「かき氷シロップは実は全部同じ味」という都市伝説に迫った話

特集

シーズン到来! かき氷2017

2017/07/02

「かき氷シロップは実は全部同じ味」という都市伝説に迫った話

夏の風物詩のかき氷において、氷の次に欠かせないものといえばかき氷シロップである。そう、ちょっと懐かしい、あの不思議な色をした液体だ。6月某日、編集部の元にそのかき氷シロップにとある“都市伝説”があるという情報が舞い込んできた。

Yahoo!ライフマガジン編集部

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かき氷シロップに都市伝説? 聞いたことないわ〜

今年もやってくる、暑い暑いニッポンの夏。梅雨入り宣言のあった東京でも真夏日に近い気温の日も少なくなく、残念なことにライター田代(筆者)の化粧も昼過ぎには半壊状態である。そんな筆者のPCにある日、上司から一通のメールが届いた。

「かき氷シロップって実は同じ味らしいんだよね〜。ちょっと調査してきてもらえない?」

この日本語だけではちょっと意味がわからないだろう。そこでもう少し詳しく聞いてみたところ、どうやらかき氷シロップは着色料と香料が違うだけで、実はどれも味の成分は一緒というのだ。ほほう。とはいえかき氷シロップといえば、いちごやメロン、ブルーハワイなどなど子供がワクワクするような多彩な味のラインナップが最大の魅力のはず。にわかには信じられないが……

かき氷シロップ都市伝説調査班、出動

都市伝説調査班として駆り出されたライター田代。かき氷は人並みに好き。これは大変重要なお知らせなのだが、今回の記事でこの写真は非常に希少な「きれいな田代(きれいなジャイ○ン風)」の画像である

そうと決まれば早速取材である。今回は昭和40年代よりかき氷シロップを製造・販売している明治屋さんに全面的にご協力いただき、都市伝説調査班が始動した。今回のミッションは、

(1)視覚を奪われた状態で味の違いは分かるのか

(2)視覚と、更に嗅覚を奪われた状態で味の違いは分かるのか

という2ステップで、「かき氷シロップの味は一緒」説を検証することである。

今回比較をさせていただくのは明治屋さんの「マイシロップ」(税抜315円)シリーズ

ここからは食品事業部販売推進部プロダクトマネージチームの久保典昭さんにもご登場いただき、検証をスタートする。

明治屋で(恐らく)いちばんかき氷シロップにお詳しい久保さん。大変物腰柔らかな男性である

まずは視覚を失った状態で検証

ライター田代
ライター田代
久保さん、本日はこのような無茶振りにご協力いただきありがとうございます。よろしくお願いします。
久保さん
久保さん
ぜひ明治屋の自慢のシロップを味わいながら、検証に当たってください。それにしても、なかなかパンチの効いたアイマスクですね。お似合いですよ。
ライター田代
ライター田代
アザス!  では早速ですが、どれか一つ選んで渡していただけますか? まずはその状態で、味を当てたいと思います!
「承知しました」と言いつつ、スッと田代の手元に皿を置く久保さん
久保さん
久保さん
はい、置きました。これは何味でしょう?
ライター田代
ライター田代
あ、ありがとうございます……でもこれだとどこにスプーンがあるかさえからない……あの、大変恐縮なんですが、お口に入れていただいてもいいですか……。
久保さん
久保さん
あ、まぁ、はい……
あまりにも強烈な田代の顔面を前に目が泳ぎまくる久保さん。本当にすみません
ライター田代
ライター田代
ムムッ……! 懐かしいこの感じは、祭りのかき氷屋台で定番中の定番のあの味か……! 久保さん、分かりました。いちごです。
難なく一発目「いちご味」を見事正答。ちょっと楽しい
久保さん
久保さん
おおっ! ご名答! その通り、いちごをお渡ししました。
ライター田代
ライター田代
ヤッター! ということは、色味が分からないだけの状態であれば、どの味なのかは判断できるということですねッ!

続いて嗅覚まで奪ってみる

次は嗅覚も奪った状態での検証。洗濯バサミで鼻をつまむという古典的手法でもって…。「絵面がヒドい」というツッコミは無しでお願いしたい。分かっている、私だってつらい
ライター田代
ライター田代
じゃあ次は目隠し&洗濯バサミを出動させた状態で検証したいと思います。
久保さん
久保さん
それめちゃくちゃ痛くないですか?
ライター田代
ライター田代
死ぬほど痛いですが、かき氷シロップ都市伝説の謎が明かされるのであれば何てことはありません。
佐藤さん、本当にすみません(二回目)
ライター田代
ライター田代
へあひほうひおへはいひはふ(では一口お願いします)
久保さん
久保さん
で、では、こちらはいかがでしょう……?
ムム……こ、これは……
ライター田代
ライター田代
(ヤバい、分からない。甘いのは分かる。しかし一体何味なのかはまったく分からない。マジかよ……)

ええい! 確率は6分の1なら当たらないこともないハズ!

