1万5000個を売る日も!東京駅「駅弁屋 祭」人気商品10選

特集

一度は食べたい! スゴイ駅弁。

2017/06/14

1万5000個を売る日も!東京駅「駅弁屋 祭」人気商品10選

1日の乗車人員だけで50万人以上を誇る、首都・東京のターミナル、JR東京駅。それだけにデパートや商業施設に弁当を販売する店は複数存在するが、今、話題をさらっているのが「駅弁屋 祭」だ。日本各地の駅弁を扱い、多い日は1万5000個を販売する評判店の、人気ラインアップを紹介したい。

Yahoo!ライフマガジン編集部

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客足が途絶えない東京駅「駅弁屋 祭」ジャンル別に人気商品をピックアップ

今回の担当ライターKは、鉄道の旅が好き。新幹線もいいけれど、地方の在来線のボックスシートで駅弁片手に一杯やる。たまにはそんな流浪の旅人になります

【お弁当を紹介してくれるのは】

泉和夫さん

泉和夫さん

株式会社日本レストランエンタプライズ 広報室

\東京駅「駅弁屋 祭」に注目/

東京駅の1階中央通路にある「駅弁屋 祭」
入口正面向かって左には、取り扱っている駅弁のサンプルを陳列したガラスケースがある
日本各地の駅弁が東京駅に集結。写真は北海道の「いかめし」650円。「駅弁屋 祭」で購入可能だ

1日1万5000個を売る日もあるという「駅弁屋 祭」。広大な東京駅の中で、その場所を見つけるのは意外にもたやすい。常にお客さんでにぎわっているからだ。駅の1階中央通路に位置し、丸の内中央口から改札を入れば歩いて右手、八重洲中央口から改札を潜れば歩いて左手に「駅弁屋 祭」の文字が見えてくる。

常にお客さんであふれる店内。「おすすめ商品」「人気商品」「寿司駅弁」など、コンセプトやジャンルに応じて陳列されている
人気の牛肉重などは目立つ位置に陳列される

昨年11月のリニューアルオープンを機に、取り扱う駅弁の種類も170種から200種類に増えた。「かつては東日本の駅弁中心のラインアップだったのですが、『祭』オープンの際に取り扱う範囲を広げました」と広報担当者の泉和夫さん。営業時間中にも各地から続々と駅弁が届き、補充されていく。

夜19時にしか入らない弁当もあるのだといい、東京にいながら各地の駅弁を楽しめるだけでなく、こういったお客の購買欲をくすぐる仕掛けも、人気の秘密なのだろう。

開店は朝の5時半だが、オープン中も各地から続々と商品が届けられる

今回はそんな人気店「駅弁屋 祭」から「肉・海鮮系」「幕の内系」「パッケージ系」の3つに分けて、人気商品を紹介。実は広報担当の泉さん、「駅弁掛紙の旅」という書籍のご著者でもあるのだ。よって掛紙やパッケージが面白いお弁当の中から、人気のある駅弁もご紹介いただくことにした。

幅広い世代から支持される、肉・海鮮系の弁当4選

左上から時計回りに「黒毛和牛すきやき牛肉重」(1150円)、「極撰 炭火焼き牛たん弁当」(1350円)、「いかめし」(650円)、「平泉うにごはん」(1200円)
泉さん
泉さん
「肉や魚介類がご飯の上にのった『のせ弁』は、とくに人気があります。これだけ多くの種類がそろっていると、お客さまも迷ってしまい、結局インパクトの強い『のせ弁』に手がいってしまうようです」
ライターK
ライターK
「なるほどお肉や魚をご飯の上にのせるから『のせ弁』というんですね。確かに地方の駅弁店などで、よく見かけます。土地土地の特産品を豪華にど〜んと盛り込んでいるものも多いので、ついつい手が伸びます。それでは、人気の4品をいただいてみます」

1.黒毛和牛すきやき牛肉重(1150円)

たまり醤油で丁寧に仕上げた味

パッケージからも、すき焼き牛肉のうまさが伝わってくる

明治32年(1899年)創業の「松川弁当店」。米沢牛で有名な山形県・米沢市にある弁当店の一品がこちらだ。強火でさっと焼き上げた牛肉を、たまり醤油でじっくりと甘辛く煮込み、そこに玉ねぎを合わせて仕上げた黒毛和牛のすき焼き牛肉。これをふっくら炊き上げたご飯の上に盛り付けて箱詰めしている。

