覚えておきたい「お好み焼き」の歴史と東京&大阪のおすすめ6店

特集

いますぐ食べに行きたい「お好み焼き」の銘店

2017/03/14

覚えておきたい「お好み焼き」の歴史と東京&大阪のおすすめ6店

「お好み焼き」と聞いて「粉もんは太る」とか「混ぜて焼くだけでしょ」と思う人もいるかもしれない。ところが、焼き方は千差万別、非常に繊細な作業で生み出され、しかも体にも理想的な料理だと語るのが日本コナモン協会会長の熊谷真菜さん。その歴史を紐とけば、お好み焼きの新たな魅力が見えてくる。

Yahoo!ライフマガジン編集部

Yahoo!ライフマガジン編集部

お好み焼きは歴史から理解するべし。ジャンクではない魅力を知ろう

\話してくれるのはこの人!/

熊谷真菜さん

熊谷真菜さん

日本コナモン協会会長

お好み焼きは、どうやって生まれた?

お好み焼き誕生の場所は?と聞かれて、大阪、もしくは広島と答える人が多いかもしれません。けれど本当のところは、諸説あって明確ではないんです。実は東京の“文字焼”が発祥という説も。江戸時代に鉄板の上で「いろは」などの文字を小麦粉で書いて焼いていたらしく、「もんじゃ焼き」の起源といわれています。

広島焼と大阪焼の違いって?

明治になると小麦粉、ソース、キャベツが日本の食文化に浸透。「洋食焼」が誕生します。溶いた小麦粉を鉄板で焼き、その上にキャベツをのせて生地をかけ、ひっくり返し、仕上げにソースを塗る。今の「広島焼」に代表される「重ね焼き」の始まりが洋食焼と言われています。

薄く引いた生地の上に、キャベツ、もやし、イカ天、豚バラ肉、そばなどを重ね、蒸し焼きにする広島焼。洋食焼がルーツといわれる(写真/富本淳司)

太平洋戦争後、広島の人たちは近隣の軍港・呉(くれ)や、造船業で栄えた尾道などに残された鉄板で、メリケン粉、安価なキャベツ、かさ増し食材の中華そばやうどんを重ねて焼いて、空腹を満たしました。

一方、戦前は高価だった小麦粉が食卓にも浸透し始め、関西では洋食焼から派生して、具を混ぜてから焼く「混ぜ焼き」のお好み焼きが誕生しました。広島焼が重なった具材の組み合わせをソースで味わうのに対し、大阪焼ではだしのきいた生地と具材の一体感を楽しむのが身上とされます。こうして日本を代表する、お好み焼きの二大勢力が出そろいました。

お好み焼きにご飯は合うのか?

よく同じような質問を受けますが、私はお好み焼きとご飯を合わせません。お好み焼きの味わいは、非常に繊細です。1枚を食べきると、場所によって食感も風味も異なることがよくわかります。それを堪能したいから、私はご飯と合わせませんが、スーパーの惣菜のお好み焼きとご飯を一緒に食べる、というようなご家庭はあると思います。

育ち盛りのお子さんにとって、お好み焼きのソース味は魅力的に映るかもしれません。実際に大阪府の調査でも、府民の実に25%以上が主食の重ね食べをしているという結果は出ています。

具を混ぜてから焼く大阪焼は、山芋の有無、生地の量によっても食感が変わる。基本はコテで押さえすぎないほうがふわふわ食感に仕上がるとされているが、焼き方はいろいろ

お好み焼きはヘルシーで繊細

お好み焼きは繊細で、また実はヘルシーな食べ物でもあります。一般的に広島でも大阪でも、1枚につき約50gの小麦粉に対して、実は約150g~200gのキャベツに、玉子、肉類などがほどよく入っています。

お好み焼きは「コナモン」のイメージから、太る食べ物だと思われがちですが、とっても栄養バランスのとれた食べ物なんです。私はめちゃくちゃ長生きして、それを証明せなあかんと、本気で考えています(笑)。

混ぜ焼きは、その名のとおり、混ぜ方で食感が変わる。うまく空気を含ませて、高熱の水蒸気で生地を膨らませることができる焼き手こそ名人、と熊谷さんは話す

それにお好み焼きは、ただ粉を混ぜて焼くだけではありません。むしろ焼き方次第で仕上がりは千差万別です。生地に素材を重ねて、蒸し焼きで素材の旨みを引き出す広島焼の方が、工程も多いため難しいと思われがちですが、具材を混ぜて焼く大阪焼も、ホンマにおいしく焼くには、かなり難易度が高いんです

