カレーのルーツを今に伝える、横須賀の「海軍カレー」

特集

全国ご当地グルメ(神奈川県編)

2016/04/03

カレーのルーツを今に伝える、横須賀の「海軍カレー」

各家庭の定番メニューの一つでもあり、もはや日本の国民食ともいえるカレー。ごろっと野菜が入った日本のカレーは、海軍の軍隊食から始まった。“海軍の街”横須賀では、当時のレシピを再現したカレーのルーツを食すことができる。

Yahoo!ライフマガジン編集部

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海軍と共に歩んできた横須賀は、日本のカレー発祥の地

明治時代、海軍は軍人のかっけ対策を兼ねイギリス海軍のカレー風味のシチューをアレンジしたものを軍隊食に取り入れた。これが一般にも普及し、日本のカレーの歴史が始まった。

昔より海軍と共に歩んできた横須賀は、いわば日本のカレー発祥の地。1999年に「カレーの街宣言」を行って以降、カレー商品やカレーを提供する店が増え続けている。その中でもフラッグシップ店として、よこすか海軍カレーを牽引(けんいん)しているのが「横須賀海軍カレー本舗」だ。

1Fはレトルトのよこすか海軍カレーなど、横須賀のおみやげ品を扱うアンテナショップになっている

店長の横尾美香さんは「『よこすか海軍カレー』は、1908(明治41)年に海軍が発行したレシピ本『海軍割烹(かっぽう)術参考書』をもとに現代に復元したカレーであることが、条件の一つなんです」と話す。

このレシピにアレンジを加える店もあるが、同店では“復元”という言葉を重視し、当時に近い形で提供することをポリシーにしている。

戦艦三笠をイメージした店内で、明治の味を士官気分で堪能

「今のカレーはこってりと重いものですが、明治の海軍カレーはシチューに近くさらっとしています。最初は、お客様から『普通のカレーを』という要望も受けました。でも、横須賀でしか食べられない当時の味、カレーのルーツを食べてほしい。今では多くの方に横須賀でこのカレーを食べる意味をご理解いただけるようになりうれしいです」(横尾さん)

よこすか海軍カレー(1300円)は、牛乳とサラダをセットにするのが原則。カレーはビーフとチキンから選べ、セットのコーヒーは2度焙煎(ばいせん)したこだわりの海軍珈琲(コーヒー)

同店では05年の開業以来、レシピを変えることなく味を守り続けている。このカレーの再現を行ったのは、有名ホテルで料理長を務めたフレンチのシェフ。フォンドボー、野菜、肉をそれぞれ別鍋で煮込んでから合わせ、小麦粉は極少量で野菜とフルーツだけでとろみをつけるなど、味、見た目ともに細部まで配慮。

明治のレシピに料理人の技術を注ぎ込んだカレーは、優しくなめらかな口当たりで、あと味にカレー特有のスパイシーな香りを残す。

クラシカルな店内には、明治時代流行していたポルカやワルツなどが流れ、当時の給仕の服を着たスタッフの姿も

12年には戦艦三笠の士官室をイメージした店内にリニューアル。メニューも30.5cmの巨大チキンカツ含め総重量約2kgという横須賀海軍チキンカツビッグカレー砲(2320円)や、海上自衛隊のカレーなど、ここだけの味を提供している。

海軍の雰囲気をトータルで楽しめる同店。士官気分を味わいながら食べるカレーは、至福の時を与えてくれるはずだ。

※掲載の内容は2016年4月時点の情報に基づきます。
※2019年5月に店舗(住所、電話番号、営業時間など)、メニュー、料金などの一部情報を更新しました。

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