心にしみる優しい味。毎日でも食べたい、東京さばみそ煮定食3選

特集

覚えておきたい、絶品・魚料理の店

2017/05/15

心にしみる優しい味。毎日でも食べたい、東京さばみそ煮定食3選

さばのみそ煮と聞いて、家庭の味を思い出す人は多いかもしれない。しかし食のプロが繰り出す一皿を口にすれば、その概念はくつがえる。和食の料理人、魚屋、老舗の定食店。今回紹介する3軒を体験すれば、さばのみそ煮とは、こんなにおいしく、毎日食べたくなるものかと感動するに違いない。

Yahoo!ライフマガジン編集部

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家庭の味とは違った、プロのさばみそ煮に舌鼓!

家庭料理の定番、さばのみそ煮。しかしおいしいものを自分で作ろうとなると、案外難しい。生臭さが残ったり、身が硬くなってしまったり、濃い味付けになってしまったり。どうしてうまく作れないの?と悩んだ経験のある人も多いのではないだろうか。

「いしはら食堂」のさばみそ煮は、あまり煮すぎないことで、魚の風味を生かしている

そんなときはぜひ、この3軒に足を運びたい。これが食べたかった味だと、しみじみ思うはずだ。おいしいさばのみそ煮と出会うべく、ぜひ町に繰り出してみよう。

\毎日でも通いたい。さばみそ煮の名店/

1. 「季節料理 根本」(麹町駅)
2. 「魚力」(渋谷駅)
3.「いしはら食堂」(三鷹駅)

1. 「季節料理 根本」(麹町駅)

和の料理人の腕前光る
骨まで食べられる一品

昼の定食メニュー「さばみそ煮」(900円)

12時までに来店してオーダーすれば、通常のみそ汁がしじみ汁になるサービスも

麹町で23年営業する、旬の魚や野菜を用いた和の一品や会席料理で評判の店が、ランチでさばのみそ煮を出し始めたのが、6年前のこと。たちまち話題になり、今では夜でも単品で提供するほどの看板メニューとなった。

\ここがプロの技!/
3日かけて仕上げるから、骨まで食べられる。

一晩寝かして味をなじませ、温めなおしてランチで提供。ここまで至るのに3日かかる

「定番料理が魅力的に思えて、もう一度、向き合ってみようと考えたんです」と店主の根本勝義さんは、6年前を振り返る。そんなさばみそ煮は、30年以上の料理人経験で得た叡智が詰まった一皿だ。

根本勝義さん
根本勝義さん
「魚の下処理、水煮を経て、味付けしたら一晩寝かせて提供します。ここまで至るのに3日。手間暇をかけて作らせていただいているからこそ、骨まで食べられるんです
築地の仲買人から丸っぽのさばを仕入れ、筒切りにするところから作業は始まる。身が硬くならないよう、味がしみやすいように、砂糖やみそはそれぞれ2回に分けて入れている
店主の根本勝義さんは長いキャリアの中で、オーストリアの首都・ウィーンで和食店の料理長を努めたこともある
夜の時間帯は、さばみそ煮は織部焼の器で提供される。単品で900円。定食も1450円でオンメニュー。ちなみに夜は、先付け代500円とサービス料2%が別途必要だ

3日で完成するといっても、お店を営業しながらの仕込み。その間、何度もアクを抜いたり、煮汁を足したり。大変な作業だろう。「それでも続けているのには、定番の食を通して、魚の魅力、和の味わいの奥深さを知ってほしいという思いがあります」と根本さん。さばみそ煮に感動したら、その心意気に触れるべく、夜の会席料理を体験するのもいいだろう。

落ち着いたテーブル席。麹町の喧騒から離れた静かな空間だ
落ち着いた店構え。ビルの2階に立地する

季節料理 根本

住所:東京都千代田区六番町1 三井ビル2F
アクセス:
麹町駅6出口から徒歩約4分
市ケ谷駅3出口から徒歩約5分
市ケ谷駅JR出口から徒歩約5分
電話番号:03-3262-8974
営業時間
月〜金曜 11:30~14:00(L.O.13:30)、17:30~22:30(L.O.21:30)
土曜 17:30~21:30(L.O20:30)
定休日:日曜、祝日

口コミ・写真など

※この情報は取材時の情報です。ご利用の際は事前にご確認ください。

2. 渋谷「魚力」

箸でほどけるほど柔らかく
どこまでも優しい食感

「さばみそ煮定食 カミ」(昼・1030円、夜1180円)

さばみそ煮定食は「カミ」と「シモ」の2種ある。「カミ」はおなかの部分、「シモ」はしっぽだ。「さばみそ煮定食 シモ」は昼が1000円、夜が1030円

明治創業の鮮魚店が、併設で定食屋を開いたのが35年前。現在、中心になって店を切り盛りする鈴木徳久、安久さん兄弟のご両親、力さんと佳子さんの代からだ。さばみそ煮は、現在も定食屋の女将として腕を振るう、佳子さんが生んだ店一番の人気メニュー。他にも鮭ハラス焼き、サバ塩焼き、あじなめろうなどの定食がある。

\ここがプロの技!/
「コトコト煮て、箸ですっと切れる柔らか食感に」

完成したさばみそ煮は、外見からもその柔らかさが伝わってくる

朝の9時から16時まで、コトコトと水煮します。余分な部位を取り除いてきれいにして、ネギを入れてまた煮込む。その後、ようやく味付けです」と女将の佳子さん。定食屋2代目の息子・徳久さんとともに日々、さばみそ煮を仕込む。

