中華の新トレンド! 見た目も味も強烈な「東北料理」都内3選

特集

いますぐ食べに行きたい、愛しの中華

2017/05/16

中華の新トレンド! 見た目も味も強烈な「東北料理」都内3選

東北料理をご存じだろうか。日本の東北の郷土料理ではなく、中国の東北地方で育った食文化である。今、この中国・東北料理が東京でブームになりつつあるのだ。そこで、東北料理を知らない人でも挑戦しやすいように、〈初級編〉〈中級編〉〈上級編〉の3つのレベルに相当する3軒を東京でセレクトした。

Yahoo!ライフマガジン編集部

Yahoo!ライフマガジン編集部

都内で行くならここ! 中国・東北料理が食べられる3軒

中華の一ジャンル、東北料理は、隣接する朝鮮半島やロシアなどから文化的な影響を受け、独特な料理が育まれてきた。それが最近になって「目新しい」「楽しい」と話題になり、インパクトのある見た目を写真に撮って、SNSにアップする若者が増えている。

本特集の対談に登場している『dancyu』編集長の江部拓弥さんも、昨年の忘年会のオススメとしていち早く東北料理店をピックアップしており、今じわじわと人気を集めているのである。

\東北料理ってどんな料理?/

今きてるのは東北料理!

1.食材を長持ちさせるために、発酵させたり香辛料を多く使う
2.モンゴルが近いため、羊肉がポピュラー
3.こってりした濃い味付け
4.ディープな珍味もアリ

東北地方の冬は、なんとマイナス20℃まで気温が下がることもあるほど寒さが厳しいので、食材の種類も決して豊富にあるわけではない。だからこそ知恵やアイデアを凝らしたり、ディープな珍味が育まれ、他に類を見ないエスニック料理として注目を集め始めているのだ!

そんな、今話題のチャイニーズグルメが味わえる東京都内の専門店3軒を、〈初級編〉〈中級編〉〈上級編〉と順を追って回っていこう。定番からちょっとした変わり種まで、その奥深い魅力を伝えたい。

【今回ご紹介するのはこの3軒】
1.永利〈初級編〉
2.農家楽〈中級編〉
3.聚福楼〈上級編〉


\東北料理・初級編/

⒈永利(エイリ)【池袋】

池袋中華街のパイオニア的存在

さあ、まずは〈初級編〉として紹介したい店が池袋にある「永利(エイリ)」。日本人でも比較的食べやすい東北料理のメニューが多数そろっており、気軽に東北料理を楽しみたい人にオススメだ。今となっては数多くの中華料理店が集まり、「リトル中華街」とも呼ばれている池袋だが、「永利」はこの地で20年近くも営んでいる老舗。中国・東北の味を長い間提供し続け、日本人、中国人の別なくファンが多い名店である。

赤は中国ではめでたい色だ。「永利」の店先でも真っ赤な看板が目を引く。まるで現地さながらの雰囲気
老舗ではあるが、店内は去年の2月に改装されたので、テーブルや壁の飾りなどは新しく気持ちがよい

席数も多く、1人でふらっと立ち寄るのもよし、親交を深めたい人と2人で行くもよし、家族や友人らと楽しく料理を囲めるような円卓の席まである。さまざまなシチュエーションで利用できそうだ。

\店の名物はこれ!/
「豚肉細切りと漬け白菜と春雨炒め」

「豚肉細切りと漬け白菜と春雨炒め」(1100円)は、オーダー率が高い東北料理

この店のオススメを店長の康健(コウケン)さんに聞くと、間を置かずにすすめてくれたのが「豚肉細切りと漬け白菜と春雨炒め」だ。全体的な味付けは醤油と塩。白菜の酸っぱさもほどよく、日本人の舌にも合う一品である。漬け白菜というのは中国では「酸菜」と呼ばれ、白菜を自然発酵させて作られる漬物。寒さの厳しい東北地方では、保存がきく発酵食品が家庭でもよく作られている。

