創業40年、元祖原宿スイーツマリオンクレープおいしさの秘密

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散策のおともに! 表参道・原宿グルメガイド

2017/05/01

創業40年、元祖原宿スイーツマリオンクレープおいしさの秘密

原宿スイーツのパイオニアといえば、竹下通りの「マリオンクレープ」(マリオン社)。創業から40年たった今も行列が途絶えることはない。その人気の秘密に迫るべく、素材・製法のこだわりや、メニュー開発の裏話、人気メニュートップ3などを同社に聞いた。

Yahoo!ライフマガジン編集部

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クレープを日本に広げたパイオニアの人気の秘密とは!

1976年、東京・渋谷公園通りの駐車場の一角にオープンしたマリオンクレープの1号店。ご覧のように当時は手押し車の営業スタイルだった

観光客や買い物客がクレープ片手に竹下通りを歩く光景は、今やすっかりおなじみだが、この食文化が日本に定着し始めたのは、いったいいつ頃の話なのか? 

日本初のクレープ屋として知られるマリオンクレープの広報担当者に聞いてみよう。

小岩井秀一さん

小岩井秀一さん

マリオンクレープ広報担当

\マリオンクレープのココがスゴい!/

1.ヒットの秘密は提供方法
2.ファンを魅了する3つのポイント
3.原宿竹下通り店ベスト3はコレ!


1.ヒットの秘密は提供方法

--日本で最初にクレープ屋を始めたきっかけを教えてください。

小岩井さん
小岩井さん
創業者であり現社長でもある岸伊和男(72)が留学でフランスへ行った際、現地のクレープを食べて、「これを日本流にアレンジしたら売れるかも」と思ったのがきっかけです。フランスのクレープはお皿に乗った塩気のある料理ですが、日本では「甘いオヤツ」として売り出そうとひらめいたそうです。

--まず、どこにお店を開いたんですか?

小岩井さん
小岩井さん
1976年、渋谷公園通りに1号店をオープンして話題となり、その翌年に原宿竹下通り店を開くやいなや、大ブームとなりました。
オープン当初の原宿竹下通り店

--竹下通りでクレープがブレイクした理由は?

小岩井さん
小岩井さん
当時の竹下通りは今ほど栄えていませんでしたが、若者向けのお店が増えつつある状況だったと聞きます。ファストフードが珍しかった時代ですから、まず、流行に敏感な若者が食いついてくれたのが大きかったですね。食べ歩けるように、クレープを紙で巻いて提供したのもヒットの要因。1980年代初頭からは原宿の歩行者天国で若者が踊る「竹の子族」がブームとなり、観光客も増え、クレープを食べ歩く文化がさらに浸透していきました。
80年代に数年間だけオープンしていた原宿JANY店。店頭にサンプルが飾られるようになった

--現在、1日に何枚ぐらいのクレープが売れるのでしょう?

小岩井さん
小岩井さん
だいたい毎日1000枚以上ですね。創業当初よりも売り上げは増えています。春休みやゴールデンウィークなどの繁忙期は、もっと売れることもありますよ。

2.ファンを魅了する3つのポイント

ーー現在は競合店を含め、竹下通りだけでも10軒ほどのクレープ屋が林立していますが、パイオニアであるマリオンクレープの強みはありますか?

小岩井さん
小岩井さん
はい、もちろん。ウチのクレープには3つの大きな長所があります。それは「スピード」「メニュー数」「生地」です。

\ポイントその1!/
熟練のスタッフが1枚1分弱の速さで商品を提供

勤務歴10年の中島 瞳さん。素早い動作で、無駄なくムラなく生地を焼き上げていく
ホットプレートに生地を伸ばす際、ライバル店は円型のトンボを使うところが多いが、マリオンクレープは角型を使用。慣れるとこちらのほうが、素早くきれいに生地を焼けるという
小岩井さん
小岩井さん
まず、商品の提供スピードがダントツです。注文が入ってから焼き始めるのですが、経験豊富な複数名のスタッフが連携しつつ、1枚1分弱で商品を仕上げていきます。提供が速いと売り上げも伸びますし、焼きたてのおいしい商品をお客様に提供できるのです。
創業当初からある「クリームチーズ」(350円)。昔はこういうシンプルな商品しかなかったという

\ポイントその2!/
多様なニーズに応えるべく約80種類のメニューを用意

--マリオンクレープの第二の長所はなんでしょう?

