京町家の奥座敷で、漬物ざんまいのお茶漬席を楽しむ

特集

全国ご当地グルメ(京都府編)

2016/04/01

京町家の奥座敷で、漬物ざんまいのお茶漬席を楽しむ

西陣で長年愛される漬物店「近為」の奥座敷で、坪庭を眺めながらゆっくりと味わえるのが漬物尽くしの品々。季節の味を合わせて十数種の漬物が懐石風に登場し、いつもは脇役の漬物が主役だ。寿司やお茶請けとして、熱いご飯に合わせて、お茶漬けで、京漬物の奥深さを知る。

Yahoo!ライフマガジン編集部

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多彩な漬物を主役に

1879(明治12)年の創業以来、京都・西陣で親しまれる老舗の漬物店。店が面する千本通は、平安京の時代、都の中心を貫いていた朱雀大路が起源。界隈(かいわい)の路地に耳を澄ませば、今も機織りの音が懐かしく聞こえてくる。

大きなカブの看板が目をひく町家ののれんをくぐると、店頭を飾るのは色とりどりの漬物だ。繁華街から離れたこの店に多くの人が訪れる理由の一つは、店の奥座敷でゆっくりと漬物が味わえる「お茶漬席」があるから。

風情ある庭を眺めながらゆったりと

懐石風に一品ずつ運ばれてくるお茶漬けのコース

4代目の女将(おかみ)がお茶漬席を始めたのは、1980年代。「うちは漬物屋ですし、お昼に少し足を延ばして来ていただき、いろんな漬物の食べ方を知ってもらえたら、とスタートしたと聞いています」。そう話すのは、スタッフの塩見優子さん。
店頭で試食をしていた遠来のお客さんの「ここのお漬物でお茶漬けが食べたい」という声を形にしたという。

お茶漬けのコースは、懐石風に一品ずつ運ばれてくる。まずは、先付のてまり寿司。続いて看板商品である柚子(ゆず)が香る大根漬「柚(ゆず)こぼし」など2種類の漬物をお番茶と頂く。おなかがちょっと落ち着き、ほっこりしたところで、白味噌のお雑煮。そしてご飯と共にメインの漬物10種の盛り合わせが登場する。

手まり寿司に始まり、懐石風に一品ずつ出される「お茶漬席・おつけものコース」(2160円)

「お漬物というのは普通は脇役。それを主役にしています。ごちそうはないけれど、ここに来てよかったと思っていただけるように、お出しするタイミングを考えたり、お客様が苦手と言われたものは可能な限り別のものに変えたりしています」と塩見さん。

旅行者や修学旅行生、地元民など幅広い層に人気で、「いろいろ食べ比べできるのがいい」「おなかいっぱい」と皆満足して帰っていくという。

盆地である京都は寒暖の差が激しいため、昔から質の良い野菜が採れることでも知られている。その豊富な野菜を保存するために、発展してきたのが漬物だ。店に並ぶのは常時30~40種類ほど。保存食である漬物だが、サラダ感覚で食べられる浅漬けなど新しい味も登場している。

お茶漬席は、これら種類豊富な漬物の味と食べ方を発見できるのがうれしい。

風格のあるのれんが目をひく。「お昼にお座敷でちょっと足を伸ばして、漬物を楽しんでいただければ」とスタッフの塩見さん

※掲載の内容は2016年4月時点の情報に基づきます。
※2019年5月に店舗(住所、電話番号、営業時間など)、メニュー、料金などの一部情報を更新しました。

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