鈴木徳久さん
鈴木徳久さん
「味付けした後に一晩寝かせてから、お客さんに出します。さばは季節によって脂のノリも違うから、レシピに沿って作るようなこともない。素材の良さをいかに生かすか。今も女将さんから学びながら、店を切り盛りする日々です」
さばの風味を生かすために、ショウガは入れない。また煮汁まで楽しめるよう、スプーンも添えられる。さばの磯の香りは、白みその上品な味わいと好相性
定食屋2代目の徳久さん。さすが鮮魚店、定食のみそ汁はしじみもたっぷりだ。「1日3kgのしじみを使っているんですよ」。みそ汁の仕込みも丁寧におこなう

鮮魚店の仕入れは徳久さんの弟・安久さんの担当。長年に渡る築地の仲買人との信頼関係があるため、良質な魚が手に入る。これらをたっぷり盛り込んだ海鮮丼も人気の一品。夜も魚定食が食べられるが、刺身や徳久さんが手がける魚介料理を肴に、晩酌を決め込むのもいいだろう。

夜のメニューの一部。ちなみに、定食のごはんもみそ汁もお代わり自由だが、残すと罰金500円の張り紙が。「食べ物を粗末にしないように」という思いがあってのことだ
徳久、安久さん兄弟のお父さんの力さん。魚力の三代目で、今も定食屋の主人だ。家族が仲良くキビキビ働く風景が眺められることも、魚力を来訪する際の楽しみだ
1階はカウンター席のみだが、2階にはテーブル席も。夜は定食をほお張る人、刺身を肴に杯を傾ける人など、さまざまなお客であふれる
渋谷駅からは少し歩くが、それでもおいしい魚を求めて、遠方から来る人も多い

魚力

住所:東京都渋谷区神山町40-4
アクセス:
代々木公園駅1出口から徒歩約7分
代々木八幡駅出口から徒歩約8分
渋谷駅3a出口から徒歩約10分
電話番号:03-3467-6709
営業時間:
月~金曜11:00~14:00 18:00~21:00(L.O)
土曜11:00~14:00 17:30~20:30(L.O)
定休日:日曜・祝日

口コミ・写真など

※この情報は取材時の情報です。ご利用の際は事前にご確認ください。

3. 三鷹「いしはら食堂」

丁寧な味わいで驚きの安さ!

さばみそ煮(180円)+ひじき(100円)+定食(200円)=480円

定食は白飯、みそ汁、おしんこう付き。ひじきを頼まなければ、さばみそ煮定食が380円という驚きの安さだ

昭和50年に三鷹で開業して40数年。約50種もあるメニューの豊富さ、安さ、おいしさ。街に愛されてきた定食屋さんだ。周辺にはひとり暮らしの学生も多く、また単身のビジネスパーソンなども住んでいることから、なかなか家庭では調理しにくい魚料理、とくにさばみそ煮が好評だという。

\ここがプロの技!/
「さばの風味を生かすため、火を通しすぎない」

調味料を全部合わせてから、火を通して仕上げる

「さばは脂のノリのいいものを仕入れています。素材感を生かしたいので、しっかり火が通ったら、あまり長い時間、煮込まないようにしています」と話す、店主の石原新吉さん。約50年定食屋を営む石原さんの熟練の技が光る一品が180円というのは驚きだ

石原新吉さん
石原新吉さん
「ショウガ、みりん、酒、みそ、しょうゆなどを合わせて煮汁を作り、そこにさばを入れます。身が硬くなりすぎないよう気にしながら煮込み、ちょうど火が通った頃合いで引き上げる。さばの風味を第一に考えて調理します」
さばの身質や風味を感じられる。これで180円は破格だ

カウンター上の黄色い札に書かれたメニュー。良心価格なうえに単品でいろいろ注文できるので、焼き魚に玉子焼きを付けて定食にするなど、さまざまな楽しみ方ができる。営業時間も5時から20時、朝食から仕事後の晩酌まで、使い方自在。今も仲むつまじく働く石原さん夫妻に会いに、ちょくちょく通いたくなる店だ。

単品であれこれ頼んでも安心な価格。定食屋だが、ビールなどを注文して晩酌していく人も多い
石原新吉さん、幸子さんご夫婦。愛想よくニコニコ接客してくれるので、ついまた足を運びたくなってしまう

いしはら食堂

住所:東京都三鷹市下連雀3-6-27
アクセス:
三鷹駅南口出口から徒歩約7分
吉祥寺駅公園口出口から徒歩約22分
武蔵境駅南口出口から徒歩約25分
電話番号 0422-47-6714
営業時間 5:00~20:00
定休日 土曜

口コミ・写真など

※この情報は取材時の情報です。ご利用の際は事前にご確認ください。

取材メモ/とかく家庭料理に思われがちな、さばのみそ煮。作り方もだいたい同じ?と思っていたら、そうではなかった。和食の手法でアプローチする人あり、家庭料理の手法のまま突き詰める人あり。定番料理だからこそ、工夫の仕方も自在にあるのだと再発見した。

取材・文/岡野孝次 撮影/原 幹和

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Yahoo!ライフマガジン編集部

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