中国から京都に伝来した三百数十年の伝統と風味の精進料理

特集

全国ご当地グルメ(京都府編)

2016/05/08

中国から京都に伝来した三百数十年の伝統と風味の精進料理

宇治・黄檗(おうばく)の地にある禅宗の流れをくむ萬福寺。その門前で四大精進料理の一つ「普茶(ふちゃ)料理」を提供するのが「黄檗普茶 白雲庵(あん)」だ。中国食材を使い、日本の精進料理とはまた趣の異なる料理で楽しませてくれる。京都市内から電車で約20分。色彩豊かな献立を満喫しよう。

Yahoo!ライフマガジン編集部

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工夫を凝らした料理を少しずつ

萬福寺は、1661(寛文元)年に中国の僧侶・隠元禅師が開創した禅宗の一派。伽藍(がらん)建築や文化などに中国・明朝の様式を取り入れているのが特徴だ。

また、印刷技術や木魚のほか、煎茶や普茶料理、インゲン豆・スイカ・レンコンといった食材も隠元禅師が日本にもたらしたもので、江戸時代の文化全般に影響を与えたともいわれている。

普茶料理は、往時の日本には珍しく油脂を使った精進料理として広まった。

テーブル席と座敷があり、個室も備えている。部屋の希望があれば予約時に

そんな中国伝来の由緒ある普茶料理を味わえると評判なのが、萬福寺の門前に店を構える「白雲庵」。同店は1905(明治38)年創業、100年以上続く普茶料理の専門店である。

「普茶」という名は、「普(あまね)く衆に茶を供する」と「赴茶(茶に赴く)」の意味に由来するという。「お寺の大きな行事のあとに労をねぎらうためのお茶と料理でした」と庵主の林さん。

また「長幼の分け隔てなく一座に4人が会し、大皿に盛られた料理を自由に取るのが普茶料理の食べ方。ほかの精進料理との大きな違いでもあります」とも。

白雲庵の美しい庭園を堪能しつつ、歴史ある味に舌鼓

普茶料理コース(1人5400円)。写真は4人前。1人からでもオーダー可能。品数や器が異なる7020円のコースも

料理は二汁六菜が基本。茶礼にのっとった料理であることから、まず初めに澄子(すめ)と呼ばれる蘭茶をいただく。その後、蔴腐(まふ=胡麻豆腐)・雲片(うんぺん=吉野葛のあんかけ)・冷拌(ろんぱん=季節の煮物)・笋羹(しゅんかん=菜煮の盛り合わせ)・油じ(ゆじ=味付き天ぷら)・素汁(そじゅう=吸い物)・えん菜(えんさい=香の物)・行堂(ひんたん=季節御飯)と続く。

特に精進料理の醍醐味(だいごみ)を堪能できる笋羹には、豆腐と山イモで作った鰻もどきや抹茶羹、人参の松風など彩り鮮やかな美しい料理が並ぶ。甘味、酸味、辛味、塩味、苦味の「五味」を基本に調味しており、味のバリエーションも豊富。天ぷらや野菜のあんかけなどボリューム感のある料理も供されることから、十分な満足感が得られる。

白雲庵の美しい庭園を堪能しつつ、中国より伝わる歴史ある味に舌鼓を。

元は萬福寺の塔頭だったという歴史を感じる白雲庵

※掲載の内容は2016年5月時点の情報に基づきます。
※2019年5月に店舗(住所、電話番号、営業時間など)、メニュー、料金などの一部情報を更新しました。

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