\ツウならこれを頼む/
「ニラと玉子入り焼きパン」

「ニラと玉子入り焼きパン」(520円)は、おやつのように手軽に食べられる

ボリュームのある料理を箸でつつく傍ら、何か違う食感のものを間にはさみたいな、という時にぴったりなのが「ニラと玉子入り焼きパン」。名前に「パン」とあるが、パンというよりは餃子に近い。醤油やラー油につけても、そのまま食べてもおいしいが、ここはひとつ、東北地方の食べ方にならって黒酢をつけて味わうのがオススメだ。

ニラと玉子のほか、さりげない旨味を加えるために干しエビも忍ばせている

生地はサクサク中はフワフワ! ニラ、玉子、干しエビの旨味が一口食べればあふれ出す。素朴な味わいは、外国の料理であるはずなのに旧知の友のように親しみやすい。

\こちらもオススメ!/
「中国風スライス酢豚」

辛いイメージのある中華料理だが、「中国風スライス酢豚」(1100円)はしっかりした甘さだ

この店の料理人はみんな中国の東北地方出身者。料理長の宮剣(キュウケン)さんもそう。調理のうえで大切にしていることを聞くと、「香り、色、味です」と答えてくれた。短くも力強い回答の中に、並々ならないこだわりが垣間見える。スライスした豚肉を酢、醤油、砂糖、ケチャップなどで味付けしている「中国風スライス酢豚」は、そんな彼がイチ押しする一品だ。

あんかけの酸っぱさは抑えられていて、今まで食べてきた酢豚とはまた違う

食欲をそそる香り、醤油をたっぷり使うことで出した濃い色味、口に入れた瞬間広がる深い甘さ。まさに、香り、色、味の3つのこだわりを「中国風スライス酢豚」は体現している。東北地方では調理時に醤油をふんだんに使い、料理を黒くて濃い見た目に仕上げるのも特徴の一つだ。

こちらが料理長の宮さん。優しい味は、優しい笑顔の人が作っている

〜〈初級編〉を終えて〜
東北料理は、朝鮮半島に近い地方の料理だけに辛いのではというイメージがあったので、「永利」でいただいた料理がどれも優しい味付けだったのには驚きだった。辛い料理が得意ではないという人や子供連れの家族でも、おいしく東北料理をいただけるはず。店の人たちの雰囲気もよいので、とても行きやすい。

永利

住所:東京都豊島区池袋1-2-6 ベルメゾン池袋
アクセス:JR池袋駅北口20A出口から徒歩4分
電話:03-5951-0557
営業時間:11:00~24:00(LO23:30)
定休日:無休

口コミ・写真など

※この情報は取材時の情報です。ご利用の際は事前にご確認ください。


\東北料理・中級編/

2.農家楽(ノウカラク)【大久保】

東北名物の串焼きや火鍋のメニューが豊富

〈中級編〉として紹介したい店は大久保駅から徒歩1分ほどのところにある「農家楽(ノウカラク)」。東北料理にも慣れてきて、よりエスニックなものを食べてみたいという人は要チェック! ここでは中国人も通いつめるほど本格的な中華料理を味わうことができる。

平日昼過ぎの店内にはスーツ姿の客も見受けられるが、約半数は中国語で会話するグループだった

\店の名物はこれ!/
「農家楽一品鍋」

店の名前を冠する「農家楽一品鍋」(1380円・税抜)は、この店の定番メニュー

「農家楽」に来たなら「農家楽一品鍋」を注文したい。具材は豚肉、ハチノス、パクチー、干し豆腐など。旨味がたっぷり溶け込んだスープに赤唐辛子と胡椒が効いており、その本格的な味と辛さで舌がしびれる。極寒の冬を乗り越えるためにも、熱々の鍋料理は東北の家庭には欠かせない。3~4人前のボリュームなので、数人でつつきながら食べたい。