私は毎週のように家で広島焼を作るほど、重ね焼きは大好きですが、今回は混ぜ焼きの奥深さを知ってほしいので、東京、大阪の混ぜ焼きのお店を紹介したいと思います。

お店紹介<東京編>

1.下北沢「なんばん亭」

四角生地のなかにうまみが凝縮

さらさらっと鉄板に広がる白い生地。その後、店員さんが盛り付けるカラフルな具材に見とれていたら“風呂敷”は丁寧にたたまれ、具材は四角の中に収まります。包んで蒸し焼きの状態にすることで、旨味と香りが逃げません。その外見の折り目正しさ、礼儀の良さに、焼きあがるのを待つ間、こちらも正座(笑)。包みを開かずに、ヘラでしっかり切り分けるときのドキドキも楽しいんです。

「ミックス」(972円・税込)。エビ、イカなどの具材も大振りだ

なんばん亭

住所:東京都世田谷区北沢2-12-3 石川ビル 2F
アクセス:下北沢駅南口出口から徒歩約1分
池ノ上駅出口から徒歩約6分
新代田駅出口から徒歩約10分
電話番号:03-3419-6938
営業時間:
平日 17:00~23:00(LO.22:30)
土曜・日曜・祝日11:30~14:00(LO.13:30)、17:00~23:00(LO.22:30)
定休日:無休

口コミ・写真など

※この情報は取材時の情報です。ご利用の際は事前にご確認ください。

2.丸の内「めっせ熊 東京店」

関西伝統の味がつまった1枚

オーソドックスな混ぜ焼きに、たっぷりの青ネギと、牛スジとコンニャクを煮込んだスジコン。昔から牛好き関西人の庶民の味だった甘辛く煮込んだスジは現代でも人気の一品ですが、青ネギと出会うことで、味、香り、食感の三拍子がそろい、“ネギおこ”に進化します。食感は残したまま、鉄板の余熱で辛味がマイルドになった青ネギもまた、関西人のソウルフード。単なるヘルシーブームとは、ちゃいまんねん、関西伝統の味が堪能できる一枚です。

「ネギおこ」(1000円・税込)。スジコンに青ネギが加わることで、風味が増す。玉子のトロトロ感もたまらない

めっせ熊 東京店

住所:東京都千代田区丸の内1-11-1 PCP丸の内B1
アクセス:
東京駅京葉線1(北側)出口から徒歩約0分
東京駅八重洲南口出口から徒歩約4分
京橋(東京都)駅5出口から徒歩約4分(道案内)
電話番号:03-3201-9056
営業時間:11:00〜23:00(土曜・日曜・祝日は〜21:00)
定休日:無休

口コミ・写真など

※この情報は取材時の情報です。ご利用の際は事前にご確認ください。

3.綱島「なでしこ」

シンプルだからこそ、美味しい

大阪の昔ながらの定番お好みをよく知る店主だけに、今ではめずらしくなったシンプルな混ぜ焼きにも新鮮なものを感じます。生地をまとったキャベツも、ふんわりサックリ。ふわサク食感は、色も鮮やかな明太子マヨとの相性もいいんです。焼けるのを待つあいだに、薄焼きタイプのイカヤキ、ポテチ焼きもぜひ、ご堪能あれ。

イカマヨ明太(950円・税別)。明太子の赤色が鮮やかだ

なでしこ

神奈川県横浜市港北区樽町2-2-21 片岡ビル1F
アクセス:
綱島駅東口出口から徒歩約8分
電話番号:045-547-1380
営業時間:11:30~15:00、17:00~22:00(L.O.21:30)
定休日:水曜日

口コミ・写真など

※この情報は取材時の情報です。ご利用の際は事前にご確認ください。

お店紹介<大阪編>

4.難波「おかる」

食感のコントラスト際立つ

徹底的に生地を押さえて焼くタイプは大阪では珍しいのですが、私の中ではこれぞ、ザ・浪速の混ぜ焼き。生地と具材の旨味の一体感を味わえることが、大阪焼の醍醐味だからです。生地の中心を抑えるので、縁の部分はふわっと。部位によって微妙に異なる食感が、口の中でほぐれる至福の一枚です。

