美しい瓶が壁にぎっしりと並ぶはちみつ専門店。敷居が高そうな雰囲気ですが、実はほとんどの店で試食ができて、初心者でも自分の好みのはちみつを探すことができるんです。自分史上最高の一瓶を求めて、はちみつを愛するライターが都内で人気のはちみつ専門店3店を巡ります。
Yahoo!ライフマガジン編集部
今回ご紹介する3店舗はこちら!
1.『レザベイユ 南青山店』
2.『ラベイユ 荻窪本店』
3.『ピービーズ 神楽坂店』
パリの高品質はちみつ専門店「Les Abeilles」の日本唯一の直輸入代理店「レザベイユ 南青山店」、世界10カ国80種類のはちみつを揃える「ラベイユ 荻窪本店」、ニュージーランドのはちみつを揃える「ピービーズ 神楽坂店」をめぐります。
1.『レザベイユ 南青山店』
パリの高品質はちみつ専門店
まず訪れたのは表参道の「レザベイユ」。パリ13区にある高品質はちみつ専門店の商品を日本で唯一扱う直輸入代理店で、2013年にオープンしました。赤レンガといい、店の前にそびえたつ大木と言いここだけ日本とは思えない空気が流れています。
落ち着いた照明とセンス溢れる内観も本当に日本じゃないみたい……。
ずらっと並んだはちみつの瓶にすこし圧倒されますが、ここでひるんでいる場合ではありません。レザベイユ・ジャポン代表取締役の山崎泉さんにお話を伺います。
- ライター伊藤
- ライター伊藤
- こちらはすべてフランスのはちみつを扱ってらっしゃるんですよね?
- 山崎さん
- 山崎さん
- そうです。パリ13区にある「Les Abeilles」で販売されている、トップパティシエ達がつかうような高品質なはちみつを販売しています。日本では最初、プロ向けの卸販売だけを行っていて、辻口シェフなど多くの一流パティシエに認められるようになり2013年に表参道に店舗をオープンしました。
- ライター伊藤
- ライター伊藤
- なるほど。フランスのはちみつの特徴ってどんなところでしょう?
- 山崎さん
- 山崎さん
- 日本って精製されたものも、天然のままでも、はちみつと呼びますけど、フランスでは「miel(=はちみつ)」という単語にあたるものは、ミツバチが作ったままの天然のものだけを指すんです。このことはフランスがはちみつに対してとても高い意識を持っていることがわかります。フランスでは添加物の入ったはちみつははちみつとは呼べないんです。だから、季節や年によって、はちみつもはちみつをつかったお菓子も、色も結構変わってくるものもあるんですよね。
- ライター伊藤
- ライター伊藤
- お菓子とかも色がかわってくるんですね。
- 山崎さん
- 山崎さん
- 日本にいるといつも同じ色が当たり前になっちゃうんですけど、自然のものなので、よく考えたら色が変わるって普通のことですよね。
フランスのはちみつを試食!
- ライター伊藤
- ライター伊藤
- たくさんありすぎてまず何から試したらいいんでしょう……。
- 山崎さん
- 山崎さん
- プレーンなもの、少し特徴のあるもの、強い特徴があるものなどお好みを伺います。意外とお客様が頭で考えてらっしゃるものと実際に求めている味が違ったりすることがよくあるので、お話しながらいろいろ試してもらって、お気に入りの1瓶をご購入いただければ。
- ライター伊藤
- ライター伊藤
- わ、ちょっとアーモンドの香りします! これ好きです!
- 山崎さん
- 山崎さん
- 結構ちがいますよね。ぜひいろいろ試してみてください。
他にもいろいろ試させてもらった結果、やっぱり私はアーモンドが一番すきでした。アーモンドのはちみつなんて今まで聞いたこともなかったのに……。うれしい出会いでした。
2.『ラベイユ 荻窪本店』
長く愛されているはちみつ専門店
次にやってきたのは1950年代の愛媛での養蜂から始まり、1969年に荻窪に自然食品店をオープン。2001年にはちみつ専門店としてオープンし、2010年に現在の場所に移動……という長い歴史をもつはちみつ専門店ラベイユ。
営業部の光益秀輝さんにお話を伺います。
- ライター伊藤
- ライター伊藤
- 世界中のはちみつが集まっているんですね。
- 光益さん
- 光益さん
- 代表が世界の養蜂家と直接会って、話をして取引先を決めているんです。必ず向こうで一緒に過ごしてみて、はちみつの思いも確認しながら。うちで販売しているはちみつの瓶の後ろには養蜂家さんの名前が書いてあるんですよ。
- ライター伊藤
- ライター伊藤
- 見ていて思ったのですが、同じアカシアでも、国によって違うものがあるんですね?
