千葉で100年以上続く老舗の「今川焼」独自製法でぽってり厚形

特集

全国ご当地グルメ(千葉県編)

2016/05/17

千葉で100年以上続く老舗の「今川焼」独自製法でぽってり厚形

飯沼観音圓福寺五重塔がそびえるエリアにある「さのや 今川焼店」は、その歴史なんと100年という老舗。丸っこい個性的な形の今川焼が評判で、ひっきりなしに客が訪れている。その長い歴史から、おいしさの秘密をひもといてみよう。

Yahoo!ライフマガジン編集部

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薄皮にあんがギッシリ! 創業からずっと変わらない味

千葉県銚子市にある「さのや 今川焼店」は、1907(明治40)年創業。2017年で110周年を迎えた老舗だ。現在の代表は4代目となる佐野哲郎さん。

「今川焼」(1個140円)。黒あんは小豆、白あんは白インゲン。少し入った塩が甘味を引き立てている

「さのや 今川焼店」の「今川焼」は、その形が独特だ。それは、ほかの店と道具も焼き方も違うからだ。一般的な今川焼は、対になった鉄板に水で溶いた粉を敷き、片方にあんをのせて、はさむように鉄板を閉じる。しかし、「さのや 今川焼店」の銅板は、片側のみだ。

「丸くくぼんだ鉄板に粉液を流し込み、たっぷりのあんを入れ、そのあんの上からさらに液を流しかけます。下側が焼けてきたらタコ焼きのようにひっくり返し、裏側を焼く。この製法なら、薄皮で中にあんがギッシリ詰まった『さのや』独自の今川焼ができあがります」と佐野さん。

店内で焼きたての今川焼が食べられる。あんの量り売り(100g140円)や、ところてん(230円)もおすすめ

この鉄板は、100年前には一般的だったようだが、現在はほとんど見られなくなった。「現在主流の鉄板に比べて、あんの使用量が多くなるので、敬遠されるのかもしれませんね。でもうちはたっぷり食べてほしいので、この形で作り続けています」。

丸一日かけて仕込むあんは、漁師町ならではの隠し味が

あんは黒と白の2種類。豆を4~5時間炊いて、一晩かけて冷まし味をなじませる。仕込みだけで1日がかりだ。この自家製あんには、漁師町ならではのおいしさの秘密がある。それは、塩分。

「漁師の皆さんは仕事がハードですごく汗をかくんです。だから隠し味に塩を少し入れてあります」。そのちょっと足された塩味は、あんの甘味を引き立てる大事な隠し味となっている。

海で働く人たちからの注文は多く、何十個もまとめて予約されることもある。船上のエネルギー補給として、あるいは帰港してから疲れを取るために、この町の漁師はさのやの今川焼をほおばるのだ。

飯沼観音圓福寺五重塔を臨む情緒ある町の一角

もちろん漁師だけではなく、町の人々からも人気だ。朝から何十個と買い求める客があとをたたず、夕方までの営業で1000個は売れるという。

「お子さまからご年配の方まで、どなたでも食べていただける味です。おみやげにもオススメですよ」と佐野さん。100年もの間、町の人に愛されてきた今川焼は、これから先も同じ味と形で作り続けられるだろう。

※掲載の内容は2016年5月時点の情報に基づきます。
※2019年5月に店舗(住所、電話番号、営業時間など)、メニュー、料金などの一部情報を更新しました。

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