鈴木砂羽も驚いた!中野の餃子バーで食べる「マルゲリータ餃子」

連載

鈴木砂羽の餃子道

2017/09/29

鈴木砂羽も驚いた!中野の餃子バーで食べる「マルゲリータ餃子」

役者仲間や友人たちと「餃子部」を結成するほどの餃子フリークな、女優・鈴木砂羽。おいしい餃子を求めてさまざまな街を食べ歩く連載「鈴木砂羽の餃子道」第26回!

鈴木砂羽

鈴木砂羽

女優

こんにちは、鈴木砂羽です。今回も中野からお送りします。

中野といえば飲み屋激戦区。特に中野ブロードウェイがある北口方面は小さな店がひしめき合うように軒を連ねていて、どこに入ろうか目移りするほど。だけど反対側の南口方面も、またちょっと違った雰囲気があっていいんですよね。中野駅の南口を出てしばらく歩くと現れる五叉路にあるのが、今回訪れる「手延べ餃子BAR Wing Village」。昨年11月にオープンしたばかりのお店です。

店名はオーナーの出身地「羽村市」からとったのだそう

階段を降りて扉を開ければ、落ち着いたオーセンティックバーといった趣の店内。ここで本当に餃子が食べられるのかしら? でも、メニューを見ればいろんな種類の餃子が並んでる。聞けばオーナーシェフの加藤達也さんは、もともと調理師の専門学校である服部学園で中華の講師を務め、それから広尾にある完全予約制のラーメン店「ゲンワイワガン」で料理長を務めた後、このお店を開いたそう。まずは「焼き餃子」を注文してみます。

カウンターの上に綺麗に手入れされた白木の麺台が置かれて、オーナーシェフが鮮やかな手捌きで皮を作っていきます。店名に「手延べ餃子」ってあるけど、まさか目の前で手作りするとは思わなかった!(編集部註:いつもは厨房で行っている手延べ餃子の仕込みを、この日は特別にカウンター上で行っていただきました)しかもよく見ると、打ち粉をしないで生地を延ばしてる。これ、なかなか難易度高い技術だと思いますよ。

白く輝く、美しい生地
普段はカウンターで作ってるわけではないそうですが、今回は特別!

「中野という土地柄もあり価格はあまり高くできないので、使用している粉も至って普通の小麦粉なんです。だけど、生地を2~3日寝かしておいしさを引き出してます。それに打ち粉をすると余分な粉を吸ってしまうので、打ち粉なしで皮を延ばしています。ちょっとずつしか包めないので大変ではあるんですが、皮のおいしさを最大限に活かすためにいろいろ工夫してるんです」(加藤さん)

餡をみっちり詰め込んで……
丸みを帯びた可愛らしいカタチに包み上がりました

餡を包むオーナーシェフがまた、モチモチした餃子みたいに美味しそうな手をしてらっしゃること。「名は体を表す」じゃなく「餃子は人を表す」とでも言いましょうか、人柄がにじみ出るような、コロンと丸い可愛らしい餃子が包み上がりました。

焼き餃子(1人前4個・550円)

手延べした皮は厚みがあるので、一度しっかり湯がいてから焼き上げるという「焼き餃子」をいただきます!

うーん、これはおいしいっ! 皮が揚げ焼きみたいに表面サクサクで、中がびっくりするぐらいモッチリしてる。食べた感じは、イタリアのカルツォーネの生地がイメージ的に近いかも。そして餡からはたっぷりの肉汁が……。

赤ワインと一緒にいただきます!

「包丁で大きめにカットした具材は、豚肩ロースとキャベツ、ニラ、長ネギ、生姜、そして豚トロという首の部分の肉を使ってるんです。通常ラードを入れることもありますが、脂分が多い豚トロで食感を旨みを加えています。あと実は、昆布と鰹のお出汁も入ってるんですよ」(加藤さん)

豚トロの脂の旨みが感じられながら、どこか上品な味わいがあるのは和風の出汁が入ってるからなんですね! 

水餃子(1人前4個・550円)

同じ餡を使った「水餃子」は、ツルツルモチモチ! 焼き餃子よりも少し皮が厚めで、小麦の味がより際立ってます。手延べ皮の本領発揮ってとこですね。唐辛子と桂皮と陳皮と八角といったスパイスを少し焦がして香ばしさを立たせた特製タレにつけてもおいしいです。

コーンポタージュが餃子に!? 自由な発想から生まれるオリジナリティあふれる餃子の数々に驚愕! 

