人気サイト「死ぬまでに行きたい!世界の絶景」管理人である詩歩さん。そんな詩歩さんに絶景と出会ったきっかけ、そして探し方、春の散歩にオススメのスポットを教えてもらった。
Yahoo!ライフマガジン編集部
詩歩さんおすすめ春の絶景散歩
人気サイト「死ぬまでに行きたい!世界の絶景」管理人である詩歩さん。世界中の絶景を紹介するFacebookページを運営し、70万以上の「いいね!」を獲得し話題になった。
2013年には『死ぬまでに行きたい!世界の絶景』を出版し、絶景ブームを牽引。「絶景」というキーワードはこの年の流行語大賞にノミネートされた。
詩歩
「死ぬまでに行きたい!世界の絶景」プロデューサー
絶景に出会ったきっかけとは
大学卒業後に入った会社で、新人研修の一環として作ったFacebookのページ。それが「死ぬまでに行きたい!世界の絶景」でした。だんだん「いいね!」がついていくのはわかったのですが、「多くの人が見ている」という実感はありませんでした。
そもそもこのページを作ろうと思ったのには、私のある大きな体験がありました。入社を目前にした3月、オーストラリアを旅行中に、ドクターヘリで運ばれるほどの大きな事故に巻き込まれたんです。
「人はいつ死ぬかわならない」。身をもってそれを体験したことで、だったら、死ぬまでにやりたいことをリストアップしたほうが楽しいよね、と思ったんです。「死ぬまでに行きたい」というタイトルもすぐに浮かびました。
詩歩さんにとって絶景とは
「ここに行きたい」と思う基準は二つあります。写真で見て「きれいだな」と思う場所。「フォトジェニック」なところにはやはり惹かれます。そして、ストーリー性でしょうか。そこでしかその景色を見られない、「物語」が大事なんです。
たとえば、2000年前に人が住んでいた洞窟に、今自分が立っていること。もう、時空を超えたロマンですよね。そんな想像をするのが大好きなんです。想像力が豊か? そうかもしれません(笑)。
絶景を探すポイント
行きたいなと思う絶景は、人に聞く、本を読む、テレビを見る、インターネット。ありとあらゆる情報を駆使して探します。1枚の写真を選ぶのに2時間以上かかる場合もあります。そうやって苦労して探した絶景を、世界に向けて発信して、反応があると嬉しいですよね。「見に行ったよ」とかね。
この仕事をしていてよかったのは、普通に会社員を続けていたら見えなかったであろう世界を見られること。発信する側に立てた幸せというのを常に感じています。
そんな詩歩さんが選んだ春の散歩で行きたい絶景
1.弘前城の桜
桜守(さくらもり)と呼ばれる樹木医たちが、枝を切ることがタブーだった桜に、りんご農家に学んだ技術を用いて剪定を行なっています。そのことで桜の花びらが多くなるんです。たくさんの桜の花びらは、散ると絨毯状に積もります。散って二日後くらいがベストです。
2.国営ひたち海浜公園のネモフィラ
空の青さと、咲いているネモフィラの青さ。一面「蒼の世界」。ここで咲いているネモフィラは450万株以上。それを手作業で植えているんです。機械を使わない理由は、種を植える向きによって茎の長さが変わるとじゅうたん状に育たないから。それを知るとありがたみが違います。
3.秩父の芝桜
ここの芝桜も見せ方を計算して植えられています。波打った地形なので、武甲山と芝桜が一緒に見えます。桜よりもビビッドな色味で、スマホでも綺麗に撮れます。近くで見るとハート型の花びらが可愛いし、インスタ向きですよね。
4.鈴鹿の森公園の梅
桜ほど混んでないのがいいですよね。水戸の偕楽園もすごいけど、三重県の鈴鹿市の鈴鹿の森公園は素晴らしいです。200本以上の大きな梅が咲いていて、その様子は圧巻です。入場料は安くない、でも、見た後には誰も文句を言わないとか。ライトアップも綺麗です。来年はきっと梅ブームがきますよ(笑)。
鈴鹿の森公園
住所:三重県鈴鹿市山本町151-2
入園料:大人(中学生以上)500円~1,500円
電話:059-371-1777
※この情報は取材時の情報です。ご利用の際は事前にご確認ください。
極端な話を言ってしまえば、絶景なんて見なくても、人は死にはしません。エンタメですよね。娯楽がなくても、多分人は生きていける。でも、音楽や文学と一緒で、あったら人生はもっともっと豊かになると思うんです。皆さんも、自分の中で何か人に伝えたいものを見つけようと思ってくれたら、これ以上なく幸せですよね。
構成/キンマサタカ(パンダ舎)
写真提供/詩歩
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