- 光益さん
- 光益さん
- そうなんです。やっぱり、土地によって味が全然ちがいますので。ぜひ試食で試してみてください。
それでは試食タイム!
専門の店舗スタッフが相談にのってくださいます。
- スタッフさん
- スタッフさん
- お好みのお味とかはございますか?
- ライター伊藤
- ライター伊藤
- いや、ちょっとまだ初心者でして…すみません。
- スタッフさん
- スタッフさん
- 全然大丈夫ですよ。はちみつは普段どのように食べることが多いでしょうか?
- ライター伊藤
- ライター伊藤
- パンに合わせたりとか
- スタッフさん
- スタッフさん
- わかりました。ではまずクローバーをどうぞ。
今回一番驚いたのはコーヒーのはちみつ。コーヒーの苦味を想像して食べたらびっくり、プルーンのようなジューシーさ! コーヒーに合わせるのもおすすめとのこと。楽しい驚きが多い分、たくさん悩みに悩んでしまうはちみつ専門店さんでした。
3.『ピービーズ 神楽坂店』
ニュージーランドの生はちみつに衝撃!
最後に訪れたのはニュージーランド生はちみつ専門店。近年、非常に抗菌力の高いマヌカハニーの流行もあり、注目されているニュージーランドのはちみつですが、ピービーズはニュージーランドに自社の巣箱を持っているほどのこだわりっぷり。
ピービーズ代表の嶋村賢次さんにお話を伺います。
- ライター伊藤
- ライター伊藤
- ニュージーランドって最近マヌカハニーで有名ですよね!
- 嶋村さん
- 嶋村さん
- 最近はそうですね。もともとニュージーランド人ってすごいよくはちみつを食べるんです。日本人が1年に食べるはちみつの量は200~300グラムと言われていますが、ニュージーランドはその約7倍の2キログラムとも言われています。
ニュージーランドの生はちみつを初体験!
- ライター伊藤
- ライター伊藤
- いただきまーす。あれ、なんかすごい! 香りがすごいいいですね。
- 嶋村さん
- 嶋村さん
- 日本ではなかなかない味ですよね。海外の方だと「これがほしかった」みたいなかんじで1度に10瓶買っていかれる方もいらっしゃいますよ。
- ライター伊藤
- ライター伊藤
- 確かに出会ったことのない味なんですが、1回ハマると抜け出せないタイプの味ですよね……衝撃でした。
- 嶋村さん
- 嶋村さん
- あとはよかったらこれも試してみてください
- ライター伊藤
- ライター伊藤
- え、これこのまま食べれるんですか?
- 嶋村さん
- 嶋村さん
- はい。巣ごとどうぞ。
- ライター伊藤
- ライター伊藤
- すごい……! フレッシュな味わいがします。
- 嶋村さん
- 嶋村さん
- 僕も驚きなんですけど、ご年配の方の中に「昔のはちみつの味がする」って言う方がいらっしゃるんですよね。昔はやっぱり養蜂がもっと身近だったので、新鮮なはちみつを食べていたのかもしれませんね。蝋の部分はバター代わりになりますので、バターなしでハニートーストになりますよ。本当においしく、エネルギーも摂取できます。
秋田のジャージー牛乳とマヌカハニーの深い甘さと香りが素晴らしくマッチしていました。ピービーズに起こしの際はぜひスウィーツもお求め下さい!
3店舗とも初心者に優しく親身にお話を聞いてくれた今回のはちみつ専門店巡り。びっくりするようなはちみつといくつ出会えたか数え切れません。買えなかったはちみつも次回の楽しみになるし、試食しないで買うなんてもったいないと思うようになりました。じっくり吟味して満足の1瓶を探し当ててくださいね。
取材・文・写真/伊藤このみ