元祖ハンバーグチェーン!横浜のハングリータイガーを知ってる?

元祖ハンバーグチェーン!横浜のハングリータイガーを知ってる?

2017/05/09

横浜市を中心にチェーン展開するハンバーグ&ステーキ専門店「ハングリータイガー」を知っていますか? 実は、多くのハマっ子たちがハンバーグといえばココ!と胸を張る横浜に根づいたお店なんです。創業から約半世紀にわたり愛され続けるハンバーグの歴史を紐解きつつ、おいしさの秘密に迫ります!

Yahoo!ライフマガジン編集部

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半世紀にわたり横浜で愛され続ける牛肉100%ハンバーグ!

ハンバーグ&ステーキ専門店のパイオニア的存在の「ハングリータイガー」。「ハンバーグといえば、はねる肉汁やソースを防ぐナプキンを広げて待つグルメ」と幼い頃から認識するハマっ子が多く、普通のハンバーグを食べた時「これはハンバーグじゃないと思った」という驚きのエピソードも伝えられているとか。そのくらいハングリータイガーは、横浜市民に愛された名物ハンバーグ店なんです。

まもなく創業50周年を迎え、ハンバーグの国民食化に大きく寄与したといっても過言ではない「ハングリータイガー」の歴史を貴重な資料とともに振り返りつつ、牛肉100%ハンバーグのおいしさの秘密に迫っていきます!

横浜新道沿いにある1号店の「保土ヶ谷本店」。車道からも目立つお店の看板を見て、「どんなお店なんだろ?」と気になったり、「食欲を刺激される!」なんて人も多いとか
創業時から提供する「オリジナルハンバーグステーキ レギュラーセット(220g)」(1690円)。ソテーオニオン、ベイクドポテトなどを添える

ハングリータイガーで創業時からの不動の人気を誇るのが「オリジナルハンバーグステーキ」だ。こちらの特長は、何と言っても炭火で焼き上げたビーフ100%ハンバーグ。パン粉や玉ねぎなどのつなぎを用いない、ハンバーグを提供したのはハングリータイガーが元祖と言われており、「肉々しさが楽しめる」と今なお愛され続ける逸品だ。

また、ラグビーボール(フットボール)型のハンバーグを、熱々の鉄板にのせて、お客さんの目の前でウェイターがソースを掛けて仕上げる。多くの人気ハンバーグ店が好んで行う、このスタイルを日本で最初に始めたのも、何を隠そうハングリータイガーなのだ!

天井が高く広々とした店内は居心地抜群。保土ヶ谷本店には、店内中央にアメリカから取り寄せた約5mのトーテムポールがどーんと置かれ、一際目を引く
身長180cmのウェイターさんにトーテムポールの下に立ってもらうと分かる、圧倒的な高さと存在感たるや!

個性あふれる店内の雰囲気もお楽しみのひとつ。ハングリータイガーといえば、客席前に肉を焼くチャコール台が設置され、とにかく高く開放的な天井も特色。店舗によっては、「なぜそれを?」とちょっぴりツッコミたくなる木彫りの人形などのオブジェが飾られている。実はこれ、創業当初のアメリカ西部開拓時代風をイメージした店内コンセプトに合うような装飾品の名残りだそう。現在は、ハングリータイガーのどの店舗に立ち寄っても楽しんでもらえるように、店内のオブジェなどで差別化を図っているんだとか。

1.「港北センター 南店」にはカウボーイのオブジェが。2.「若葉台店」。3.「日野店」の天井も高い。4.今年1月にオープンしたばかりの「湘南辻堂店」を加えて、横浜市内を中心に9店舗を展開する
ハングリータイガー
ハングリータイガー
「次はいよいよハングリータイガーの歴史をプレイバック。ハングリータイガー1号店は1969年9月10日に開店したんだよ」

ハングリータイガー今昔物語。名物ハンバーグ誕生のきっかけ

創業初期の保土ヶ谷本店。当時は店舗から少し下ると牧場があり、雨が降ると道が泥道になってしまうほどアクセスにも不便な場所だったという
創業当時のドリンクのメニュー表。ハングリータイガー本部にもこれしか残っていないという

ハングリータイガー1号店が保土ヶ谷にオープンしたのは1969年(昭和44年)のこと。同店を1代で築いた創業者であり現社長の井上修一さんは、実家がお肉屋さんだったこともあり、幼い頃からおやつ代わりに、ひき肉を丸めて焼いておいしく食べていたという。

学生時代には、レストラン経営学を学ぶためにアメリカの大学へと留学。そして、現地で友人たちと経験した炭火で肉を焼いて食べるBBQの魅力を発見。この若き日の実体験こそが、ビーフ100%のハンバーグを主力メニューにするきっかけとなったのだ。

ハングリータイガー
ハングリータイガー
「いまの社長は日本とオーストラリアを行き来する日々を過ごしているんだ」

ハングリータイガー創業者は本物のカウボーイ!?

井上社長が所有するオーストラリアの牧場の広さは東京ドーム250個以上!
オーストラリアの牧場には、ハングリータイガーのマスコットがカウボーイの姿をした看板が!