薄くて平べったい干し豆腐は、日本の豆腐よりもしっかりした食感で、スープがよく絡んでいる。中国でポピュラーな食材だが、名産地は東北地方である

\ツウならこれを頼む/
「カイコの塩胡椒揚げ」

カイコを使った料理は、実は東北料理の定番。シルクをもたらす存在であると同時に貴重なタンパク源でもあるのだ

日本人にはなじみがない、東北ならではの料理を食べたいという人には「カイコの塩胡椒揚げ」(1180円・税抜)をすすめる。カイコのサナギや赤唐辛子、セロリをフライした一品である。添えられているかわいらしい花は、ニンジンの飾り切りだ。

これぞエスニック料理。最初はためらってしまうかもしれないが、一度口に入れれば病みつきになるかも!?

カイコのサナギは香ばしくて意外に食べやすい。塩胡椒を使ったシンプルな味付けなので、カイコの独特な風味をしっかり感じられる。外皮はエビの尻尾に近い食感で、身の部分の味は濃厚なのにしつこくない。酒の肴にもなりそうだ。

\こちらもオススメ!/
串焼きメニュー

左から「子ヒツジ」(280円・税抜)「ラムスジ」(168円・税抜)「マトンチョップ」(680円・税抜)

同店は、東北では定番の串焼きも看板料理だ。羊肉や牛ホルモン、豚足、そしてカイコのサナギなど種類も豊富。特に羊肉は、漢方では身体を温める作用もあるため、東北の冬には必須の食材だ。多くはクミンなどで味付けられており、スパイスの香りが食欲を刺激する。1本から注文できるのもありがたい。

〜〈中級編〉を終えて〜
「農家楽」は、中国人の来客が多いだけあって、メニューもテイストも本場さながら! もちろん日本人でも楽しめるので、これを機にディープでめずらしい東北料理に触れてみては? 一見すれば珍味とも思えるカイコのサナギだが、一度味わえば東北で食べ続けられていることも納得だ。

農家楽

住所: 東京都新宿区百人町1-19-14 TC第21大久保ビル 2F
アクセス:JR大久保駅前北口から徒歩1分
電話:03-3366-3888
営業時間:【平日 月〜金】11:00~15:00(LO14:30)、16:30~深夜2:00(LO深夜1:30)
【土・日・祝】11:00~深夜2:00(LO深夜1:30)
定休日:無休

口コミ・写真など

※この情報は取材時の情報です。ご利用の際は事前にご確認ください。


\東北料理・上級編/

3.聚福楼(ジュフクロウ)【池袋】

豪快な炭火焼きも東北流! 味も見た目もインパクト抜群の肉料理

すでに東北料理を何度か体験している人に〈上級編〉として、ぜひオススメしたいのがこの店! ここまでに〈初級編〉〈中級編〉とたどってきて、おいしい料理とカルチャーショックで満腹な気もするが、池袋にある「聚福楼(ジュフクロウ)」もまた、ディープな東北料理を楽しむためには外せない店だ。なにしろ、ここでは東北名物である羊肉の塊をダイナミックに味わうことができるのである。

店の場所は池袋駅から2分ほど歩いた場所にあるビルの4階。ここは周りにも中華料理店が立ち並ぶエリアだ
東北地方出身の店主、山本さん(写真右)のお店だけに、本場の味をたっぷり堪能できる

明るく迎えてくれたのは「聚福楼」の店主である山本晃さん。6年ほど前にこの店を始め、去年には2号店もオープンした。店のユニフォームの背中に書かれた「羊の丸焼き」の文字に期待が高まる。

\店の名物はこれ!/
「羊の背中焼き」

支柱付きの七輪で炭火焼きされる「羊の背中焼き」(3800円・税抜)

この店のメニューで最初に紹介したいのは、看板メニューでもある「羊の背中焼き」! 名前の通り、大きく切り出された羊の背中の肉およそ1.5キログラムを、大胆に炭火で焼いていく一品だ。あまりの迫力に、思わず感嘆の声がもれる。

