「世界流しそうめん協会」会長が語る“そうめんを流す美学”

特集

夏を涼しく! ひんやりメニュー大集合

2017/07/03

「世界流しそうめん協会」会長が語る“そうめんを流す美学”

青竹に流れてやってくる夏の風物詩・流しそうめん。食欲がない時でもつるりとイケる“夏の救世主”の美学について、年間約60件の出張流しそうめんを行う「世界流しそうめん協会」会長・上田悠貴さんに話を伺った。

Yahoo!ライフマガジン編集部

Yahoo!ライフマガジン編集部

「京都から世界へ」流しそうめんの魅力を上田悠貴会長に聞く

京都産の竹に沿って、水と一緒に流れてくる白いそうめんが涼を誘う

6月~9月のハイシーズンになると、休みなく日本全国のいたる場所へ出向き、出張流しそうめんに携わる上田悠貴さん。なぜそうめんを流し始めたのか。きっかけや魅力について語ってもらった。

「世界流しそうめん協会」会長の上田悠貴さん
上田悠貴さん

上田悠貴さん

「世界流しそうめん協会」会長

今回、上田さんにお話をうかがったのは、奈良市内にある老舗料亭『菊水楼』。2016年からこちらで行っている流しそうめんのイベントをプロデュースしている。

―なぜ、流しそうめんの普及活動をはじめたのですか?

上田さん
上田さん
「僕の地元が奈良県の県境にある京都府の綴喜郡で、竹や京タケノコの産地なんです。ですが生産者の高齢化などで京タケノコの生産が減り、畑が放置されている現状を知ったんです。

タケノコとして収穫されなかった竹が大量に残っている。地域活性化のためにも、この竹をなんとかできないか。そこで思いついたのが、竹を大量に使う流しそうめんだったんです。高校卒業後、就職して働いていたんですが、中学時代の同級生に声をかけ、土・日に活動をしていました。

2009年9月にはじめてギネスにチャレンジしたのですが、そのときは失敗に終わりました。それでも活動を続けていると地域の人たちが興味を持ってくれるようになり、自然と人が集まって、協力してくれるようになったんです。そして2011年に再度チャレンジ。見事成功してギネスに認定されました
地元の人たちの応援で、2011年に流しそうめん全長3216.7mでギネス世界記録を達成
上田さん
上田さん
2012年に『世界流しそうめん協会』を発足し、地元京都ブランドの竹を持って出張流しそうめんを始めました」
1番集まったのはショッピングモールで約1500人。約30mに約100人が並んだ
イベントでは衛生的で手間がかからない『シマダヤ』の流水麺を使用

―出張流しそうめん以外にも何か活動はされているのですか?

上田さん
上田さん
「自治体などからの依頼で、流しそうめんに関するアドバイスをしています。また、地元の竹を使った流しそうめんセットや流しそうめんに関するグッズの販売もしています。

日本各地で流しそうめんイベントをしていくうちに、さまざまな製麺所さんとできたご縁から立ち上げた『SOMEN JAPANプロジェクト』という活動もあります。『日本古来の麺』であるそうめんの魅力を世界に発信し、素晴らしさをもっとたくさんの人に伝えていくことを目的にしています。日本各地のそうめんの紹介や販売、レシピなどを紹介しています」
日本一「長い、短い、太い、細い」といった形が特徴の4種類のそうめんを販売(3240円)

―今後の展望を教えてください。

上田さん
上田さん
流しそうめんが海外の人にも認知され、流しそうめんスポットを案内する機会が増えました。そうめんを流してキャッチするのがユニークだと思われているようです。

先日はアメリカのテレビ局から依頼があり、竹を切るところから流しそうめんをするところをサポートしました。また昨年は香港のメディアからの取材や、中国での流しそうめんイベントにも協力しました。日本の文化が注目されているのを実感しています。

世界の人たちにもっと流しそうめんを体験してほしいので、今後は積極的にアジアや世界に出張していきたいと思っています。ご依頼お待ちしております!」
4月頃から出張流しそうめんの依頼が増えると言う上田さん。6月からピークを迎え、今が一番忙しい時期。全国を飛び回っている

こちらで流しそうめんを実践いただきました!

