世界最大級の〇〇が生まれるここ。ブリヂストン工場に潜入取材!
2020/12/23
下関には、こんな光景が見れるんです。そう、巨大タイヤの運搬。作っているのはブリヂストン。潜入取材してまいりました!
かんもんノート
「国道9号線」の魅力に気づいてしまった。
突然ですが下関市民の皆さん、(・・・そうでない方も!笑)
「国道沿い」の景観を、改めて意識したことはありますか?
今回初めて知ったのですが、国道9号線はなんとあの京都の五条交差点から下関市までを繋ぐ(!)、全国でも3位の長さを誇る国道なんです。
中国地方は山陰を、大きくゆるーくカーブして下関に終着するんですね。
東京から移住して早3ヶ月。
縁あって私は、この国道9号線の下関駅〜唐戸を超え、国道2号線へと繋がるまで(広島方面)バスで海沿いを毎日行き来しているのですが、
唐戸エリアから乗車して約20分程の「長府(ちょうふ)」と呼ばれるエリアで驚きの光景を見つけたのです。
ちょうど下関ボートレース場周辺の一区間。(厳密には、このエリアは国道2号線になります)その姿に釘付けなのです!
それが、こちら。
本屋さんにワークマン・・・よくある産業道路かぁ、ではないんですよ!
青白色のトラックにご注目。
よーく見ると建物とのバランスが、おかしいと思いませんか?(笑)
積荷が建物の2階部分にまで及ぶ大きさなんです。
ものすごく、大きい・・・。巨大なタイヤがさらっと通過していく・・・。
こんな脳内混乱を起こす光景が、日常にあるんです!
今回はそんな壮大な陸路「国道9号」のうち、魅力の一つ「ブリヂストン」を
ご紹介しましょう!
憧れの「ブリヂストン下関工場」に潜入
先述の、衝撃的な巨大タイヤとの遭遇。
それとは違う、周囲の下関に住む友人たちの反応。
「そんなに凄い?いつもの事だから麻痺しちゃってるかな・・・」
なんて言う、下関に長く住むの皆様との反応のギャップ。
その狭間でわたしは俄然に、興味が湧いておりました!
「工場見学など開催していないか?」という下関工場への問い合わせから、あれよあれよと本社広報へ繋がり・・・本社・工場一丸のご好意で、
この「かんもんノート」取材としてオトナの社会科見学・・という名の潜入が叶いました。
(※普段は、個人向けの工場見学は行っていません、すみません!)
下関の名所は、海と、山と、赤間神宮。それに巨大タイヤと・・・。
となることを目指して、圧巻のメガタイヤに最接近!
レア、かつ必見です!
そもそも株式会社ブリヂストンについて
ブリヂストンって、ブリ「ジ」ストンじゃなくって、
ブリ「ヂ」ストンなんですよね。
これはご存知の方も多いと思いますが、1931年(昭和6年)当時の創業者が「石橋正二郎」さんだから。
「石」「橋」=「ストーン」+「ブリッヂ」。
ふふふ・・・こういうの私、大好きなんです。
「ベルツリーハイツ」などを見かけると、きっと大家さんが鈴木さんなんだろうな・・・
なんて想いを馳せたり。
さて真面目な話、ブリヂストンは東京は銀座にほど近い、京橋に本社を置き、メインの公道用タイヤでは圧倒のガリバー的存在。そして、世界でも常にシェア上位ですよね。
私たちに身近なタイヤだけでなく、道なき道での特殊走行(何ともかっこいい!)を想定した「オフロードタイヤ」で、世界で幅広いシェアを誇ります!
世界トップクラス、かつ日本発の企業。その工場の一つがここ下関にある!というだけでも凄いことなのでは・・・と冒頭で圧倒されました。
今回は、お取引先向けの資料をもとに、担当の冨賀義博(とみがよしひろ)さんが、案内してくださいました。
皆さんの中にも、近所の公園に大きいタイヤが飾ってあるよ、と
すでに「世界一のタイヤ」をご存知の方もいらっしゃるのでは。
待ってました!「巨大メガタイヤ」との対面
冬の始まりの某日。
空気が澄んだいい時節で、工場敷地内の屋外での対面には、持ってこいです。
やっと参りました、間近での対面。
それがこれ!
