竹網カゴで煮込んだ大ぶりアナゴがたっぷり千葉の「はかりめ丼」

特集

全国ご当地グルメ(千葉県編)

2016/05/01

竹網カゴで煮込んだ大ぶりアナゴがたっぷり千葉の「はかりめ丼」

もうすぐ40周年を迎える寿司店「いそね」は、地域コミュニティと強い絆を育ててきた店。名物「はかりめ丼」を生みだしたのも、このエリアにたくさんの人を呼び寄せたいと思ったからだとか。なるほど、この丼を味わうためだけに富津市を訪れてもいい! そう思わせる逸品だ。

Yahoo!ライフマガジン編集部

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手間ひまをかけて調理された、大ぶりのアナゴを堪能する

千葉県富津市にある寿司店「いそね」ではこの10年、アナゴがたっぷりのった「はかりめ丼」が特に評判だ。アナゴ丼は漁師町でよく食べられる定番の郷土料理だが、この丼はちょっと違う。驚くのが、アナゴの身の大きさだ。

たっぷりとのせられたアナゴは、上品な甘味の身とコクのあるタレが絡み絶品。※現在は茶わん蒸しをプラスした「はかりめ丼セット(1620円)」として提供中

通常のアナゴ丼に使われるのは「メソ」と呼ばれる小さなもの。これなら15分程度で火が通るし、崩れにくく扱いもラクだ。しかし「いそね」が使うのは、海の中で長い時間をかけて育った大ぶりのアナゴ

たっぷりと脂がのった大アナゴは、食べ応えもあり味もまろやかだ。しかし、火を通すのに時間がかかるわりに煮崩れしやすい、と調理人泣かせなのだ。そこを「いそね」では、竹編みのカゴにのせて40分間煮込むのだ。

煮崩れしないようにと考案された、いそねオリジナルの竹カゴ。煮アナゴの香りが食欲を刺激する

長時間煮てもアナゴを崩さないようにするには、と初代が考案した調理法だ。時間も手間も倍だが、価格はなるべく抑えている

「創業者である父は『価格をなるべく安くしてたくさん食べてもらおう』と言っているので、私もその気持ちに添いたいんです」と2代目の丸翔太さん。これだけ豪華なはかりめ丼が低価格なのはそういう理由だ。

ほかの店では真似できない40年つぎ足された奥深いタレ

はかりめ丼は10周年だが、煮アナゴ自体は創業からその味は変わっていない。タレも40年継ぎ足しながら使っている

「40年の間に、脂ののったアナゴがたくさんこのタレをくぐってきました。奥深いコクは年月が作ったものなんです。これだけは、どこの店にもまねできません」。長年アナゴと向き合ってきたこの店ならではの言葉だ。

1階はカウンターとテーブル席。3階には海と富士山が一望できる絶景の宴会場もある

「いそね」は現在、地域の障害者施設にカウンターを1日開放するという活動を行っている。障害を持っている方たちやその家族の中には、「周りに迷惑をかけてしまいそう」と寿司店を敬遠する人が多いのだとか。

「休む間もなく働いていた修業時代、職人として自信を失っていました。そんな時、父の開催した寿司イベントに来た人たちの喜ぶ姿を見て『素晴らしい仕事をしているんだ』と自分を取り戻したんです。だから私自身も、こうした活動を始めました。皆さんにお寿司を楽しんでいただくことで、私も元気をもらっています」と丸さんはうれしそうに語る。

寿司はかしこまって食べるものではなく、好きなように食べて楽しむもの、というのが「いそね」の変わらない思いだ。

※掲載の内容は2016年5月時点の情報に基づきます。
※2019年5月に店舗(住所、電話番号、営業時間など)、メニュー、料金などの一部情報を更新しました。

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