。

「象屋」でのコテさばきに感動する取材陣。豚の焼き具合も絶妙だ(写真/エレファント・タカ)

この「象屋」も大阪市西成区の下町で36年続く店です。大阪でお好み焼きといえば「豚玉」。だけど、その豚が食べている最中にむけて生地が丸出しになること、ありますよね。あれ、大阪人は嫌がります。ここの豚はカリッと焼いてあるから、はがれない。やっぱり生地と肉を一緒に食べるのが、豚玉の基本です。

象屋

住所:大阪府大阪市西成区玉出西2-7-10
アクセス:
玉出駅5出口から徒歩約1分
塚西駅出口から徒歩約6分
岸里玉出駅玉出口から徒歩約8分
電話番号 06-6657-1616
営業時間 平日17:00~23:00(日曜・祝日15:00~23:00)
定休日 月曜日

口コミ・写真など

※この情報は取材時の情報です。ご利用の際は事前にご確認ください。

鉄板を介したコミュニケーション

「基本は家で食べるもの」とは言いながら、友達や同僚に「お好み行こや?」と誘われたら抗(あらが)えないのも事実。子どもの頃から生活の一部、もうお好み焼きがDNAに組み込まれているからです。つい「ほな、行こか」と答えてしまう。

「鉄板野郎」の野郎玉(940円・税別)はソースの代わりにキムチカルボナーラをトッピングする(写真/本野克佳)

ただし外で食べるからには、家と同じ普通のお好み焼きは避けたいし、どうせなら飲みたい。そんなとき足を運ぶのが「鉄板野郎」のような、バル使いできる店。「そば前」ならぬ「お好み前」、鉄板で焼いてもらったアテで晩酌しながら、創作系お好みが焼けるのを待ちます。

「鉄板野郎」では全お客を巻き込んでの乾杯タイムがある。店主・ホッシーさんの盛り上げ方が自然で押し付けがましくないから、これを楽しみに足を運ぶ人も多い(写真/本野克佳)

関西人は基本、鉄板で食材を焼くのが好きです。料理の焼き上がりを眺めながら、「うまそうですね〜」なんて、隣の客と会話が弾むことも。知らない人とでも、鉄板を共有しているというグルーブが産まれる気がします。それにお好み屋に行くと焼きそばも頼みたいから、どうしてもシェアする必要があります。二人以上で行くことが多い。

だからお好み焼き屋は、必然的にコミュニケーションの場になります。店主のほっしーさんが盛り上げ上手だから、「鉄板野郎」は余計に、その色が濃いんですけどね。

鉄板野郎 大阪店

住所:大阪府大阪市中央区日本橋2-5-20 2F
アクセス:
近鉄日本橋駅5(日本橋駅)出口から徒歩約2分
日本橋(大阪府)駅5(日本橋駅)出口から徒歩約2分
難波駅一階北出口(南海市バス・タクシー方面)出口から徒歩約5分
電話番号:06-6643-9755
営業時間:18:00~翌2:00
定休日:火曜

口コミ・写真など

※この情報は取材時の情報です。ご利用の際は事前にご確認ください。

関西人にもあった! 広島焼イズム

それと関西には広島焼の店も多いですね。広島出身の人も割といるから、家業でやっている人も多いかも。それに具を混ぜてから焼いたお好みに、中華麺やうどんをトッピングした「モダン焼き」は神戸が発祥と言われているので、違和感がないのかもしれません。それに関西人はお好みと焼きそば、両方を食べたがるから、意外と理に適っています。鳥の砂ずりとイカ天、そば入りの尾道焼きを提供する「尾道むらかみ」北新地なのに良心価格で素晴らしいと、行くたびに思います。

店主の実家は今も尾道に店を構える尾道焼の元祖店。ソースも地場のものを使用する(写真/本野克佳)

尾道むらかみ

住所:大阪府大阪市北区堂島1-3-9 日宝堂島センタービル 1F
アクセス:
北新地駅11-21出口から徒歩約4分
大江橋駅1出口から徒歩約4分
西梅田駅9(西梅田駅)出口から徒歩約5分
電話番号:06-6343-7317
営業時間:
平日 18:00~翌2:00
土曜18:00~23:00
定休日:日曜、祝日

口コミ・写真など

※この情報は取材時の情報です。ご利用の際は事前にご確認ください。

ビッグシティにお好み焼きの新勢力

発売中の『Meets Regional』2017年4月号では大阪・梅田を総力特集していますが、ここにもお好み焼きのニューウェーブが存在していました。

フレンチお好み焼き「サヴォワ」(860円・税別)。赤ワインと3種のチーズのソースでいただく。(写真/岩本浩伸)

