ここはリトルカトマンズ? 西小山でネパールを堪能する

ここはリトルカトマンズ? 西小山でネパールを堪能する

2017/05/31

目黒から3駅。品川区と目黒区をまたぐ西小山駅周辺には昔からネパール人が多く住んでおり、かつてはリトルカトマンズと呼ばれたこともあったという。西小山駅周辺でネパールを堪能してきた。

Yahoo!ライフマガジン編集部

Yahoo!ライフマガジン編集部

とても身近な国ネパール

西小山駅周辺にはカレー屋がたくさん

西小山は目黒区と品川区の境界に位置する小さな町で、目黒駅から5分とアクセスはいい。だが、急行が停まらない小さな駅にも関わらず、駅周辺には3軒のカレーレストランとスパイス専門店が2軒ある。それらはすべてをネパール人の経営だ。なぜかこの街にはネパール人が多く暮らしている。

西小山駅近くにあるインドレストラン「サムエルダイニング」

ネパールという国に私たちの多くはあまり馴染みがない。だが、インドカレー店の従業員にはネパール人が多い。このインドレストランもよく見ると、ネパールの三角の国旗が掲げられている。このような店はネパール人がオーナーである可能性が大きい。

こちらの「ナマステ」にもネパール国旗が

物価の安い西小山には、20年以上前からネパール人が増えたようだ。かつて、ネパール国内では「西小山という地名は六本木の次に有名だった」という嘘か誠かわからない伝説もある。ミャンマー人が多く住む高田馬場周辺を親しみを込めて「リトルヤンゴン」と呼ぶように、かつての西小山は「リトルカトマンズ」だったということだろう。多くのネパール人は次第にもっとアクセスの良い蒲田、新宿などに流れていったが、西小山周辺には今でも多くのネパール人が住んでいる。

こちらの「アジアンスターケバブ」もネパールの方がやっている

西小山から徒歩15分、ネパール大使館に行ってみた

民家にしか見えない白い建物がネパール大使館

筆者の雑感ではあるが、ここ数年で都内に「ネパール料理屋」が増えた気がする。どうやら在日ネパール人の数は年々増加しているようだ。なぜ日本にはネパール人が増えたのだろうか。そして特に西小山に多いことに理由はあるのだろうか。

世界で唯一の「四角ではない国旗」が玄関横に掲げられている

ネパール大使館に質問状を送ったところ、「西小山に特に多い理由はわかりかねる」とのことだった。それでも、ネパール人が日本に増えた理由を教えてもらいに、大使館に足を運ぶことにした。

話をしてくれたのはクリシュナ・チャンドラ・アリナル公使参事官
アリナル公使参事官
アリナル公使参事官
「まずお問い合わせの件。現在日本にいるネパール人は67470人(2016年12月現在)で、その数は年々増加しています。大きな理由は、ネパールがとても日本人に親しみを持っているということ。日本が好きなネパール人は国内にたくさんいるのです」
「好きな食べ物は焼き鳥です」
アリナル公使参事官
アリナル公使参事官
「日本の教育は水準が高いですよね。憧れの日本に来るネパール人は、教育や労働でチャンスを求めています。学ぶことで自分自身のチャンスが増えるからです。日本人とネパール人の外見が似ていて親しみを持っていることも大きいかもしれませんね(笑)」
通訳のラジェさん。インタビューは英語とネパール語で行われた
アリナル公使参事官
アリナル公使参事官
「日本人は勤勉ですし、日本は本当にいいところです。これからも在日ネパール人は増えていくことでしょう。日本とネパールの繋がりが増えていくことを嬉しく思っています。あまり知られていないのですが、ブッダが生まれたルンビニはネパールにあるんです。ネパールにもぜひ遊びに来てくださいね」
最後はネパールのPRをしてくれた

就職や留学の為に日本を訪れるネパール人は増加の一途をたどっている。過去に遡れば、ある時期に西小山にネパールコミュニティが形成されたことで、それがさらに人を呼んだのだのかもしれない。確かに、異国の地へ行くなら、親戚や知り合いがいる地域に住みたいと思うのが人情だろう。

西小山を散策しよう

西小山駅の品川区側にあるスパイス屋「アンナプルナ」

西小山駅から少し歩いた商店街の中に「アンナプルナ」というスパイス屋がある。店の外からは山積みになった野菜や、ネパール料理に欠かせない豆や香辛料が見える。だが、店員がいないことが多く、そもそも鍵が閉まっていて入れないこともある。一体どういう店なのだろうか。

