福岡県宗像市の住宅街の奥に隠れ家的自家焙煎珈琲店がオープン!

福岡県宗像市の住宅街の奥に隠れ家的自家焙煎珈琲店がオープン!

2021/01/12

福岡県宗像市の、交通安全祈願で有名な宗像大社から車で10分ほどの場所に、「浮雲珈琲店」が、2020年10月24日オープン。団地の中の自宅のガレージを改装した秘密基地のような店舗で、こだわりのサイフォンコーヒーをゆったり楽しんでみよう。

Yahoo!ライフマガジン編集部

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木と緑に囲まれた中で本格的なサイフォンコーヒーを味わえる

福岡県宗像市の住宅街に、2020年10月24日、ニューオープンした「浮雲珈琲店」。店主の自宅横の駐車場のスペースを改装した、木の質感に包まれた建物が目印だ。

駐車スペースは店舗前に2台ほど。満車の場合は、お店で尋ねてみよう
大きな木の扉を開くと、森の緑が見通せるカフェスペースがある

\3密対策、やってます/

店頭には手指の消毒液を設置。定期的に換気も行っている
落ち着く壁の質感が印象的な店内。席はカウンターに4つとテーブルが2つ

サイフォンコーヒーはすっきりとした味わい

「浮雲珈琲店」では、ドリップではなく、サイフォンコーヒーを提供。生豆を自家焙煎しており、好みの豆をその中から選ぶと新谷さんがそのままサイフォンで淹れてくれる。かつては深煎りで使用されることが多かったサイフォンを使って、浅煎りを抽出しているので、すっきりとした味わいが楽しめる。

カウンターにズラリと並んだサイフォンは、目で見ても楽しめる器具だ

\この人に聞きました!/

店主の新谷岳人さん
店主の新谷さん
店主の新谷さん
「味と雰囲気と両方でサイフォンコーヒーを選んだ感じです。例えば味の帯域でいえば、ドリップが1~10の間で出るとしたら、サイフォンは3~7ぐらい。いい解釈をすれば、いらない成分は出てこない。なので雑味が少ないし、味わいがすっきりしています
メニューは「プライム」(800円)、「スタンダード」(600円)、「コールド」(650円)の3種類。豆の種類は右横のボードにあるので新谷さんと会話しながら決めるのがおすすめ
選んだ豆をコーヒーミルで挽く
炎の色やお湯が沸騰する音に囲まれるのも、目の前で珈琲を淹れてもらえる醍醐味(だいごみ)の一つ
上部のロートにコーヒー粉を入れ、フラスコのお湯が上がってきたら、粉にお湯が浸透するようヘラで手早く全体を攪拌(かくはん)する
店主の新谷さん
店主の新谷さん
「サイフォンコーヒーは、一定のお湯の量の中で粉が回っていくので時間がたてばたつほど粉の周りが濃くなっていくんです。すると溶け出しにくくなってくるので、攪拌(かくはん)をして、抑え目な感じでなるべく均等にお湯と粉を混じらせるようにします。最初に溶け出しやすい成分が出てから、僕が火を切って攪拌(かくはん)することで欲しい成分がその間に溶け出して、あとは何も出さないっていう感じです。無理やり大きく動かしたら空気も入るし、最初に波を作ってしまって後はそれにゆだねるんです」
ロート内で泡、粉、液体の3層に分かれて仕上がる
出来上がり具合をチェック
「浮雲珈琲店」では蕎麦猪口(そばちょこ)に注いで提供してくれる
店主の新谷さん
店主の新谷さん
「サイフォンコーヒーって最初の提供温度がすごい高いんです。熱くてすぐには飲めないので、飲み口の厚みが薄いものを探して、カップは蕎麦猪口にしました。紅茶のティーカップとか薄いじゃないですか。ああいう感覚で飲んでいただいて、コーヒーの香りを楽しんでもらうのと、同時に薄い陶器で熱を冷めやすくしています
サイフォンでは2杯分作ってくれるので、自分のペースで継ぎ足しながら味わえる
店主の新谷さん
店主の新谷さん
「ちょうど蕎麦猪口で2杯分、コーヒーが入ってるんですけど、熱い時とちょっと冷めた時と冷めた時で、味わいが変わってくるので、飲みながら温度変化も感じ取ってほしいんです。2杯目もあると、お客さんが意識せずに体感していただけるかなと。お二人で来られた時とかに2種類の豆を頼んで、違う味も飲んでみるっていうトライアルもできます。そうやってウチの豆のメニューをコンプリートしてくださいってお客さんと話していて、全部制覇しそうになったら新しい豆を入れて、ずっと来てもらうような感じになるといいなと思います」
スイーツは福津市の福間海岸にある「LANDSHIP CAFE」特製。「アップルパイ」(左・400円)、「ラムレーズンのケーキ」(右・400円)
店主の新谷さん
店主の新谷さん
「ケーキは『LANDSHIP CAFE』からとっています。もともと仲が良かったというのもありますし、そこで出てくるケーキがめちゃくちゃおいしい。なので、この店を始める時に、作ってもらえませんかとお願いしに行って、喜んで引き受けていただきました」
トレイに和菓子の木型を使用しているのにも 新谷さんの遊び心を感じる