小岩井さん
小岩井さん
メニューの豊富さです。創業当初は「生地にクリームチーズを塗っただけ」などの簡素なメニューしかありませんでしたが、10年目あたりから、「もっと甘いものを詰めてみよう」というアイデアが出始め、ホイップクリーム、カスタードクリーム、アイスクリームなどを具材として使うようになりました。そして、それらを組み合わせた商品が続々と開発され、現在は約80種類のメニューを用意。新しいおいしさに出合うべく、何度も通いたくなる品ぞろえになっています。
こちらも創業当初からの人気メニュー「アーモンドチョコ」(350円)

--アイスクリームの種類も豊富ですね。

小岩井さん
小岩井さん
暖かい季節でもクレープを楽しんでいただけるよう、バニラ、イチゴ、チョコ、抹茶などのアイスを具材として取りそろえています。抹茶アイスを使ったメニューは、日本らしさを求める外国人のお客様にも人気ですよ。
アイスクリーム屋からヒントを受け、アイス入りのクレープを開発したのは創業10年目頃。温かい生地と冷たいアイスのコントラストが新鮮で大ヒット。現在は定番人気に

\ポイントその3!/
食感が軽いため、最後までおいしく食べ切れる

高温で一気に焼かれた薄い生地は、サクサク食べ進めることができる

--生地の焼ける匂いが食欲をそそりますね。

小岩井さん
小岩井さん
生地には、フランス直輸入の香料とスピリットを調合したオリジナルフレーバーが施されています。これを200℃のホットプレートで一気に焼き上げることで、独特の香ばしさが漂うのです。

--生地の食感はサクサクですね。

小岩井さん
小岩井さん
はい、それがマリオンクレープの第三の長所です。他店はモチモチの生地のところが多いですが、それだと胃もたれするという声も多い。その点、当店は生地の口触りが軽いですから、甘い具材が詰まっていても、最後までおいしく食べ切ることができるのです。

スイーツ激戦区となった原宿の中でも、今も大人気

現在の原宿竹下通り店の様子。外国人の来客も多い。「海外の人が読む日本のガイドブックには、原宿名物としてクレープが紹介されているそうです」(小岩井さん)

日本で初めてクレープという食文化を開拓したマリオンクレープは、フランスの伝統を守りつつも、絶えず進化を続けている。「ザクザク」というスイーツが原宿ではやれば、その食感を取り入れたアーモンド入りのクレープを開発したり、春はいちご、夏はマンゴー、秋は芋栗かぼちゃ……などと季節に合わせた具材を用意したり。

そうした企業努力を続けているからこそ、スイーツ激戦区と言われる原宿においても、今なお行列ができる人気店であり続けられるのだ。

竹下通りを歩いていると甘い香りが漂ってきて、やがてこのサンプルが目に飛び込んでくる。食欲をそそられ、思わず足を止めてしまう人が続出中

3.原宿竹下通り店人気トップ3はコレ!

流行や季節感を取り入れながら新陳代謝を繰り返し、現在は約80種類のクレープを取りそろえている原宿竹下通り店。その中でも特に人気の高いメニューを3つ紹介しよう。

\第3位 カスタードチョコスペシャル/

10年以上前から常時ベスト3入りしている「カスタードチョコスペシャル」(500円)。外国人からの人気も高い

甘味を抑えた柔らかなカスタードの風味に、チョコが絶妙に絡む魅惑のクレープだ。

カスタードクリーム、ホイップクリーム、バニラアイスを重ね、チョコレートソースで縞模様をつける
型崩れしないように気をつけながら、生地を巻いたら完成だ

\第2位 いちごチョコクリーム/

見た目の華やかさもあって女性人気がとりわけ高い「いちごチョコクリーム」(460円)

フレッシュいちごのさっぱり感と、チョコレートのコク。そのハーモニーを楽しめるクレープだ。

ホイップクリーム+いちご+チョコレート。こんなの、おいしいに決まってる!

\第1位 バナナチョコクリーム/

世界各国の老若男女から愛されている「バナナチョコクリーム」(450円)

大人気のチョコバナナテイストにクリームをプラスしたクレープの定番メニューだ。

ホイップクリームをバナナで囲い、チョコをかけて生地を巻いたら出来上がり

日本全国に約80店舗の直営店およびフランチャイズ店を展開するほか、中国やハワイへの海外進出も果たしているマリオンクレープ。

小岩井さん
小岩井さん
ハワイへ出店する際は、向こうの小洒落た惣菜を使ったメニューも用意したのですが、結局は、クリームにアイスどっさりの商品が人気でした。あの開発の努力はなんだったのか……とも思いましたが(笑)、日本流のクレープが欧米の人にも支持されることがわかったのが収穫でした。

その成功体験を踏まえ、今年の5月にはロサンゼルスにも出店予定だという。原宿育ちのクレープが、世界の定番になる日が近い将来、訪れるかもしれない。

どんなに忙しくても笑顔を絶やさないスタッフ。それも人気の秘密かもしれない

取材メモ/今回取材したお店のすぐ脇には、閑静な東郷神社が。竹下通りの人ごみを逃れ、神社の緑を眺めながらクレープを食し、一休みするのも一興です。ただし、包み紙はゴミ箱へ。ポイ捨てしたらバチが当たるでしょう。

構成=笹 元(Roaster)/取材・文=岡林敬太/撮影=新城 孝

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Yahoo!ライフマガジン編集部

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