都心からわずか1時間! 休日は気軽に「酒蔵小旅行」

特集

おいしい日本酒が飲みたい!

2017/04/07

都心からわずか1時間! 休日は気軽に「酒蔵小旅行」

酒蔵訪問というと地方の山里まではるばる行くというイメージもあるけれど、実は街の近くにあって気軽に見学できる酒蔵も多い。新宿駅から小田急線の快速急行で44分、神奈川県海老名市の「泉橋酒造」もその一つ。その上、見学は楽しく、アフターの美味も充実。さっそく出かけてみよう!

Yahoo!ライフマガジン編集部

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\案内人はこの人/
「泉橋酒造」伊藤修久さん

見学ツアーでは伊藤さんが爽やかな笑顔でビギナーにも優しく酒の知識、泉橋の特徴を教えてくれる。テーマパークのキャスト的存在
伊藤修久さん(以下、伊藤さん)
伊藤修久さん(以下、伊藤さん)
「泉橋酒造の見学ツアーは、酒蔵見学と、おつまみ付き試飲を1時間15分ほどで楽しんでいただきます。酒造りの行程を見た後に飲むお酒は格別です。その後は直営レストランへもぜひ!」
デザインセンスも光る酒蔵
とんぼのロゴは、「とんぼ」シリーズというお酒の印象的なラベルにも

酒造りは米作りから! 最初は田んぼからご案内

伊藤さん
伊藤さん
「酒蔵ツアーで最初に見ていただくのがこちらの田んぼです。東京ドーム8.5個分。再開発が進んだ都会的な海老名で、これだけの田んぼがあるのも意外ですよね。実は海老名は丹沢水系に恵まれ、もともと歴史的にも米作りに適したエリアなんです。なんといっても酒造りのためには、よい米を育てなければいけません。山田錦、雄町、亀の尾など5種の酒米を育てていますが、まずは米の大切さを感じていただければという思いでご案内しています」
田んぼの勉強だけではなく、風を感じられるのもうれしい。6月頃の水をたたえた風景、夏から秋の黄金の稲穂の海。そこから吹く風を感じると普段の忙しさを忘れられるのだ
田んぼの次に見学するのは精米所。米の種類×磨き具合。これでさまざまなタイプの日本酒になる。精米されていく米の香りは濃密だ

うまい酒は恵まれた水から生まれる

伊藤さん
伊藤さん
「続いてご案内するのは水のお話。米と同様、神奈川県の相模、海老名は、丹沢水系の豊かな伏流水にも恵まれているんです。日本の多くの水は軟水ですが、こちらはやや硬水です。この硬度でも酒の味わいが驚くほど変わっていきます。このツアーでは試飲の際に、仕込み水も味わっていただきますので、お酒と水の関係や、普段の飲み水と比べての味わいも感じてください」
映画セットのようなポンプ塔。水系の解説や、ほかのエリアの軟水硬水の例なども紹介してくれる

いよいよ神聖な酒蔵へ…。思わず背筋が伸びる瞬間

酒造りがほぼ終わった期間はひっそりとたたずむ酒蔵。楽しいツアーもこの前だけはやはり緊張感がある
伊藤さん
伊藤さん
「さあ、いよいよ酒蔵です。時期によって、行っている作業や見学できる行程は変わりますが、泉橋独自のものと、酒造りの共通のものをご覧いただきます。人の手をかけるところや、新しく品質の高い技術などをじっくり見ていただければと思います」
職人の技が冴え、根気が試される神聖な酒母づくりの様子。気軽な見学とはいえ、酒蔵ではしっかりマナーを守ろう
クラシックと新しさを組み合わせたしぼり機。酒がじわじわと、ここから美しい姿にカタチを変えていく
酒が生き物であることを感じる発酵の瞬間。静かな酒蔵の中で、かすかであっても力強い、ぴちぴちとエネルギーが弾ける音が聞こえてくる

お楽しみの試飲時間は、本格おつまみ付き!