ライター田代
ライター田代
久保さん、ブルーだと思います!
久保さんの残念そうな表情がつらい
久保さん
久保さん
残念! 今のはメロン味でした。
ライター田代
ライター田代
くっ……マジですか! ということは、あの都市伝説は本当だったということか……!?
久保さん
久保さん
いや〜、実はそうなんですよ。
ライター田代
ライター田代
めちゃくちゃあっさり認めちゃったよ!
久保さん
久保さん
ただし抹茶味には抹茶を入れていたり、レモン味には果汁を入れていたり味ごとに原材料の微妙な違いはあります。とはいえ、味の違いはほとんど着色料と香料でつくっているんです。
ライター田代
ライター田代
衝撃的すぎる…。確かにラベルの成分表をチェックしてみると、使われている原材料自体はどのシロップもほとんど同じなんですね。
久保さん
久保さん
そうですね。原材料の主成分はほぼ同じものを使っています。

かき氷シロップの歴史、大解剖

洗濯バサミによる後遺症でトナカイもビックリするレベルで鼻を腫らしながらも取材へ
ライター田代
ライター田代
かき氷シロップってそもそもいつぐらいから親しまれてきたものなんでしょうか?
久保さん
久保さん
明治屋では大正13年ごろから自社でシロップを製造していました。昭和4年には明治屋印のフルーツシロップやコーヒーシロップを発売し、国産品の中ではとても出来の良いものだったと評判だったそうです。そして昭和30年代からは、そうしたシロップを水やソーダで割って家庭で希釈飲料として定着するようになります。成分は少し異なりますが、実はこの希釈飲料のためのシロップが、かき氷シロップの原形だと思われます。
ライター田代
ライター田代
ということは、かき氷シロップの元ネタは「ジュースの素」だったと。
久保さん
久保さん
大雑把に言うとそういうことになりますね。というのも、昭和40年代には電気冷蔵庫が普及して日本にかき氷ブームが到来します。そこで家庭用のかき氷シロップとして、希釈飲料シロップの製法を応用した商品「マイシロップ」を発売したんです。その証拠に、例えばメロンのかき氷シロップは、実はソーダで割ると喫茶店でよく飲まれているメロンソーダとほとんど同じものができ上がるんですよ。アイスクリームを乗せれば、自宅でメロンソーダフロートも食べられます!
ライター田代
ライター田代
なるほど。明治屋さんのかき氷シロップにはそんな歴史があったんですね。
定番の瓶入りのマイシロップと今年新たに誕生したパウチタイプの新生マイシロップ
久保さん
久保さん
マイシロップは発売当初から瓶入りのパッケージは変わりませんが、途中でコーラ味や桜餅風味など味のバリエーションが変わりながらも、今でも定番のかき氷シロップとして親しんでいただいています。ですが、ここ数年の間に再び到来しているかき氷ブームでは、より本格的な味を求めていらっしゃる方が増えています。そこで今年5月1日、「かき氷専門店で味わえるような贅沢なかき氷をご家庭で」というコンセプトで、より本格的なシロップを発売したんです。
ライター田代
ライター田代
それがこちらのパウチタイプになっているものですね。
久保さん
久保さん
そうですね。新しいシリーズは実際に果肉や果汁をたっぷりと使い、大人の方でも楽しめるよう本格的な味わいのシロップを目指しました。
パウチタイプの新しいマイシロップ(税抜280円)も試食させていただいた
ライター田代
ライター田代
せっかくなのでこちらもいただいてみますね……じゃあとりあえずいちごを……うわっ、めっちゃとちおとめの味するわ。
久保さん
久保さん
素材そのものや果実感が味わえるように仕上げています。内容量は瓶のものより少ないのですが、これくらいの量であればご家庭でも余らせることもないかと思います。
もちろんこっちでも同じことやってみた。鼻が痛すぎたので洗濯バサミは撤収し鼻をつまんで挑戦(最初からこうしたかった)。味の違いは舌だけでしっかり分かった
ライター田代
ライター田代
家で食べるかき氷の概念が変わりますね。いや、とは言っても私は昔ながらのかき氷シロップの味もめちゃくちゃ好きです。なんだかホッとする味ですしね。
久保さん
久保さん
もちろん、これまで発売してきたシロップも引き続き販売します。今年の夏もご家庭で幅広い世代の方にかき氷を楽しんでいただきたいですね。

ということで、「かき氷シロップは着色料と香料が違うだけで、実はどれも味の成分は一緒」という都市伝説は紛れもない真実だったことが発覚したが、それと同時にかき氷シロップも進化し続けているという事実も知ることができた。もうすぐやってくるニッポンの夏、今年は自家製かき氷と共に過ごしてみてはいかがだろうか。


取材・文=田代くるみ
撮影=小山田滝音

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Yahoo!ライフマガジン編集部

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