「焼き餃子」「水餃子」とスタンダードな餃子を食べたところで、メニューにあった気になる餃子を食べてみようかな。気になる「マルゲリータ餃子」を注文してみましょう。

マルゲリータ餃子(1人前4個・650円)

「この餃子が一番皮の厚みがあります。中がかなり熱くなってるので気をつけてくださいね」(加藤さん)

忠告をしっかり胸に刻みつつ、マルゲリータ餃子をいただきます!

うわーっ! 外がカリッカリ、中はプルップル! さっき皮の美味しさの例えにカルツォーネを引き合いに出したけど、これはほとんどカルツォーネに近い餃子。中のトマトの酸味と旨み、そしてトロッしたチーズにこの皮がぴったり。赤ワインとのマリアージュも最高です!

もちもちの生地に、トマトの風味が効いた餡。これはもうカルツォーネ マルゲリータそのもの!

「たとえばマルゲリータ味の餃子を作ろうとするとき、通常だったら普通に肉が入った餃子にチーズやトマトソースを乗せたりすると思うんですが、ウチのマルゲリータ餃子はホールトマト、フレッシュトマト、チーズ、そしてバジルのみ。肉も入れてない。要するにマルゲリータピザそのものの材料なんです。だから『これが餃子か?』と言われると、結構難しい線引きではあるんですけど(笑)。中国の餃子もいろんな具材を包んで、中にはお肉が入ってないのもいっぱいありますしね。だから、なんでもアリかなって」(加藤さん)

そう、餃子の皮で包んでしまえば、なんでも餃子なんですよ! こういう思い切ったアイディアをカタチにできるのも、手延べ餃子の皮に自信があるからなんでしょうね。

本文では紹介できなかった、海老とアボカドの餃子(1人前3個・650円)。海老・アボカド・干しエビ・パクチーが入ったエスニックなおいしさ
そのままでもおいしいけれど、マヨネーズをつけると卵のまろやかさが際立って味変! 砂羽さんも思わず「バグース!(インドネシア語で素晴らしいの意)」と叫ぶほどの旨さ 

「皮がおいしければ、何を包んでもおいしいという自負もあります。それにこの皮なら、どんな柔らかいものでも包めてしまうというのも特長で。薄い皮だとどうしても破けてしまうけれど、手延べの皮なら厚さも自分で自由に変えられるので液体が多いものでも包める。実はもう一つ、ウチでしか食べられない餃子があるんです」(加藤さん)

そうして出してくれたのが、なんと「コンポタ餃子」。コーンポタージュを餃子にしちゃうなんて、なんちゅう発想なのよ!

コンポタ餃子(1人前4個・650円)

「そのままで食べていただけるように、仕上げにフルール・ド・セルというカリッとした大粒の塩をかけてます。そこにバターが溶け合って、コーンポタージュをそのまんまおつまみにしたような感じになるんです」(加藤さん)

アツアツなのでまずは端っこをかじってみると……コーンがみっちり入ってる! そして中は完全にスープですよ! スープに入った餃子はよくあるけど、真のスープ餃子ってこういうものなのかも(笑)? 味は本当にコンポタそのもの。これはおいしいわぁ!

汁気の多いコーンポタージュを餃子にしようという発想からしてすごい!

「少し食べていただいたら、この焦がしバター醤油を少しかけてみてください」(加藤さん)

言われるがままに添えつけられたタレをかけると……ええーっ! コンポタが焼きとうもろこしの味に変わった! なんなのこれ、すっごいおいしい。こんな餃子、絶対に他じゃ食べられない! やっぱりバーだけあって、どの餃子もお酒と合うように考えられてるのが素晴らしい。こうなったら、これからは普通の餃子屋さんじゃ包めないものを、どんどん包んでいってほしいですね!

自由な発想で餃子の可能性を拡げまくる「手延べ餃子BAR Wing Village」は、若き餃子マスターの新しい息吹を感じるお店でした。

最後はお店の方々とギョーポー(餃子ポーズ)でニッコリ!

手延べ餃子BAR Wing Village

中野区中野2-28-1 中野JMビル B1F
03-6382-8022
営業時間
[月・火・日] 11:30~14:00 17:00~24:00
[木・金・土] 17:00~24:00
定休日 水曜

口コミ・写真など

※この情報は取材時の情報です。ご利用の際は事前にご確認ください。

構成=宮内健 撮影=熊谷直子 ヘアメイク=MINEKO

この記事を書いたライター情報

鈴木砂羽

鈴木砂羽

女優

1994年に主演映画「愛の新世界」で注目を集め、同年ブルーリボン新人賞、キネマ旬報新人賞など多数の映画賞を受賞。以降、映画・ドラマ・舞台など幅広く活躍。日本テレビ「幸せ!ボンビーガール」出演中。「YOU」 (集英社)にてエッセイ漫画「いよぉ!ボンちゃんZ」連載中。

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