岐阜の瑞浪でカツ丼といえば、100年前から「あんかけカツ丼」

岐阜の瑞浪でカツ丼といえば、100年前から「あんかけカツ丼」

2016/05/22

名古屋市の味噌カツ丼に、福井市や長野県伊那市のソースカツ丼など、全国各地には地元の食材や食文化を生かしたご当地かつ丼なるものが存在するが、岐阜県瑞浪市のご当地カツ丼といえば、ズバリ「あんかけかつ丼」。JR瑞浪駅前にある「加登屋食堂」で味わうことができる。

Yahoo!ライフマガジン編集部

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大ぶりのカツがのってボリューム満点

岐阜県瑞浪市にある「加登屋食堂」の来店客で、頼まない人はいないと言っても過言ではない「あんかけカツ丼」。ご飯の上に肉厚大ぶりのカツをのせ、上から溶き卵の入った和風のあんをかけた一杯だ。カリッと揚げたカツに、醤油などで味を調えたあんがよくなじみ、素朴でほっこりとする味わい。ボリュームも満点で、また食べたいと思わせるひと品だ。

店はJR瑞浪駅前という立地のよさもあって、昼時はひっきりなしに客が訪れる。客足が絶えることはほとんどない。顔ぶれを見るとサラリーマンを中心に高校生やお年寄りまで、実に幅広い。瑞浪市民の味として広く食されているようだ。

「あんかけカツ丼」(750円)。このほか大盛りやうどんなどと組み合わせた定食メニューもある

加登屋食堂は約100年の歴史を有する老舗の食堂。あんかけカツ丼は創業当時からメニューにあったが、実は当時の食糧事情に合わせた創意工夫から生まれたものだと、女将の横田信子さんが教えてくれた。

「当時はまだ卵が貴重な時代。卵とじのカツ丼にまるまる1個使ってしまったら間に合わない。あんかけにして卵を伸ばせば、より多くのお客様に対応できるからと考案したそうです」

今でこそ、ほとんどの客が頼むあんかけカツ丼だが、創業当時は店で食べるよりも持ち帰りの需要の方が多かったそうだ。

店内は座敷を中心に40席ほど。元気なあいさつが印象的な女将の横田信子さん

暖をとるための最適メニュー

瑞浪市がある東濃地方は、全国でも有数の陶磁器の産地。窯で陶磁器を焼く時、寝ずの見張り番を付けていたという。

あんがかかっているため時間がたっても冷めにくいあんかけかつ丼は、そんな見張り番たちに大好評の食事だった。当番の日は木製のおかもちにテイクアウトしたあんかけかつ丼を入れて、窯場へ持っていっていたそうだ。

「夜中など、体が冷える時間帯に夜食として食べ、暖をとっていたそうです」と横田さん。そんな見張り番たちの声が、口コミでじわじわと広がり、やがては市民の間にその存在が浸透していった。

JR瑞浪駅前のロータリーを左手に向かってすぐ。のれんや看板にあんかけカツ丼の文字が躍る

店内に飾られている大きなイラストは横田さんにとって宝物。実はこれ、地元の高校生が、温かいあんかけかつ丼を食べさせてくれる店への感謝の思いを込めて描いたものだという。ひと口食べれば、ほっこり心も体も温まるメニューであることは、昔も今も変わらない。

※掲載の内容は2016年5月時点の情報に基づきます。
※2019年5月に店舗(住所、電話番号、営業時間など)、メニュー、料金などの一部情報を更新しました。

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