付け合わせのこんにゃく煮、玉子焼も食後の満足感を高めてくれる
ライターK
ライターK
「たまり醤油のまろやかな塩気と深いコクで、ご飯がどんどん進みます。玉ねぎも適度な火通し加減、天然の甘さがたまりません。ご飯もかめばかむほど、旨味を増していきます。左党の僕は、すき焼き肉をちょっと残して、付け合わせのこんにゃく煮もつまみに、日本酒をちびちびやりたいところです(笑)」
たまり醤油でじっくり煮込まれた黒毛和牛のすき焼き牛肉は、冷めてもおいしく食べられるように味付けされている

2. 極撰 炭火焼き牛たん弁当(1350円)

塩だれの牛タンに温かい麦飯を合わせて

特製塩だれで熟成させ、旨味をより一層引き出した牛たん。それを厚めにカットして炭火で一枚一枚焼き上げ、地元・宮城県産の「ひとめぼれ」を使用した麦飯の上にのせている。ヒモを引くだけで弁当全体が温まる加熱式容器を使用しているため、柔らかい牛たんとあったかい麦飯を味わうことができる。

加熱式容器を利用することで、牛タンは柔らかく、麦飯はあったかい状態でいただける
ライターK
ライターK
「牛タンは冷たくなると食感が硬くなりがちですが、加熱式容器を利用することで、弁当でも柔らかな状態で食べられるのがいいですね。あと麦飯。やはり塩だれのよく効いた牛タンと好相性です。東京にいながら、仙台にいるような気持ちになれる駅弁です」

3.平泉うにごはん(1200円)

ウニとイクラ、茎わかめ&山ごぼうの名脇役

ウニの黄金色が、売り場でも異彩を放つ

明治26年(1893年)、岩手県一ノ関駅の構内で売店を開業。そこから駅とともに社歴を積み重ねてきた「斎藤松月堂」の人気商品がこちら。特製の醤油ベースだしで煮込んだ蒸しウニと、プリプリ食感な三陸産のイクラ、そして茎わかめが醸し出す潮騒のハーモニーは同社自慢の一品だ。

気前のいいウニの盛りに驚かされる。左奥は茎わかめ、錦糸卵と、山ごぼうの醤油煮も添えられている
ライターK
ライターK
「ウニの盛りに、きっぷの良さが感じられます。ウニとイクラを交互に堪能していると忘れそうになりますが、茎わかめや山ごぼうの醤油煮も、ご飯との相性がいい。これに錦糸卵も加わると、もう食べ方次第でいろんな味わい方が。岩手県産のご飯も食材とマッチしています」

4.いかめし(650円)

磯の香りの濃い名物駅弁

パッケージは比較的小さいが、2尾のイカが入っている

明治36年(1903年)、北海道に森駅が開業すると同時に、駅構内の営業の認可を得て創業した阿部商店。同社を代表する駅弁が、「いかめし」だ。生米(うるち米ともち米の混合)をイカに詰め、火力の強い“3連ガスバーナー”を使用してボイル。その後“秘伝のたれ”に入れて味付けし、箱詰めしたら完成。百貨店の催事でも人気の駅弁だ。

弾力あるイカの食感、粘度のあるご飯。かめばかむほど、おいしさがあふれる
ライターK
ライターK
「イカの生臭さは消えているのに、磯の香りはしっかりする。この調理法に脱帽です。イカは適度な歯ごたえ、たれのしみたご飯と一緒にかむと、どんどん旨味がこぼれ出していきます。そして“秘伝のたれ”のコク深さ。このたれだけをつまみに、酒が2杯も3杯も進みそうです(笑)」

今も昔も駅弁の王道、おかずたっぷり幕の内3選

泉さん
泉さん
「肉や魚介の『のせ弁』と同じくらい人気があるのが、幕の内弁当です。焼き魚、玉子焼き、かまぼこの『三種の神器』といわれるおかずとご飯の入った幕の内弁当が、明治の頃から駅弁としてよく食べられていました。年配のお客さまから、高く支持されています」
ライターK
ライターK
手の込んだおかずがたくさん入った弁当は、ハレの場である旅行の車中で楽しむには、いかにも良さそう。昔から駅弁の定番が幕の内だった、というのにも納得です。どれもきれいに彩りを考えながら盛り付けられていて、ふたを開けるとまず目で味わえます。小さな彩りの世界に、箸を入れるのがためらわれますが。食べちゃいます!
手前から時計回りに「東京弁当」(1650円)、「南洋軒のよくばり弁当」(1250円)、「30品目バランス弁当」900円

1.東京弁当(1650円)