8月に約30mの流しそうめんを行う奈良の老舗料亭『菊水楼』(奈良)

「興福寺」の食堂(じきどう)を譲り受け明治24年創業。廃仏毀釈となった圓成寺の部材を使用する、登録有形文化財指定の建物

古都奈良の年中行事に合わせた老舗ならではの会席料理が堪能できる、創業約120年の歴史ある料亭。三輪そうめんとコラボした「奈良名物」を作りたいと、2016年より「世界流しそうめん協会」プロデュースの「スゴい!流しそうめん@菊水楼」を開催している。

今年もこの特別な空間で流しそうめんが催される。
期間/2017年8月2日(水)~31日(木)※予約不可。当日受け付けのみ
時間/10:45~16:30(受け付け10:30)※盆期間は時間変更あり(要問い合わせ)
料金/大人1000円、小学生以下500円、3歳以下無料
休み/火・土・日曜日、祝日

京都産の竹を屋根の軒下や欄干などに伝わせ、建物の3階(約30m)からそうめんを流す

流しそうめん開催時は約30mあるところを、今回は取材のため特別に、実際行われる本館前の中庭に約9mの竹を組んでもらった。

約10分で組んでもらった約9mの竹。3階(約30m)までなら約40分かかる

では、実際に上田さんにそうめんを流していただきながら魅力をうかがうとしよう。

1回につき約30~50gのそうめんを流す
ゆっくりと流れてくるので、子どももキャッチしやすい
約3回キャッチすると1人前の食べ応えになり、お腹いっぱいになる
『菊水楼』では、厨房で茹でた三輪そうめんを自家製つゆで楽しめる

―流れてくるそうめんをキャッチすることに、UFOキャッチャーのようなアミューズメント性を感じたのですが、そうめんを流す魅力ってなんですか?

上田さん
上田さん
「テーマパークのアトラクションに似ていると思います。

僕は『竹をつないで、人をつなぎ、笑顔をつなぐ』と言ってるのですが、大人から子どもまで、みんなが笑顔になれる。流れてくるそうめんをキャッチして食べるという、とてもシンプルなことだからこそ、老若男女、日本人、外国の人、誰もがワイワイと楽しめる。それが最大の魅力だと思っています。

毎年いろんな地域がギネス世界記録に挑戦していますが、それに関わっていけているのも、流しそうめんをやっているからではなく、竹のことを知っていたからだと思います。竹について話が弾むんです。

人を巻き込み、出会いや縁に繋がっていく、日本にしかない風流な流しそうめんを、これからも京都から世界に発信していきます!」
老舗ならではの空間に本物の調度品がそこここにあしらわれる

有形文化財でもある本館で味わえる和食や洋食、また皇族御用達だった料亭の離れを改装して2016年にオープンしたウナギ料理の「鰻 うな菊」の3つのレストランがある。和食では手頃な価格で食べられるランチ(1058円~。14:30LO)が6種類揃い、カフェ利用(16:00LO※予約不可)もできる。

Yahoo!ロコ菊水楼 本館
住所
奈良県奈良市高畑町1130

地図を見る

アクセス
近鉄奈良駅[2]から徒歩約10分
奈良駅[中央口]から徒歩約18分
京終駅[出口]から徒歩約21分
電話
0742-23-2001
営業時間
11:00~14:30(L.O)
定休日
口コミ・写真など

※この施設の情報はYahoo!ロコから提供されています。

ほかにもある! 流しそうめんのできるお店

大阪のド真ん中で流しそうめんができる!『居酒屋 西屋』(中崎町)