喫茶だけでなく、自家焙煎した豆も購入できる

「販売している豆は、鮮度をすごく意識しています。例えば、ここで焙煎後1週間も経ったものを販売したとして、それをお客様がさらに2週間かけてお飲みになられるとすると、最後の方は鮮度がなく、全然おいしくないコーヒーになってしまいます。ですので、なるべく少量ずついろんな豆を焼いて、回転を早くして鮮度を保っています。お客さんからおまかせでと言っていただけることが多いので、お好みを聞いて豆を出しています」と新谷さん。販売している豆を自家焙煎する様子を紹介しよう。

「半熱風式」のアポロ焙煎機に生豆を投入
焙煎中とは思えないほど音が静か。その間、新谷さんは目の前でチェックしながら時には体を鍛えているそう
時々、豆の色合いと豆から薫ってくる匂いを嗅いで確認する
店主の新谷さん
店主の新谷さん
「僕の焙煎の特長は、火力と時間だけを調整し、甘くなるように焼いていることですね。最初にミディアムで焼いてみて、豆の特性を見て、足りないものを補正していきます。どんなにいいコーヒー豆でも、その時の体調や飲む時の雰囲気によっても味が変化します。飲んでいる間はその方の時間と味覚を奪う責任が、私にはあります。飲むに至る気持ちを作ってもらえるように、焙煎を見てもらって、しっかりと雰囲気でおもてなしするように心がけています」
決めた焙煎度合いで釜から豆を出す
余熱で焙煎が進んでしまうことを避けるため、かき混ぜながら冷やす
色むらもなくふっくらと焙煎された豆。同じ豆でも焙煎度合いの違いで味わいが全く違うとのこと
自宅で楽しんでいただけるよう、手動のコーヒーミルなども販売している
店主の新谷さん
店主の新谷さん
「粉にすると断面積が何千倍にも膨れ上がるので、空気と触れてしまい劣化がすごく早いんです。なるべく豆で買っていただいて、飲む前に挽く工程を楽しんでほしくてミルを置いています。おいしい珈琲はどうやって淹れたらいいですか、と聞かれますが、まずそれからです。粉を買うのとは全然違いますよ。あとは私の選ぶ豆を信用してもらえたら(笑)」

設計から施工まで一人で手掛けた建物や雰囲気も魅力

設計から施工まで新谷さんが一人ですべて手掛けた、建物やお店の雰囲気も「浮雲珈琲店」を楽しむ要素の一つ。建築やインテリア好きな人にはたまらない空間だ。

奥には、見晴らしのいいテラス席もある。緑に囲まれ、まったりするのもおすすめ
店主の新谷さん
店主の新谷さん
「もともとDIYは好きでした。何より、人に聞かれた時に“僕が全部一人で作りました”って言いたかったんです。ここに来た人とDIYの話をできるのもいいなあと思って。設計図を手書きして、配置を考えて、材料も発注して、100%自分のしたいように建てました。屋根と柱だけがある駐車場だったところで、壁下地を作って壁面を打って内装を仕上げる工程を、全部自分で行いました。手探りだったので5カ月くらいかかりましたけど(笑)」
今の時期はアラジンのブルーフレームという石油ストーブを設置。昔懐かしい親しみのあるデザインでお店の雰囲気に合っている
建物の外にあるサインでオープン中か確認できる。暗くなるとランタンの灯りでここだけ光っているのでわかりやすい
店主の新谷さん
店主の新谷さん
「実際にやってみて、ここにお店を出して本当によかったと思っています。皆さん、SNSなどで調べてわざわざ来られます。何かのついでというよりは、ここに来るのが目的になってる感じですね。テラス席が森に向いているのも喜んでもらえるし、いい方々にも巡り合って、お友達を呼んでくれたり、たくさん来ていただいています。願わくは、いろんな時間帯でお店に来てほしいです。朝、午後、夜とそれぞれに異なる雰囲気で味があります。直接足を運んでいただいて、その時々のお店の状況を実感して楽しんでほしいなと思います」

毎日慌ただしく過ごしている方、のんびりとできるコーヒーの秘密基地に行ってみませんか。

※記事で紹介している料金は、2021年1月8日時点での情報
※掲載されている料金は、すべて税込

取材メモ/新谷さんは、一人で少し手間のかかる珈琲の出し方をしているので、お客さんが多い時はどうしてもお待たせすることがあるそう。お店に行ってすぐに飲みたいっていう方にはあまり向かないので、時間に余裕をもって、のんびりと楽しんでほしいです。

取材・文=シーアール 撮影=福山哲

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