万年筆愛に満ちた名古屋の老舗文房具店「三光堂」

2017/06/21

万年筆愛に満ちた名古屋の老舗文房具店「三光堂」

ここ数年、低価格でありながら実用的で、デザイン性にも優れた商品の登場や、インクの多色展開などを背景に、万年筆が見直されてきています。 万年筆愛好者の間ではその名がよく知られている名古屋市東区の文房具店、三光堂を紹介します。

中広

中広

国産や外国産を問わず専門店ならではの品ぞろえ

大曽根駅近く、大型商業施設のメッツ大曽根と道を挟んだ東に店舗を構える三光堂。家族経営の店で、外観はまちの文房具屋といった雰囲気ですが、一歩店内に入ると、国産や外国産のブランド万年筆がずらりと並んでいます。

安価なエントリーモデルから、イタリアのアウロラ社やドイツのペリカン社、フランスのエス・テー・デュポン社などの高級品まで、幅広い価格帯の商品がそろいます。万年筆というと黒の印象が強いですが、デザインや軸の色合いなど、見た目も華やかで美しい商品も多く、思わず見入ってしまいます。

三光堂オリジナルインク「名古屋シリーズ」は平成20年に販売を開始。徐々に色数が増え、現在は16色がそろっています

三光堂の創業は昭和3(1928)年。万年筆専門店として、中区の鶴舞公園前に開店しました。戦前、三光堂は愛知県内に18の店舗(本店と分店)がありました。しかし、戦災により現在の三光堂(先々代が開業した分店の1つ)のみが残りました。昭和20(1945)年に東区矢田へ移転し、平成元年「RESARE三光堂」としてリニューアルオープンしました。

鶴舞公園前に開店した当時の店舗外観

かつて万年筆は入学や就職祝いに贈られる品として、高い人気を誇っていました。その後、筆記具の多様化が進み、またワープロやPCの普及で、文字は書く時代から打つ時代へ移っていき、万年筆は冬の時代を迎えます。デパートや文房具店の万年筆売り場が縮小していく中、三光堂は専門店としてのこだわりを持って、品ぞろえを落とすことなく続けてきました。「やはり万年筆が好きなんですね。使っているうちに書き手の書き癖がペン先を作り、自分だけの1本になっていくのも魅力です」と3代目店主の永井誠さんは50年近く愛用している万年筆を手にほほ笑みます。

永井誠さん

永井誠さん

三光堂代表取締役社長


名古屋の地名にちなんだオリジナルインクを開発

万年筆の品ぞろえに負けず劣らず充実しているのが、各メーカーの万年筆用インクです。ブラック、ブルーブラック、ブルーの基本の色に加え、メーカー独自の多彩な色のインクが並びます。特に目を引くのが「名古屋シリーズ」と銘打った、三光堂オリジナルインクの数々。新聞や雑誌などで何度も取り上げられており、このインク目当てに市外県外はもとより、海外からの来店者も少なくありません。

インクと並び、三光堂のオリジナル商品として人気があるスタンプ。客の1人、イラストレーターの黒川ひゅうさんデザインによるもので、万年筆やインク瓶などをモチーフにしています

全国のデパートで展開されていた、自分の好きな色のインクを作るイベントが好評であることに着目したのが、開発のきっかけと永井さんは話します。セーラー万年筆のインクブレンダーに依頼して、色の調合に取り組み始めました。色の名前には名古屋の地名を織り込もうと考えたものの、そのネーミングが色決めよりも苦労したそうです。

「熱田の森グリーン」、「徳川園牡丹」、「名古屋城セピア」、「白壁グレー」、「大曽根ブルー」、「錦三ブラックパープル」など現在16色。棚に並べられた名古屋シリーズには、各色で描かれた、インク名(地名)ゆかりのイラストを添え、色調や風合いがイメージしやすいよう工夫を凝らしています。


客同士が集い語り合える万年筆屋を目指して

永井さんに万年筆を選ぶポイントを尋ねました。「使用する用途や目的によって違ってきますが、最初の1本としておすすめしたいのは、ペン先が14金の万年筆です。強い筆圧でなくても書けることが実感できますよ。日本のメーカーのものであれば、1万円ほどで購入できます。あとは、実際にいろいろと試し書きをしてもらったうえで、ご自身に合った書き心地のものを選んでいただくのが一番です」

三光堂では、店内にテーブルと椅子が用意されていて、日常の書く姿勢で試し書きができるようになっています。万年筆だけでなく、インクの試し書きもできます。

2時間余り試して1本の万年筆を決めた来店者もいたそうで、その時の客のうれしそうな顔を思い出したのか、話している永井さんの顔にも笑みが浮かんでいました。ほかにも、定年退職した人が部下に万年筆を贈るために来店した話や、手書きの喜びを知ったというお礼の手紙など、来店者との心温まるエピソードは尽きません。

万年筆の検品をはじめ、さまざまな相談にも対応しています

「近年のお客様カードを見ると、30代が多く、その8割が初めての購入です。もっと幅広い世代に万年筆の良さを知ってもらえればと、現在、店内にお客様が集えるスペースを作り始めています。お客様同士がゆっくりと語り合える、そんな店にしていきたいですね」

万年筆を使ってみたいという人は、一度足を運んでみてはいかがでしょう。優しく相談に乗ってもらう中で、あなただけの1本が見つかるかもしれません。

さまざまな種類の万年筆が並ぶ店内。それぞれ試し書き用のサンプルノートが用意されており、万年筆やインクの色との相性などが確かめられます
Yahoo!ロコ株式会社三光堂
住所
愛知県名古屋市東区矢田5丁目1-17

地図を見る

アクセス
ナゴヤドーム前矢田駅[2]から徒歩約3分
大曽根駅[6]から徒歩約4分
大曽根駅[1]から徒歩約4分
電話
052-722-3510
口コミ・写真など

※この施設の情報はYahoo!ロコから提供されています。

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