宇治茶を知り尽くした茶舗が作る香り高い「茶そば」

特集

全国ご当地グルメ(京都府編)

2016/04/08

宇治茶を知り尽くした茶舗が作る香り高い「茶そば」

近年、日本を訪れる外国人からも絶大な支持を集めている抹茶スイーツ。その抹茶を食べるという発想の原型ともいえるのが、京都で広く親しまれている「茶そば」だ。古くより茶席で使われる抹茶の生産地として名高い宇治へ、京都人が愛してやまない茶そばを味わいに。

Yahoo!ライフマガジン編集部

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こだわりの美しい濃緑の茶そば

京都名物の一つ「茶そば」が生まれた理由。それは茶所であり、最高級茶「抹茶」の産地として知られる宇治と深いかかわりがある。

京都府の南端に位置する宇治では古くより茶葉の栽培が行われ、その歴史は鎌倉時代にまでさかのぼる。降水量が多く昼夜の温度差が大きい気候と、水はけの良い肥沃な土地が、良質な茶葉を作るのに適していたのだ。

さらに江戸時代のはじめ、宇治の茶農家によって開発された栽培法「覆い下栽培」によって、日本特有の緑鮮やかで深い旨味のある茶葉が誕生。この茶葉を挽いて粉にしたのが抹茶であり、茶聖・千利休もここ宇治の抹茶を愛したという。

季節替りの軸や花をしつらえた落ち着いた雰囲気

高級茶であるがゆえに長い間、茶会の席でたてられるのみだった抹茶の新たな楽しみ方として、戦後、抹茶をそば生地に練り込んだ「茶そば」が生まれた。その茶そばを考案したといわれるのが、江戸後期に茶農家として始まった茶舗「伊藤久右衛門」だ。

厳選された宇治抹茶を使用したこちらの茶そばは、豊かな香りと味わい、そしてきれいな緑色が特徴の自家製麺。鮮やかさが失われやすい茶の緑を、独自の配合と製造方法によって抹茶本来の色に保つよう工夫を重ねたものなのだそう。

つるりとしたなめらかな喉越し

かわいらしい手まり麩(ふ)や海苔などがトッピングされた「宇治抹茶そば(温)」(690円)

そのこだわりの麺は本店併設の茶房で、20年来変わらずメニューに並ぶ定番の味として楽しめる。なかでも、毎日厨房で昆布とカツオからとるダシを使った温かな「宇治抹茶そば」のおいしさは折り紙つき。

抹茶とそば粉、小麦粉を合わせて打つ麺は、つるりとしたなめらかな喉越し。「京風ダシとあっさりとした生麺のシンプルな味わいを気に入って、毎日来られるリピーターのお客様もいらっしゃいます」と茶房店長(当時)の村上佳織さん。

抹茶パフェでもその名を知られる同店だが、スイーツを目当てにやって来たお客さんが、ダシの香りにつられて思わずそばを注文してしまうこともあるのだとか。乾麺タイプの「抹茶そば」は購入可能なので、おみやげにしても喜ばれそう。

看板スイーツ「宇治抹茶パフェ」の巨大模型が入口に

※掲載の内容は2016年4月時点の情報に基づきます。
※2019年5月に店舗(住所、電話番号、営業時間など)、メニュー、料金などの一部情報を更新しました。

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