ロケ地探訪 年間ロケ数30回の居酒屋「酔の助」

特集

映画好きなら一度は行きたいスポット

2017/06/03

ロケ地探訪 年間ロケ数30回の居酒屋「酔の助」

映画ファンなら訪れてみたいのが映画のロケ地。もっとも、多くの作品ではロケ地は公表されないし、見たことがあるような場所でも実は撮影所内に作られたセットだったり、背景全てがCGであることも。そんな中、近年の日本映画で頻繁にロケに使われて、なおかつ誰もが訪れることのできる店があった!

Yahoo!ライフマガジン編集部

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隠れロケ地として30年以上の歴史あり

酔の助神保町本店店長の一山文明さん

そのお店は古書の町、東京・神保町にある居酒屋「酔の助」さん。壁一面に手書きメニューがびっしり貼られた、典型的な大衆居酒屋だ。店長の一山文明さんに話を伺った。

ライフマガジン編集部
ライフマガジン編集部
こちらの店が、ロケ地として利用されるようになったのはいつ頃からなんでしょうか。
一山さん
一山さん
最初は30年以上前、ワイドショーの再現フィルムの撮影で使われたのが最初かな。僕は、当時は「酔の助」の飯田橋店(現在は閉店)で働いていたので、現場に立ち会うようになったのはもう少し後、テレビ東京の2時間ドラマから。といっても、その頃は年に一回あるかないかだったけどね。
ライフマガジン編集部
ライフマガジン編集部
それが今では……。
一山さん
一山さん
VシネマやCMのロケも入るようになって、今では年間30回ぐらい。平均すると月に2〜3回だけど、立て込むときは2週間で5回なんてこともありました。本業は居酒屋なのに、何をやってるんだろうね(笑)。
ライフマガジン編集部
ライフマガジン編集部
ロケが増えるきっかけになった作品はなんだったんですか?
一山さん
一山さん
ドラマでは篠原涼子主演の『働くゴン!』(2009)、映画だと『舟を編む』(2013)ですね。
『舟を編む』を紹介した当時の新聞記事が壁に貼られている

『舟を編む』は、映画版はもちろんのこと、三浦しをんの原作小説もベストセラーになった、辞書を作る人々の長年に渡る奮闘を静かなタッチで描いた作品。主演の松田龍平を筆頭に、オダギリジョー、小林薫、加藤剛、伊佐山ひろ子、黒木華といった辞書編纂室メンバーの飲み会シーンが、ここ酔の助さんで撮影されている。

店長本人が出演している作品も

以降、これらの作品に参加したスタッフがそれぞれ別の作品でも酔の助さんにオファーするようになり、『ばしゃ馬さんとビッグマウス』(2013)、『ヒメアノ〜ル』(2015)他多数の作品で酔の助さんが登場。

テレビドラマでも、最近ではあの大ヒット作『逃げるは恥だが役に立つ』(2016)での居酒屋シーンが印象に残っている方も多いだろう。星野源たちが飲んでいたシーンはこちらの店のテーブル席、石田ゆり子たちが飲んでいたシーンは同店の座敷席で撮影されている。

店内奥の座敷席。ドラマ『逃げ恥』で石田ゆり子一行が座っていたのは写真左の壁側あたり
ライフマガジン編集部
ライフマガジン編集部
ロケが行われるのは営業時間外ですよね?
一山さん
一山さん
そうですね。やはり営業中は難しいので、たいていはオープン前。早いときは朝6時からということもあります。閉店後に撮影のときも何度かあったけど、終了が30時=朝6時なんてこともあって、これはきついからやめてほしいよね。店長として現場に居合わせるけど、撮影スタッフが寝てたりしてね。
店内の通路には所狭しと”酔の助出演作品”のポスターが貼られている

また、ときには一山さん自身が劇中に出演していることもあるという。

一山さん
一山さん
ちょこちょこ出てるんですよ。完成品ではほとんどカットされちゃってるけど。確実に出てると言えるのは『スキマスキ』(2015)。カウンター内で店のスタッフという形で映ってます。WOWOWの『ネオ・ウルトラQ』第9話(2013)では台詞もありました。でも僕が登場する場面で停電になるって展開で、顔ほとんど映ってねえじゃねえかって。

ちなみに作品を観ながら酔の助さんだと判断できる最も確実なポイントは、壁一面の手書きメニュー、中でもここにしかない「ガンダーラ古代岩塩のピザ」だ。

びっしり貼られたメニューの中でも、ひときわ目につく「ガンダーラ古代岩塩のピザ」。画面にこの名が映っている作品なら、酔の助さんでのロケと見て間違いない
一山さん
一山さん
『舟を編む』では監督が「ガンダーラ古代岩塩のピザ」のメニューが目立つように撮ったんで、映画を観に行ったうちの常連さんが「酔の助だ!」ってびっくりして、その後の台詞が頭に入ってこなかったって言われました。
「ガンダーラ古代岩塩のピザ」がこちら。余計なトッピングなしのシンプルなチーズピザだが、この手軽さが美味い! しかも480円と安い!
一山さん
一山さん
あとは若鶏の北京ダック風、和風ガーリックポテト、明太焼きあたりが人気ですね。メニューは一度貼りだしたらそのまんま、値上げもしません。今はチーズが値上がりしちゃったから、ほとんどチーズだけで作ってるガンダーラピザなんて結構な打撃なんだけど、客単価を基本的に一人3000円以下にしたいんですよ。安いと嬉しいでしょ。神保町は学生も多いし。

といっても、メニューがびっしり貼ってあるのは、すぐ近くの某大学の学生が酔って壁に穴を空けちゃったのを隠すためなんだけどね。
和風ガーリックポテト。香ばしい味に、思わずビールが進む
若鶏の北京ダック風。鶏の唐揚げなのでリーズナブルながら味はちゃんと北京ダック!

ということで、映画ファンにしてリーズナブルに飲みたい方は、神保町の酔の助さんがオススメ! 日本映画の新作を観る際は、今後は居酒屋シーンにも注目だ!

午後4時から営業中。取材時は平日にもかかわらず開店1時間前後で満席だったので予約推奨

酔の助神保町本店

住所:東京都千代田区神田神保町1-16-4
アクセス:都営地下鉄神保町駅[A5]から徒歩約2分
電話:03-3295-9530
営業時間:月~土 16:00~23:30(L.O23:00)
     日・祝日 16:00~23:00(L.O22:30)
定休日:無休

口コミ・写真など

※この情報は取材時の情報です。ご利用の際は事前にご確認ください。

取材・文・写真/田中元

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