取材時の試飲アイテムはこの5種。スパークリングからリキュールまでさまざまなタイプをいただこう
伊藤さん
伊藤さん
「酒蔵見学のあとはいよいよ試飲です。通常季節のお酒、5種を用意しています。今回は春らしく、にごり純米酒で発泡の『とんぼスパークリング』をはじめ、通称『ももくろ』と呼んでいる(笑)『桃色黒蜻蛉(ももいろくろとんぼ)』など特徴の違うお酒です。田んぼ、水、酒蔵と見ていただいた後に飲むお酒ですから、味わい深いと思います。そして、直営レストランの料理長のアイデアが詰まった季節のおつまみとのペアリングもぜひ堪能してください」
旬のホタルイカの含め煮や三陸産わかめの当座煮、黒豆といった和のつまみから、自家製の酒粕と味噌で半熟玉子を熟成させてスモークした「海老名玉子」や海老名の地物を使ったものなどがオシャレに盛られている
試飲と並んでのお楽しみはお土産の購入。希少なお酒も多く、酒屋で入手困難なアイテムを購入できるチャンスだ
たっぷり見学を楽しんだ後に感じる海老名と酒蔵の風が心地よい。こじんまりした酒蔵だが、見どころはたっぷりで去るのが名残惜しい

いづみ橋 酒蔵見学ツアー
【開催時間】14:00~15:15(受付13:30~)
【場所】泉橋酒造(株)神奈川県海老名市下今泉5-5-1
【人数】定員 24名
【費用】1名1500円(税込)
【内容】酒蔵見学、季節のお酒や種類などの説明、試飲(季節のおつまみ付き)
※詳しい日程等はホームページでご確認ください。

見学の後は、酒蔵の余韻が続く美味をじっくり堪能

車で5、6分。海老名駅に戻ると伊藤さんがなにやら素敵なアプローチに案内。ここに直営レストランがある
伊藤さん
伊藤さん
「見学ツアーの後、もっと堪能したい方にオススメしているのが直営レストラン『蔵元佳肴(くらもとかこう)いづみ橋』でのお食事です。『この酒に何を合わせるのか』を追求した創作和食のレストランですから、泉橋酒造のお酒をたっぷりと堪能していただけます。食材は地元海老名、神奈川の農産物、相模湾の海産物や地域の畜産農家から厳選。これに料理長ゆかりの土地である三陸や、仙台の海産物や野菜も合わせてコースを組んでいます。酒蔵でじっくりとその世界を感じて、その後にゆったりと時間を過ごすというのも、酒蔵を旅する魅力だと思いますよ。さあ、ごゆっくりどうぞ!」
試飲した「とんぼスパークリング」をたっぷり美味とともに。トマトと凍らせたイチゴを仙台セリとともにジェノベーゼサラダで。春の甘酸っぱさに、力強く旨味のあるセリとが見事に絡み、酒が進む
飼料にこだわった丹沢高原豚を低温調理した一皿。清らかな脂とやわらぎの食感が、「神力(しんりき)いづみ橋 山廃純米酒」と見事なハーモニーを奏でる。酒粕のソースがまたその関係を深めてくれる
店長の根本さん。仙台で和食店を開いていたが、泉橋酒造の社長と意気投合しこの店を任された。「酒の温度と料理の温度を合わせたり、食と酒のおいしい関係を楽しんでいただきたいですね」
モダンでスタイリッシュな店内。酒蔵の試飲とはガラリと違う風景で味わう酒もまた、いい。要予約。6000円、8000円のおまかせコースのみ。おまかせで料理に合わせた日本酒を提案するペアリングコースも人気
酒蔵を巡る小旅行。ほろ酔いでの帰路。いい余韻だ

酒蔵見学は「遠い」「ちょっと怖そう」「知識がないと楽しめない」というイメージもあるかもしれないが、酒蔵によっては積極的にビギナーを受け入れたり、気軽に見ていただきたいとさまざまなツアーを行っているところも多い。安政4年創業、日本酒マニアに注目されている泉橋酒造もビギナー歓迎の酒蔵だ。

全国でもレストランや博物館などを併設して1日中楽しめる蔵も多い。怖がることはない。なんといっても酒蔵に行き、蔵人と話せば、日本酒への理解は一気に深まり、そこでの出会いで好きな酒も見つかる。酒の酵母にダメージを与えてしまう納豆は食べてこない、動きにくい服装はしてこない、といったマナーはあるが、それも蔵元に問い合わせれば解決。酒蔵見学と合わせてお楽しみプランを作り、休日のお散歩を存分に楽しもう!

泉橋酒造

口コミ・写真など

※この情報は取材時の情報です。ご利用の際は事前にご確認ください。

蔵元佳肴 いづみ橋

口コミ・写真など

※この情報は取材時の情報です。ご利用の際は事前にご確認ください。

取材・文=岩瀬大二/撮影=片山よしお

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