肉の周りに火が通れば、厨房で細かくカットしてもらえる

目の前に迫る大きな肉の塊! 見慣れない大胆な料理にたじろいでしまうが、店主の山本さんが食べ方を丁寧に教えてくれる。

真っ赤なスパイスは一見辛そうに見えるが、日本人の味覚に合わせているので、それほど辛くない

網でよく焼いた肉は、特製のスパイスの山に潜り込ませよう。たっぷりまぶしてからいただくのが山本さんオススメの食べ方だ。一口サイズなのに旨味が凝縮された肉が、ぴりりとした、ほどよい辛さのスパイスを帯びている。羊肉独特のクセもそれほど気にならず、病み付きになりそうな味わいだ。

ちなみに羊の肉は牛肉などと比べると、高タンパク低カロリー! 山本さんも「たくさん食べても太らないよ!」と太鼓判を押す。羊肉の串焼きは、もともと東北地方発祥の料理だったが、この豪快な焼き方は今や中国全土でブームになっているという。

\ツウならこれを頼む/
「兎の丸焼き」

スタッフが串ざしにしたウサギを手に登場。太もも部分が筋肉質なのは、さすがウサギといったところか
火にかけられる「兎の丸焼き」(4600円・税抜)。羊肉より脂身が少ない

ウサギの肉は日本の一部地域でもなじみがあるが、東北スタイルの豪快な丸焼きが堪能できるのが「聚福楼」のウリだ。「兎の丸焼き」も炭火でじっくり火を通していき、厨房でカットしてもらったものをまた網の上で焼いていこう。気になる味はというと鶏肉の味に近く、モチモチとしていて少しかみ応えがある。

\こちらもオススメ!/
「野菜の盛り合わせ」

「野菜の盛り合わせ」(1080円・税抜)はキクラゲやパクチー、ニンジン、キュウリなどの野菜に、東北の名産品である干し豆腐を巻いて食べる一品だ

ここまで立て続けに肉料理を食べたが、野菜もとりたいという健康志向の人にぴったりなのが、「野菜の盛り合わせ」である。平べったいシート状の干し豆腐の上に、自家製の味噌を垂らし、好きな野菜を包んで食べよう。みずみずしい野菜本来の味を楽しめるこの食べ方も、東北料理店ではよく目にするものだ。自家製の味噌には玉子が使われており、まるで甘辛い肉味噌のような風味で口当たりもまろやか。干し豆腐との相性もよい。

干し豆腐を巻くことで手軽に野菜を食べられる

〜〈上級編〉を終えて〜
「聚福楼」のメニューは肉料理が目立つが、野菜や海鮮を使った料理もそろえている。どれもボリューミーなので、グループでの利用がオススメだ。それにしても、さすが〈上級編〉。ばっちり写真映えしそうな料理ばかりだった。

今回は〈初級編〉〈中級編〉〈上級編〉と3軒の店を紹介したが、料理のおいしさに関しては甲乙つけがたい。どこも東北料理の魅力を体感できることは間違いないので、気になるところがあったらぜひとも足を運んでほしい。

聚福楼

住所: 東京都豊島区西池袋1-37-16 大雄ビル 4F
アクセス:JR池袋駅西口12番出口から徒歩2分
電話:03-6912-7333
営業時間:11:00〜24:00(LO23:30)
定休日:無休

口コミ・写真など

※この情報は取材時の情報です。ご利用の際は事前にご確認ください。

取材メモ/今まで知らなかったディープな中華料理に出会えました。それにしても「羊の背中焼き」は一度食べたら忘れられませんね。大きさはもちろん、味のインパクトも強烈でした。

構成・取材・文=山下俊太(Roaster)/ 撮影=「永利」「農家楽」:玉越信裕、「聚福楼」:栗原大輔(Roaster)


\あわせて読みたい/

この記事を書いたライター情報

Yahoo!ライフマガジン編集部

Yahoo!ライフマガジン編集部

グルメ、おでかけ、イベントなど、ライフスタイルを豊かにする情報を編集部が厳選して紹介します。

おすすめのコンテンツ

SERIES