東京の老舗の味をギュッと詰め込んで

昔の東京駅の駅舎が描かれた、情緒あるレトロな掛け紙

東京駅限定のお弁当。多くのおかずが添えられているが、明治28年創業「浅草今半」の<牛肉たけのこ>、明治33年創業の「日本ばし大増」の<野菜のうま煮>、大正3年創業の「人形町・魚久」の<キングサーモンの粕漬け>、昭和24年創業の「築地・すし玉青木」の<玉子焼>といった、東京の老舗の味わいを一つの折で楽しめるのが、最大の魅力だ。

ご飯も契約栽培農家による有機認証米「あきたこまち」を使用。他にも、きのこの和え物や蓮根のはさみ揚げなど、手の込んだおかずがある。また、食後の和菓子が添えられているのも嬉しい
ライターK
ライターK
「東京の老舗の味わいが一挙に楽しめるのがいいです。<牛肉たけのこ>も<キングサーモンの粕漬け>も上品ながらにしっかりした味で食欲を刺激し、ご飯が進みます。箸休めに<野菜のうま煮>と<玉子焼>をいただくと、なんだか心も和む。他にもおかずがたくさんあって、さまざまなドラマにあふれた駅弁だと思います」

2. 30品目バランス弁当(900円)

ヘルシーでおいしさもあふれた一品

駅弁でありながら、身体に良さそうなネーミングに心ひかれ、手に取るお客さんも多い

「補充しても、すぐ陳列棚から商品が消えていくことも多いんです」と泉さんが話すほどの人気ぶりは、おそらく世の健康志向に適した駅弁だからだろう。魚・肉・野菜をバランスよく盛り込み、1食で30種類の食材を摂取できるような献立に。ただ健康志向なだけでなく、きちんとおいしいのがリピーター続出の理由であろう。

真ん中手前が赤魚白醤油焼、奥に野菜入り玉子焼き、鶏肉の和風マスタード焼と並ぶ。白飯ではなく、手前左にひじき梅ご飯、右に青菜ご飯を盛り込み、より多くの品目を摂取できるように工夫されている
ライターK
ライターK
「初めは『男性には量が少なめかな』と思ったのですが、おかずがたくさん、また食材も多品目なので、舌で感じる満足感は相当なものです。健康のことを考えて、しっかり咀嚼(そしゃく)して食べていたら、おなかもいっぱいに。何よりおいしいものを少しずつ食べられるのがうれしいですね」

3.南洋軒のよくばり弁当(1250円)

滋賀の老舗の味わいを凝縮して

掛紙に書かれた「うばがもち」の文字。滋賀県・草津産のもち米で作ったお餅だ
左手前に松茸土鍋めし、その奥のご飯の上にハンバーグが載っている。右手前にはチキンソテーも。右奥に2つ並んで入っているのが「うばがもち」だ

明治22年(1889年)、東海道本線開通に伴い滋賀県・草津駅で開業した南洋軒。近江牛も入ったハンバーグに、松茸土鍋めし、そして地元・草津産のもち米で作った餅を、甘さをおさえたこし餡で包み、白餡と山芋の練り切りをのせた「うばがもち」。南洋軒のおいしさが詰まったのが、このよくばり弁当だ。

ライターK
ライターK
「松茸土鍋めしに、近江牛も入ったハンバーグ、チキンソテー。なかなかぜいたくなラインアップです。白飯でなく、ご飯にしっかり味もついているから、食後の満足感が高まります。デザートの『うばがもち』。最後まで、滋賀の味わいに触れられるのもいいですね」

時代を物語る、パッケージ弁当3選

ライターK
ライターK
「泉さんはご著書『駅弁掛紙の旅』で、昔の掛紙をひも解きながら、当時の鉄道事情や世相、観光地や町の様子を語っておられます。今では駅弁自体の包装も随分と変わりましたが、それでもなお、パッケージのユニークさで人気の商品があると聞きました」
左から「鶏めし弁当」(900円)、「新幹線E7系弁当」(1300円)、「峠の釜飯」(100円)
泉さん
泉さん
「まず掛紙の話をしましょう。駅弁のふたの上にのってヒモで縛られている紙ですが、多くの人は食べ終わった後に弁当殻と一緒に捨ててしまいます。しかし今のように通信や情報網が発達していなかった戦前、掛紙が広告媒体や名所案内になっていました。名所、旧跡がデザインされているものが、結構多く見られます」
「峠の釜飯」(1000円)は昔ながらの土釜ではなく、エコパッケージで販売。包装からも時代の流れを感じられる
ライターK
ライターK
「なるほど、掛紙には大切にしまっておくだけの価値があるんですね。そんな泉さんも注目するパッケージのユニークさで、ここ『駅弁屋 祭』でも人気を博している駅弁を教えていただけませんか。昔の掛紙のように、僕も食べた後、捨てずに手元に残しておきたいと思います」