梅田と中津、中崎町の中間にあたる、JRの高架沿いに店を構える。赤ちょうちんが目印

一見フツーの居酒屋だが、店頭のテラス席で流しそうめんが楽しめる。オープンして今年で10年目。九州が大好きな店長が、九州の郷土料理や多彩な創作メニューをリーズナブルな価格で提供する。新鮮で上質な魚介や肉、野菜を用いた数々の料理は、どれも酒と好相性。鶏のハラミや大動脈といったなかなか手に入らない希少部位もあり、常連客をうならせている。

上田さん
上田さん
「流しそうめんって、兵庫県や京都府、大阪府でも山の中や山間に多く、なかなか気軽に行くのがキビしいです。しかし、こちらは大阪市内の梅田に隣接した場所にあります。都会で楽しめるのは本当に珍しい。要予約ですが、仕事帰りなどにグループでワイワイ楽しめますよ! 

そして、流しそうめんは宮崎県が発祥。九州の郷土料理でもあるのもおもしろいです」
タンクに入った水が自動簡易ポンプから流れ、そうめんは店のスタッフが流してくれる

「流しそうめんコース」には、本日のおすすめ鮮魚、枝豆、揚げ盛2種(チキン南蛮、手羽先唐揚げ)、うどん入りギョウザ、その日に仕入れた鮮魚を仕込む塩釜焼き、そして流しそうめんがセットに。飲み放題付き(2時間)で4298円。このボリュームでこの価格はお値打ち!

「流しそうめんコース」2678円(要予約)。流しそうめんから塩釜焼きまで6種類が揃う。※写真は4人前
三輪そうめんと同質のクオリティを誇る島原そうめんを使用。カツオベースのつゆで味わえる

コースのそうめん追加は1人前514円。飲み放題は日本酒やワイン、ソフトドリンクなど約30種類が揃う。貸し切りの場合のみ店内での流しそうめんが可能だ。単品として「元祖大阪ながしそうめん」734円も用意。また、キット一式の貸し出し(5400円~)にも応じている。

人情味のある店長のパルオさん。「明るくアットホームな、普段使いできる昔ながらの居酒屋です!」

2010年に常連さんのバースディサプライズで行った流しそうめん。購入したレーンなどキット一式に「これどうすんねん」となり、依頼があれば注文に応じるうちに口コミで広がり、今や通年メニューに。昨年香港の新聞にも紹介され、インバウンドにも人気沸騰中だ。

「名物とりてつ」(626円・手前)、「天使の豚足」(734円・奥)

鶏のハラミをキャベツと一緒に塩、コショウで炒めた「名物とりてつ」。特製ミソを肉汁に溶かすと、コクと風味が豊かになり、さらに酒が進む。女性でも食べやすいよう豚足の骨を抜き、焼き上げた「天使の豚足」。滲み出てくるコラーゲンを羽にしたアイデア料理だ。

ほっこりできる店内にはカウンター6席があり、女性ひとりでも利用しやすい。テーブル8席、座敷10席もあり宴会もOK
Yahoo!ロコ居酒屋 西屋
住所
大阪市北区鶴野町4-4B コープ野村梅田

地図を見る

アクセス
中崎町駅[4]から徒歩約6分
中津(大阪市営)駅[4]から徒歩約7分
梅田(阪急線)駅[フェイスティブコート口]から徒歩約8分
電話
06-6377-0248
営業時間
[月~土] 18:00~翌3:00(L.O.翌2:00)[祝、日曜18:00~翌1:00(L.O.24:00)
定休日
口コミ・写真など

※この施設の情報はYahoo!ロコから提供されています。

都会の真ん中でも楽しめる、流しそうめん。山手で自然に触れながらやるのもいいが、気軽にできるのもありがたい。これからもどんどん進化を遂げることだろう。

取材メモ/奈良は古都ゆえに保守的なイメージがあったのですが、老舗料亭の本館に約30mの竹を伝わせて、流しそうめんをするって斬新というよりも、やるなっ! と感激しました。また都会の穴場スポットで、アットホームに流しそうめんが楽しめるのもおもしろい。そして上田さん、素朴な人柄だからこそ、いろんな人と縁が繋がるんだなって思いました。

取材/下八重順子(リベルタ) 撮影/貝原弘次

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