井上社長は2000年代にオーストラリアへと移住し、ハングリータイガーの運営と並行して、なんと牧場経営を開始。実は井上社長、荒野で牛を追い、たき火で肉を焼くカウボーイの暮らしに少年時代から憧れていたんだそう。ハングリータイガー初期の店内がアメリカ西部開拓時代風だったのは、社長の趣向が大きく反映されていたというわけ。

オーストラリアで本物のカウボーイになる夢を叶えた井上社長のさらなる野望は、自分の牧場で育てた安全、安心な肉をハングリータイガーで提供すること。創業者の飽くなき挑戦と情熱で、ハングリータイガーは今なお突き進んでいるのだ。

アメリカでレストラン経営学を学んだ際、井上社長は車で訪れる郊外型レストランの事情を知る。日本でもいずれ車社会となり、郊外型レストランの需要が高まると予見して、1号店を郊外の保土ヶ谷に選んだ
創業当時の面影も残る、保土ヶ谷本店の現在の外観
創業当時の看板(左)と現在の看板(右)。大きなトラのマスコットはベンガル君とハングちゃん。どちらがベンガル君で、どちらがハングちゃんか、小さいトラの名前とあわせて社員もわからないそう(笑)
ハングリータイガー
ハングリータイガー
「おいしさの秘密は炭火焼き!」

お店のシンボル。チャコール台で肉を炭火焼き

ハングリータイガーの象徴ともいえる、客席前のチャコール台は創業時から設置されていた
現在のチャコール台はガラス張りに進化。肉を焼く調理人の姿を子供たちが見学できるように小さな台が置かれている。見学は自由だがスマホなどでの写真撮影は禁止なのでご注意を!

ハンバーグはお客さんからも見える調理室でチャコール台を使って炭火焼きされる。このライブ感もハングリータイガーを訪れる醍醐味(だいごみ)。高温、短時間で肉を焼き固めることで肉汁を逃さずギュッと閉じ込める。チャコールフレーバーと呼ばれる炭のほのかな香りもハンバーグの旨味のエッセンスとなっている。

ハングリータイガーで働く料理人にとってもチャコール台で肉を焼くことが大きな目標となっているという。この日、チャコールマン(調理人)を任された藤田玲雄さんは、入社3年目でようやく台の前に立った。「厨房とは緊張感が違います。ですが、見学してくれる子供たちに手を振ると笑顔で振り返してくれた時はうれしいですよ」とはにかむ。

約800~1000℃に保たれたチャコール台で、ハンバーグとステーキの焼きあげに集中するチャコールマンの藤田玲雄さん。何年もの修行を経て、台に立つのを許される
チャコール台の逆∨字の焼き網が客席側に向かって傾斜しているのがわかる。この傾斜が肉の余分な脂を台に設置された脂受けまで流す。また、脂が炭火の上に落ちて必要以上に燃焼するのも防いでいる
1.牛肉ハンバーグがごろんとチャコール台の上に 2.フライパンでの調理とは違い、網の間から余分な肉の脂が落ちてボリュームの割にさっぱり焼きあがる 3&4.ステーキカバーを巧みに使い、側面も丁寧に焼く
ハングリータイガー
ハングリータイガー
「ウェイターがハンバーグを目の前で2つにカットするよ」

鉄板のったハンバーグ。お客さんの目の前で仕上げの60秒

お待ちかねのハンバーグがやってきた!油が飛び散るのを防ぐナプキンの準備をしてカットの儀式を楽しもう!

ジュ~、ジュ~と快音を響かせながら鉄板の器にのせられて届けられる熱々のハンバーグ。もうたまりません! ハングリータイガーでは創業から変わらず、ウェイターがお客さんの目の前でハンバーグを2つにカットし、ソースをかけるところまでを丁寧に行う。それは決して派手なパフォーマンスではない。鉄板を単なる保温用の器ではなく、最後のグリドル(調理用鉄板)と考えているからなのだ。2つにカットしたハンバーグの中身を鉄板に押して焼きを加える、ソースをかけて蒸しの効果もプラスして味の最終調理を施す。時間にしてわずか60秒、けれどなくてはならない60秒だ。

1.ハンバーグを立てて半分にカット 2.ハンバーグの内側を約280℃の鉄板にねかせる 3.ナイフとホークでグッとハンバーグを鉄板に押し付けると、ジュウっといい音!4.醤油ベースのソースをかけて完成
ハングリータイガー
ハングリータイガー
「ピンチもあったけど、みんなに支えられたよ」

お客さんの約50年ぶんの物語もつまってるんです!

ハングリータイガーのハンバーグは、ハマっ子たちのソウルフードだ!

2019年9月、ハングリータイガーは創業50年のメモリアルイヤーを迎える。だが決して順風満帆だったわけではない。2001年に発生したBSE問題の影響で、最盛期には約30あった店舗数が3店舗にまで縮小。そんな経営危機にも、横浜で愛されてきたハングリータイガーは「オンリーワン、ナンバーワン、ファーストワン」の矜持を掲げ、スタッフ一丸となり再スタート。そして現在9店舗を展開する。

ハングリータイガーを支えてきたのは、この店のハンバーグを愛すお客さんたちだ。恋人時代にデートで訪れたのを懐かしむ老夫婦や、子供の頃の特別な日にいつも家族で来ていたというお客さんが、親となり子供を連れて再訪する…。そんな温かいエピソードをウェイターに語りかけるお客さんが本当に多いという。彼らの大切な思い出がハングリータイガーのハンバーグにはたくさんつまっているのです。

ナプキンにはマスコットと横浜の名所をプリント。各店舗で好評販売中のぬいぐるみ「タイガーシェフ」(780円)
洗練されながらも親しみのある接客対応も自慢!写真には写っていないが、ベテランのウェイター・尾崎さん(保土ヶ谷本店勤務の名物おじさんだとか)の接客を楽しみに来店するお客もいる

取材メモ/ハンバーグ愛好家からも“聖地”と名高い「ハングリータイガー保土ヶ谷本店」。ハンバーグの味はもちろん、昭和のレストラン雰囲気をたっぷり残した店舗の建築様式にもうっとり。横浜市民が自慢のスポットだと胸を張るのがよくわかりました。

取材・文=中田宗孝、撮影=関大介


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