「鉄板料理とワイン 赤白(コウハク) 阪急三番街店」には5種のフレンチお好みがあって、これに41種のグラスワインを合わせることができます。料理も酒も、ワンコイン以下のメニューがあるので、コスパに惹かれ、店前には平日の夜でも大行列ができています。

元・有名ホテルやレストラン出身者など、総勢15名のソムリエが厳選したワインがオンリストされている(写真/西尾渚)

鉄板料理とワイン 赤白(コウハク) 阪急三番街店

住所:大阪府大阪市北区芝田1-1-3 阪急三番街北館 1F
アクセス:
梅田(大阪市営)駅2(御堂筋線梅田駅)出口から徒歩約2分
梅田(阪急線)駅1階正面西側出口から徒歩約1分
大阪駅御堂筋北口出口から徒歩約2分
電話番号 06-6376-5089
営業時間 11:00~22:30
定休日:不定休(阪急三番街に準ずる)

口コミ・写真など

※この情報は取材時の情報です。ご利用の際は事前にご確認ください。

日々進化する街、梅田。単なる情報に終わらず、街場の空気感も伝えたいと、編集部総出で制作しました。関西在住の方はもちろん、大阪出張が多い、観光に来られるという方にもぜひ、読んでいただきたい一冊です。

『Meets Regional』2017年4月号

『Meets Regional』2017年4月号

ニュースの絶えない街、ビッグシティの冒険「梅田」

安旨な大衆酒場で盛り上がる駅ビルや、行列必至の人気店、ひとり大歓迎のご馳走店……。ド真ん中はもちろん、中津や大淀などアラウンドも網羅。「梅田でどこ行こ?」へのアンサーが詰まった一冊(463円・税別)

◉広島編

外食派が多い広島お好みも、個性派店が勢ぞろい

\教えてくれるのは、この人/

美味しいものを求めて、広島じゅうを駆け回る毎日を送る、『TJ Hiroshima』編集長の阿南征士さん
阿南征士さん

阿南征士さん

『TJ Hiroshima』編集長

広島の復興を象徴する名店

広島焼は戦後の「一銭洋食」(溶いた小麦粉にキャベツなどを乗せて焼いたもの)から生まれたと言われています。原爆で壊滅的な被害を受けた広島で、アメリカ軍が配給する「メリケン粉」、近隣の軍港・呉(くれ)に残された「鉄板」、安価な「キャベツ」を持ち寄って屋台を営む人が現れました。それがどんどん増えて、のちに豚や中華麺も具材にするように。戦後、屋台の広島焼が人々の空腹を満たしたんです。

「みっちゃん総本店」の「そば肉玉子」(800円・税込)。いい具合に蒸しあがったキャベツや、適度に香ばしい麺の仕上がりは、これぞ広島焼のお手本。ソースは「オタフクソース」と共同開発したオリジナル

今でも繁華街だけでなく、住宅街の中にも多くのお好み焼き屋が点在。その数は広島市内で1000軒、県内で2000軒と言われています。これほどたくさんのお店が共存できるのは、広島焼がその成り立ちから「外で食べるもの」だから。家庭でホットプレートを使って作る人もいますが、蒸し焼きを身上とする広島焼は、やはりお店の大きな鉄板で焼いた方が美味しいです。

「みっちゃん総本店」は1950年に屋台で創業した店で、現在の広島焼の基礎を作ったと言われるお店。観光で広島に来て「定番を食べたい」という人にはオススメです。行列に並ぶ覚悟が必要ですが、大きな鉄板でどんどん広島焼が焼かれていく光景も、良い思い出になるのではないでしょうか。

みっちゃん総本店

住所:広島県広島市中区八丁堀6-7 チュリス八丁堀1F
アクセス:
八丁堀(広島県)駅出口から徒歩約3分
女学院前駅出口から徒歩約3分
胡町駅出口から徒歩約5分
電話番号:082-221-5438
営業時間:11:00~14:30(L.O.14:00)、17:30~21:30(L.O.21:00)
定休日:水曜日

※この情報は取材時の情報です。ご利用の際は事前にご確認ください。

ニューウェーブの“パリパリ系”

「花子」の国泰寺焼(720円・税込)。香味ラードの味わいが麺にしみている。「花子特製ニラギョーザ」(460円・税込)など、居酒屋使いに適したメニューも。東京の神田・飯田橋にも支店がある