こちらが経営者のアナンダさんとその奥さん

店主のアナンダさんはネパールから来日して20年。西小山と南馬込でインド・ネパール料理のレストランを経営している。「アンナプルナ」はスパイスを専門に扱う店だが、店に常在していないのには理由があるという。

これはマトン 2kg(1500円・税別)

それはこの店が宅配に特化している店だからである。「アンナプルナ」ではネパール(そしてインド)料理に欠かせない食材を現地から輸入している。それを東京近郊の同胞たちから注文を受けて、レストランまで届けるのが大きな仕事なのだ。千葉県から注文があれば片道50kmの道のりを配達しにいくという。

ネパール料理に欠かせないディムール 200g(左・260円・税別)とゾム 50g(右・290円・税別)

ネパール料理に必要な食材は日本では手に入らないことが多い。電話一本で駆けつけるアナンダさんの存在は、日本で暮らすネパール人の料理人にとって、とても心強いことだろう。

「西小山は住みやすくていいところです」

アンナプルナ
住所:品川区小山6-6-5
電話:03-3781-3100
営業時間:平日10時〜20時 土曜日10時〜18時 日曜日16時〜20時

※この情報は取材時の情報です。ご利用の際は事前にご確認ください。

ネパールレストランに行ってみよう

店主のラジェさん。大使館で通訳してくれた方である

日本に来て12年だというマハラジャン・ラジェシュさん。常連客は親しみを込めて「ラジェさん」と呼ぶ。彼がネパールレストランをオープンしたのが4年前。当時、ネパールを看板に掲げるレストランは数えるほどしかなかったが、それまでやっていたインド料理ではなく、「慣れ親しんだネパール料理で勝負したい」と思ったことがきっかけだったという。

入り口では水タバコも楽しめる

ネパールは多民族国家。こちら「バルピパル」では酒が大好きだというネワール族の料理を主に提供している。ネワール族に限らず、酒好きの国民性とあって、酒を飲みながらつまみめる料理が多いのが特徴だ。

「サメバジ」(1280円・税込)

「サメバジ」は前菜の盛り合わせのようなもの。羊のスパイス炒めやジャガイモの和え物などが入っており、お祭りや祝いごとの際にはメインの食事の前に必ず食べるという。

「モモ」(780円・税込)

「モモ」は豚肉・鶏肉をモチモチの皮で包んだ小籠包だ。噛むとジュワッと中から肉汁が溢れ出す。現地ではファストフードに近いイメージで食べられているそうだ。

「マトンチョエラ」(980円・税込)

ネパール料理は油をあまり使わないが、マトンなどの癖のある食材は、スパイスで食べやすく調理してある、素材の旨味を生かすのがネワール料理の特徴だ。

ネパールビールから焼酎まで。ネパール国内では自分で飲む酒は家庭で作ってもいいそうだ

ネパールでは朝食をしっかりと食べる風習がある。朝ごはんにがっつりとした肉などを食べて、夜は軽めに抑えるのだという。そんなネパール人が夜に食べるのが「ダルバート」と呼ばれる定食だ。

「ダルバート」(1000円・ランチ価格・税込)

ライスと2種類のカレー。そして、ネパール料理に欠かせない豆のスープがついている。豆スープは日本でいう味噌汁のようなものだ。最初はそれぞれを食べた後に、ご飯にカレーと豆スープをかけながら、さらに野菜の漬物も一緒に混ぜて、味を変化させながら楽しむのが現地流なのだ。

いつも明るいネパール人スタッフ

ネパール料理バルピパル
住所:品川区小山6-7-16
アクセス:西小山駅[出口]から徒歩約1分
電話:03-3786-1214
営業時間:11:00~15:00(LO14:30)17:00~24:00(LO23:30)
定休日:火曜日

口コミ・写真など

※この情報は取材時の情報です。ご利用の際は事前にご確認ください。

いつも笑顔を絶やさない優しいネパール人が作るネパール料理は、日本人の口にもよく合う。「日本が大好き」と口を揃える彼らと触れ合う機会を求めて、西小山、あるいはお近くのネパールレストランに足を運んではいかがだろうか。ネパールのことがもっと好きになることだろう。


取材・文/キンマサタカ(パンダ舎)、撮影/木村雅章、協力/ネパール大使館

\あわせて読みたい/

この記事を書いたライター情報

Yahoo!ライフマガジン編集部

Yahoo!ライフマガジン編集部

グルメ、おでかけ、イベントなど、ライフスタイルを豊かにする情報を編集部が厳選して紹介します。

おすすめのコンテンツ

連載