大きさがイマイチわからないですって??
わかります。
それでは、これでいかがでしょう。
「でか!!!!!!!!!!」
外径約4メートル !
幅約1.5メートル !!
その重量5.5トン !!!
これ、下関市の魅力の一つだと思いませんか!!
(しつこいぐらい写真を撮ったので、載せさせてください)
先ほどの「オフロードタイヤ」の道なき道の一つとは、「超大型建設・鉱山車両用タイヤ」。その400tダンプトラックに装着されるものなのです。
これらは地質・地形や用途に合わせて、世界で唯一の技術と経験を持つため、全オーダーメード制。
世界からの先約注文があってから、下関工場で作られいるのが
この圧倒的巨大メガタイヤ(筆者命名)なんです。
上の画像は中サイズタイヤですが、よーく見ると、タイヤのパターン(模様)が違いますよね。
これが、素材、厚み、用途、国(気温)などによって違いがあり、
組み合わせるとなんと600種類にも及ぶそう!
あまりの圧倒感で、強大な印象のタイヤたちですが、季節気温よって綿密な調整が必要なほど繊細だそう。機械だけでは作ることができません。
手作業も多く含まれていて、経験豊富な社員の皆さんによって技能継承されています。
まさに、門外不出、唯一無二な国内技術なわけです。
「ブリヂストン下関工場」の圧倒的な存在感
工場内の見学は、稼働中の機械などは「密です、密です!」ならぬ、
「機密です!」続出。笑
それもそのはず。
会社の財産、いえ会社そのものと言える技術を大切に守る社員皆さんの姿勢からも、こうしてトップ企業であり続ける理由の一つがみて取れました。
そんな下関工場は、国内全国15工場ある中でも、「メガタイヤ」専門の工場。
(※もともと下関市でのみ生産されていましたが、規模拡張のため、現在では北九州市若松区の北九州工場でも生産を行っています。)
※12/11更新(ご厚意で、より最新の情報にアップデート!)
↑青部分が下関工場の生産規模の大きさのバリエーションと、右に行くほどタイヤ幅の大きさを表しています。
世界中から寄せられる高い期待とオーダー。
それに応える24時間稼働(4班3交代制)。
また生産と輸出に好都合な敷地、陸路・航路がある下関の好立地こそだとのこと。
日本を誇る技術がここにあります。
嬉しいコメントも頂戴しました!
最後に、今回の取材に際し、佐々木康博(ささきやすひろ)工場長に、
工場と街の関わりついても、お教えいただきました。
下関工場では、森林整備や地域交流活動も随時行っています。
また冬場のクリスマスイルミネーション(12/1より今年も開催!)では、
工場外からも目で楽しめるので、ぜひ見にいらしてください!とのことでした。
印象的だったのは、
「我々がプライドを持って作り出荷するタイヤは、一見皆さんの暮らしとかけ離れているようですが、辿っていくと実は大変身近なんです。」
というコメント。
「暮らしに欠かせない鉄や鉱物を採掘するにも、このタイヤが必要。
最近ですと、テレワークやスマホで通信を使うにも銅が必要で、これも採掘にこのタイヤが必要でしょう。
ぜひ、皆さんの暮らしを豊かにするのに切っても切れない流通のスタート地点が、お住まいの下関にあるということを知っていただき、興味を持っていただけたたら嬉しいですね。」
本当に快く、取材を受けてくださりありがとうございました。
ぜひ、ブリヂストンの字を目にした時には、世界を旅するタイヤに想いを馳せてみてくださいね!!
海と、山と、「巨大タイヤ」は下関の新たなビュースポットになる日も近い、
はず。
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ライター