一方で従来の広島焼にとらわれず、最近では若いオーナーが創意あふれるお好み焼きを提供しています。「花子」は、まず極細麺をダシで茹でほぐすところからして、ユニーク。これを秘伝の香味ラードで揚焼き、パリパリに仕上げて提供しています。お好み自体に味があるから、ソースなしでも食べられるんです。この「国泰寺焼」だけでなく、どのお好み焼きに関しても、素材の旨みを最大限に引き出して調理しています。アイデアだけでなく、丁寧な仕事ぶりも評価されていますね。

花子

住所:広島市中区国泰寺町1-3-14 OS2ビル 2・3F
アクセス:市役所前(広島県)駅出口から徒歩約3分
中電前駅出口から徒歩約3分
鷹野橋駅出口から徒歩約6分
電話番号:082-240-0875
営業時間:11:00~14:00 (L.O13:30) 、17:00~23:00(L.O22:30)
定休日:不定休

口コミ・写真など

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地元の人のみぞ知る“そぶり肉”の名店

「武酉(たけとり)」の「そばそぶり肉玉子」(780円・税込)。生地は山芋入りで厚め、もちもちした食感に。納豆(100円・税込)のトッピングが人気で、溶き卵に混ぜこんで、ふわふわに焼いてのせる

西区天満町という、まず観光客が立ち寄らない住宅街に隠れた名店があります。「武酉」最大の特徴は「そぶり肉」を使った広島焼があること。そぶり肉とは牛の骨の周りの肉で、赤身は歯ごたえがあり、脂はジューシー。近隣に食肉を扱う業者が多いため、希少部位が手に入るそうです。これが甘みをたたえたキャベツ、パリパリに仕上げられた麺やソースと合わさると、えも言われぬ重層的な味わい。広島市の繁華街から離れた立地ですが、足を運ぶ価値アリです。

武酉

住所:広島県広島市西区天満町6-12
アクセス:
観音町(広島県)駅出口から徒歩約1分
西観音町駅出口から徒歩約3分
天満町駅出口から徒歩約4分
電話番号:082-233-9363
営業時間:11:00〜15:00、17:00〜22:00
定休日:不定休

口コミ・写真など

※この情報は取材時の情報です。ご利用の際は事前にご確認ください。

関西お好みを広島焼きにアレンジ

「そば肉玉」(550円・税込)。おかみさんが大阪の学校食堂で働いていてこともあって、関西の混ぜ焼きスタイルを取り入れている

あとは個人的に思い出深い一軒があります。大学生の頃から、よく通っている「ひろしちゃん」。一見、定食屋の風情で、壁に貼られたメニューにも、うどん、ラーメン、丼などとあるんですが。なぜか各テーブルに鉄板があって、お好み焼きを出しています。
ここの「そば肉玉」は大阪焼のように具材を混ぜてから焼いて、最後に麺と合わせます。3倍量の生地を入れているからか、食感がとろとろふわふわで。僕が学生の時から人気があったけど、今でも行列必至の評判店です。

ひろしちゃん

住所:広島県広島市南区東本浦町18-13
アクセス:
JR向洋駅出口から徒歩約20分
電話番号:082-281-9612
営業時間:11:00~14:00(L.O)、17 :00~20:45(第4水曜は昼の営業のみ)
定休日:木曜、第3日曜

口コミ・写真など

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実は『TJ Hiroshima』では2015年1月号まで、久しくお好み焼の特集をやっていなかったんです。広島人にとって当たり前のもの過ぎて、新たな情報は求められていないと感じていたのが理由です。でも特集が発売されたら、意外なくらい反響がありました。

『TJ Hiroshima』にとって、それは「広島カープ」も同じことでした。タウン誌に野球の情報は求められていないと思い込んでいたのに、特集を組んでみたら、年で一番、人気の号となったからです。3月25日発売の4月号も「カープ特集」。広島だけでなく、東京にも購入できる書店があるので、ファンの方はぜひ手に取ってみてください。130ページの総力特集です。

『TJ Hiroshima』2017年4月号

『TJ Hiroshima』2017年4月号

特集「今年もカープがNO.1」

選手のインタビューや最新のマツダスタジアム情報など、2017年のカープの情報が満載。またカープを応援する人、支える人などカープ愛に溢れる人たちが多数登場します。カープ一色で贈る130ページの大特集。


同じ「お好み焼きの聖地」といえど、形や味わいが異なるだけではなかった。かたや大阪は「家派」。外では創作系のお好みが食べたい広島は「外食派」。しかし味の基本は外したくない

お好み文化の成り立ちの違いで、ローカルの楽しみ方も異なる。観光で両都市を訪れた際、府・県民性にも思いを馳せながらお好み焼きを食べれば、より一層、おいしい体験となるだろう。

取材・文/岡野孝次 

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Yahoo!ライフマガジン編集部

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