300年以上続く老舗で食べる「麩(ふ)と湯葉尽くしコース」

特集

全国ご当地グルメ(京都府編)

2016/03/26

300年以上続く老舗で食べる「麩(ふ)と湯葉尽くしコース」

室町時代に中国から伝わり、宮中や寺院で特別な時に食されていた麩(ふ)。特に生麩は独特のもっちりとした食感が魅力で、今では京都を代表する食材の一つだ。300年以上続く老舗「半兵衛麸」の茶房では、麩と湯葉をさまざまな調理法でアレンジしたメニューが堪能できる。

Yahoo!ライフマガジン編集部

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麩の多彩な調理法に驚く

京都御所で料理にたずさわり麩の製法を学んだ初代が、江戸時代中期の1689(元禄2)年に創業した「半兵衛麸」

元々は京料理店や寺院への卸のみだったが、近所の主婦から麩を分けてほしいという希望を聞き、昭和の中ごろから小売も行うようになった。今でこそ京都の代表的な食材の一つとして知られる生麩は、意外にもそれまで一般的に家庭で使われることは少なかったという。

そのため調理方法を知りたいという声に応え、料理教室を開催。麩の調理方法が広まってくると、やがて家庭でもまねたいのでプロが作った料理を食べさせてほしいという要望があり……。そうして生まれたのが「むし養い料理」だ。

昔のかまど「おくどさん」や庭の横を通って進むと、奥に茶房がある。メニューは「むし養い料理」(3780円・要予約)のみ

とろりと柔らかく大豆の甘味が凝縮

水で練った小麦粉から抽出したグルテンにもち粉を混ぜて蒸し上げた生麩。仕上がりを左右する水は、京都市の豊富な地下水と、南丹市美山町の清流が使われる。

メニューには白味噌や木の芽味噌で味わう田楽、青竹に見立てた山椒風味の竹麸、貝や肉のような食感のしぐれ煮など、調理法や味付けに工夫がこらされた、バラエティ豊かな品々が並ぶ。

麩の専門店として創業した半兵衛麸だが、寺院の要望を受け明治時代から湯葉も扱うようになった。コースには、とろりと柔らかく大豆の甘みが凝縮したくみ上げ湯葉も登場し、最後は京都らしくよもぎ麸入りの白味噌仕立てのおわんで締める。

「むし養い料理」(3780円)。「むし養い」とはお腹の虫を抑える、つまり空腹を一時的に紛らわせること。生麩は腹持ちもよく、実際には大満足のボリューム

生麩の調理方法を広めるための献立なので、料理の特徴を一つ一つ丁寧に説明してくれるのもうれしい。たとえばコースの最初に提供されるうちの一品「丁字麸・きゅうりの酢の物」の麩は水で戻しただけ。

「焼き麩は火を通さなくても食べられるということに、驚かれるお客様が多いですね」と店長の玉置美嘉さん。料理についてさらに詳しく知りたい時はスタッフに尋ねてみてほしいとのこと。

麩と湯葉は茶房に隣接する店舗で販売されているので、味わった料理を参考に、ぜひ家庭でも生麩料理にチャレンジしてみたい。

※掲載の内容は2016年3月時点の情報に基づきます。
※2019年5月に店舗(住所、電話番号、営業時間など)、メニュー、料金などの一部情報を更新しました。

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