1.鶏めし弁当(900円)

ニワトリの絵柄が郷愁を誘う

味わいととともに、その絵柄もお客に愛されている

「今は掛紙ではなく厚紙のふたになりましたが、 絵柄は昭和9年(1934年)に発売された当時をイメージしてデザインされています」と泉さん。明治17年(1884年)創業の「たかべん(高崎弁当株式会社)」のロングセラーは、そのパッケージでも人気を博している。おいしさを保てるよう、容器も経木(スギやヒノキなどの木材を紙のように薄く削ったもの)の折箱だ。

照り焼きだけでなく、そぼろも楽しめる。左上の舞茸入り肉団子も、醤油味のご飯に合う
ライターK
ライターK
「この素朴な絵柄、今でも全然、古さを感じさせません。むしろかっこいい。鶏の照り焼きも味がしみておいしいうえに、なんとご飯も醤油味に炊いてある。このご飯と、まったく臭みのないさっぱりした鶏そぼろが合います。舞茸入り肉団子が入っているのも、なんかうれしくなります」

2.峠の釜飯(1000円)

目にも鮮やかな釜飯弁当

今も益子焼の土釜に入った駅弁として有名だが、「駅弁屋 祭」では、エコパッケージの商品を販売している

「昭和33年(1958年)に益子焼の土釜に入った駅弁として誕生。保温性に優れ、あたたかいまま食べられる『峠の釜めし』は画期的な駅弁でした」。こちら「駅弁屋 祭」で販売されているのはエコパッケージの商品だが、益子焼の釜容器の丸くなめらかな形・質感は、和紙の風合いで表現されている。厳選素材を丁寧に調理しながら、家庭的でほっこりした味わいが人気の秘密だ。

あんず、グリーンピーズなども入り、目にも鮮やか。ご飯は厳選したコシヒカリを自家精米し、利尻昆布と秘伝のだしで風味豊かに炊き上げている
ライターK
ライターK
「この手になじむパッケージ。さすが『グッドデザイン賞』を受賞した商品です。土釜だと重いので、大きな荷物を持っているときは買うのをためらってしまいがちでしたが、これなら大丈夫。秘伝のたれを利かせた鶏肉、ごぼうやしいたけも味がしみておいしく、うずらの卵、栗など具だくさんなのもいいです。あまりのおいしさに、あっという間に平らげてしまいました」

3.新幹線E7系弁当(1300円)

食べた後も楽しみが尽きない駅弁

売り場でも存在感を放つ、新幹線E7系弁当

「最近は訪日外国人のお客様にも駅弁は人気です。この『新幹線E7系弁当』も、旅の思い出に買って行かれる方がいます」と泉さんも語るように、日本の新幹線は、今や世界でも知名度を誇る。これを駅弁のパッケージにすれば、子供はもちろん、大人も放っておかなかったというわけだ。空き箱をどこに飾ろう、いや物入れに使おうか、と食べた後も楽しみが尽きないお弁当だ。

鶏唐揚、海老フリッター、ポークウインナーなどのおかずに、鮭とツナのおにぎりがひとつずつ。デザートにプチケーキも入っている
ライターK
ライターK
「お子様仕様のお弁当かと思ったら、この新幹線のフォルムと光沢感、思った以上に本格的なデザインで、思わず手が伸びます。おにぎりやおかずも手頃なサイズで、大人ならちょっと小腹を満たしたい時に、ちょうどいい分量ですね」

いつも大勢の人でにぎわっている「駅弁屋 祭」だが、泉さんいわく「東京駅から地方に向かう人はもちろん、通勤や行楽帰りに購入される方も多いです」とのこと。確かに言われてみれば、ここで地方の駅弁を購入し、自宅で旅気分を味わうのもいいかもしれない。「駅弁屋 祭」は、新しい駅弁の楽しみ方を提案しているのだ。

駅弁屋 祭
住所:東京駅千代田区丸の内1-9-1 東京駅 改札内 1F
電話番号:03-3213-4352
営業時間:5:30~23:00
定休日:年中無休

口コミ・写真など

※この情報は取材時の情報です。ご利用の際は事前にご確認ください。

取材メモ/東京駅に行くたびに、「駅弁は旅のお供」という固定観念から、なんとなく普段使いしていなかった「駅弁屋 祭」。けれど駅弁に触れることで、確かに非日常感は体験できる。これからはもっと、足を運ぼうと思う。

取材・文=岡野孝次 撮影=原 幹和


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Yahoo!ライフマガジン編集部

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