「肉玉」(800円・税込)。おかみさんはコテが曲がるくらい、力を込めて生地を押さえるが、これが独特の食感を生む。まさしく熟練の技だ
おかみさんのマヨネーズアートも面白い。描いてくれたのは、通天閣だ

おかる

住所:大阪府大阪市中央区千日前1-9-19
アクセス:近鉄日本橋駅B24出口から徒歩約0分
大阪難波駅15-A出口から徒歩約3分
日本橋(大阪府)駅2(日本橋駅)出口から徒歩約3分
電話番号:06-6211-0985
営業時間:12:00~15:00(L.O.14:30) 17:00~23:00 (LO.22:00)
定休日:木曜日

口コミ・写真など

※この情報は取材時の情報です。ご利用の際は事前にご確認ください。

5.難波「美津の(みづの)」

やわらか生地にうまみがにじむ

大阪のお好み焼きのええところを創作、進化させた老舗のひとつです。何気ない手さばきのなかから生まれる、限りなく柔らかい生地。ここに具材の旨味がにじむのがええんです。メニューごとにソースやマヨネーズの添え方が異なり、女将もスタッフも「道頓堀のコンシェルジュ」の名に恥じないおもてなしで迎えてくれます。

「モダン焼き」(1135円・税込 ※具材によって価格が異なる)。混ぜ焼きにそばやうどんがトッピングされたモダン焼きは、広島焼とは異なる、関西独特の一枚だ

美津の

住所:大阪府大阪市中央区道頓堀1-4-15
アクセス:
近鉄日本橋駅minamiOSプラザ口出口から徒歩約1分
なんば駅14出口から徒歩約3分
大阪難波駅15-A出口から徒歩約4分
電話番号:06-6212-6360
営業時間:11:00~22:00(LO.21:00)
定休日:無休

口コミ・写真など

※この情報は取材時の情報です。ご利用の際は事前にご確認ください。

6.難波「福太郎」

オンリーワンの生地の魅力

厳密には混ぜ焼きではないんです。けれど、重ね焼きでもない。ある種オンリーワンの焼き方。ゆるゆるの生地を、何度も何度もこまめに具材にかけていくことで、食感がとろとろの一枚が形成されます。創業20年、貪欲に自分の好きな味を追求した店主の探求が結実しているのも、職人気質が感じられてええんですわ。

「すじねぎ焼き」(1080円・税込)。東京スカイツリーの商業施設「ソラマチ」にも支店がある

福太郎

住所:大阪府大阪市中央区千日前2-3-17
アクセス:近鉄日本橋駅B25出口から徒歩約2分
日本橋(大阪府)駅5(日本橋駅)出口から徒歩約3分
難波駅1階北出口(南海市バス・タクシー方面)出口から徒歩約4分
電話番号:06-6634-2951
営業時間
平日:17:00~24:30(LO.23:30)
土曜・日曜・祝日:12:00~24:00(LO.23:00)
定休日:無休

口コミ・写真など

※この情報は取材時の情報です。ご利用の際は事前にご確認ください。

大阪焼は、生地にだしが効いているのが特徴。たこ焼きもそうですが、まずはソースなしで、生地のうまみを確認する。そのあと、今度は、ソースをたっぷりかけて変化を楽しむ、これが味に貪欲な大阪人のスタイルなのかもしれません。

ヘラ、テコ、コテ、返し……いろんな言い方がありますが、できれば、お箸を使わないで、アツアツを上手にほおばってください。そうそう、大阪の混ぜ焼きを極めることで、広島の重ね焼きのよさを新発見できるはずですよ。

熊谷さんが会長を務める「日本コナモン協会」が事務局を担う「第1回 ツッコミたくなる! たこLOVEコピーコンテスト」の告知ポスター。現在応募受付中だ

聞き書き/岡野孝次 写真提供/熊谷真菜

\合わせて読みたい/

この記事を書いたライター情報

Yahoo!ライフマガジン編集部

Yahoo!ライフマガジン編集部

グルメ、おでかけ、イベントなど、ライフスタイルを豊かにする情報を編集部が厳選して紹介します。

RECOMMEND

SPECIAL

SERIES