あそびにきねや!JA福井県農産物直売所 喜ね舎愛菜館
2020/10/23
JA福井県農産物直売所 喜ね舎(きねや)愛菜館。JA福井県福井市管内の農業生産者が自慢の農作物を出荷している。平成13年、生産者の声を取り入れて、福井市東部地区に活気あふれる直売所が誕生した。
中広
地元の農業生産者を支え消費者の安心安全を守る
JA福井県農産物直売所 喜ね舎愛菜館には、福井市内を中心とした旬の農産物や伝統野菜、花、地域のお米などが並ぶ。一日に約250の農家が出荷しており、100袋ほどを出荷する大規模農家もいれば、家庭で育てた少量の野菜や果物を持ち込む人もいるという。
「喜ね舎ができるまで、多くの高齢の方は家でつくった野菜を近所に配ったり、余り物を捨てたりしていました。それらを出荷できるようにした結果、食品ロスの削減につながったのです。そして、自分で稼げるという自信は、生きがいにもなるのです」と、JA福井県園芸特産部 園芸販売課の早川勝喜(かつき)さんは話す。
食品の安全に対する意識が高まっている昨今、消費者に安全な農作物を提供するため、JA福井県は直売所に出荷している農業生産者の栽培管理をしている。「昨今の食品に対する消費者の安全意識への高まりもあり、より一層安全な食品が求められています。JAでは、どうやってつくっているのか、どんな農薬を使っているのかなど、生産工程を確認し、100%管理しているのです」と、早川さん。農業生産者に対し、栽培技術や販売に関する指導や、食品の安全確保に関する講習会を行い、生産者の所得向上、食品安全などを確保できるようサポートしている。
地元の食材を使ってオリジナルの商品を提供
喜ね舎では、地産地消を促し、利用者ができたての料理を食べられるように、出荷法人に加工品の製造を委託している。出荷法人とは、喜ね舎の農作物を加工し、販売する法人企業だ。現在、森國牧場の手作りジェラート「TORINO(トリノ)」、そば処「臥竜寿縁(がりゅうじゅえん)」、レストラン「Veg・terrace(ベジテラス)」が、喜ね舎の新鮮な野菜や果物を使用した料理を提供している。
喜ね舎の所長 前田秋二(しゅうじ)さんは、「出荷法人の方々のおかげで、若い世代の利用者が多くなりました。喜ね舎は、主婦層が買い物をするだけでの場所ではなく、幅広い世代が楽しめる場所なのです」と話す。そのほか、総菜コーナーでは地元野菜を使った加工品を製造する企業組合ファーム「まぁま喜ね舎」の和惣菜や、「肉のカワグチ」のコロッケやハンバーグなど、子どもから大人まで楽しめる商品を販売している。
JA福井県が企画開発した自社商品もあり、地元のトマトをベースにしたカレーや、JA福井県女性部福井支部の野菜づくりグループGINGER Girls(ジンジャーガールズ)がつくったジンジャーエールや生姜あられなど、そのラインナップも豊富だ。
イベントスペースでは、JAによる企画や新商品の販売会を開催しており、毎週金曜には、越前町や越廼(こしの)で捕れた新鮮な魚介類を販売している。前田さんは、「お客様にとって目新しいものを販売するよう心がけています。『喜ね舎に行けばなにか発見できる』と思っていただきたい。ほかにない、喜ね舎独自のものをお届けしたいです」と話す。
新型コロナウイルス感染症の影響で、毎年開催していた秋のイベントは中止となったが、8月31日〜11月1日にかけては、JA福井県の直売所で景品が当たる抽選会を行う。JAグループが定めた10月2日「直売所の日」には、JA直売所で企画販売を開催予定だ。
農業生産者をサポートし、消費者に驚きを提供しようと心がけているJA福井県農産物直売所 喜ね舎愛菜館。農業生産者と消費者をつなぐ場として、多くの人から愛されている。今後も新鮮な農作物や加工品を提供し、地産地消で地元を活性化させてくれるだろう。