埼玉県羽生市<br />
発見と驚きを促す「さいたま水族館」の創意工夫

2017/07/16

埼玉県羽生市
発見と驚きを促す「さいたま水族館」の創意工夫

淡水魚のみを飼育・展示する施設として開館し、今年で34年目を迎えた、さいたま水族館。地元の荒川に生息する魚を中心に紹介しながら、学びと体験、そして癒しの時間を提供する同館の思いを館長の小髙重光さんと飼育課長の矢辺徹さんに聞いた。

中広

中広

観察の楽しさを伝える
淡水魚の水族館

一年中活発に魚が泳ぐ
地下水を利用した庭池

1983年、羽生水郷公園内にさいたま水族館がオープンした。同公園の敷地内には、国の天然記念物ムジナモの自生する宝蔵寺沼があり、自然豊かな市民の憩いの場所として広く知られる。

さいたま水族館館長 小髙重光さん
さいたま水族館館長 小髙重光さん
「当時、単館で淡水魚の飼育と展示を行う施設は珍しく、全国でも先駆け的な存在でした。現在、約80種、1万匹程度を常設展示しています」

淡水魚の飼育・展示は、館内の水槽と屋外の庭池で行われている。入場してすぐ目に入るのは広い庭池だ。ひと抱えもある大きなニシキゴイが、何十匹も悠々と泳ぐ様子が目をひく。庭池はニシキゴイ池、チョウザメ池、テラピア池と3つに分かれている。

6月に開催された特別展示「観賞魚展」の様子。金魚やグッピー、ネオンテトラなど家庭で飼育できる観賞魚を展示。特別展示は年3回
飼育課長 矢辺徹さん
飼育課長 矢辺徹さん
「冬は水温が下がるにつれて魚の動きが鈍くなり、やがて半冬眠状態になります。ですがここでは地下水をくみ上げて使っているので、冬でも上流部の水温は23度近くあり、魚の動きは一年を通して活発です」

季節を問わず元気な魚の姿が見られるとあって、2015年度の来館者は約29万人を数えた。この庭池でぜひ見ておきたいのはチョウザメ池ベステル、オオチョウザメ、ヘラチョウザメ、シロチョウザメの4種類を飼育しており、これらがそろうのは関東の施設では貴重なのだ。

屋内には触れ合い体験コーナーが常設され、カメとザリガニに触れる

チョウザメは、形が似ているとの理由で名前にサメと付けられたが、実は古代魚の仲間。生きた化石ともいわれ、原始的な体のつくりをしている。歯がなく性格もおとなしいが、同館には体長1メートル80センチにも及ぶシロチョウザメがいて、迫力満点だ。

とても長い鼻先を持ち、それがヘラのような形をしているのはヘラチョウザメ。餌を食べるのに鼻が邪魔をするので、体を横たえて食べる。そのユーモラスな姿も人気があるそうだ。

子どもの観察意欲を支える
水槽周りの工夫

館内には、常設展示の水槽と、年に3回催される特別展の水槽がある。常設展示は、地元を流れる荒川にすむ魚が中心だ。順路に従い、上流から河口にすむ魚の水槽が並び、最後は東南アジアやオセアニア、南米など世界各地の淡水魚を紹介する。一つひとつの水槽は、石や岩、水草で魚の生息地を再現した、臨場感あるレイアウト。見慣れた埼玉の川辺から世界へと背景が変わっていくため、ちょっとした旅行気分も味わえる。

飼育課長 矢辺徹さん
飼育課長 矢辺徹さん
「淡水魚は、すむ地域ごとに独立して進化してきました。地元に生育する魚を知るのも面白いですが、世界規模の視点から見ると各地域の特性がはっきり分かります」

さらに、魚が群れているのか、一匹でいるのか。水槽の中央にいるのか、下部にいるのか。そんなところに注意して観察すると面白いと話す。「だんだん魚の生態が分かってきますよ」と、楽しみ方を教えてくれた。

展示は、荒川の上流にすむ魚から始まる。順路に従い、徐々に河口へと近づいていく。世界の淡水魚の展示もある

2017年春、同館で新設された金魚ドームステップは、小さな子どもでも水槽を観察しやすいように配慮されたものだ。

金魚ドームは、水槽の中央が半円型のドーム状になっており、そこに顔を入れると自分が水槽の中にいるように感じられるつくり。金魚の泳ぐ姿をじっくり観察できる。

ステップは、常設の水槽の足元に備えられた足台だ。子どもの目線が水槽と同じ高さになるように設計されており、背が高ければ水槽を上から見られる。正面と上からのふたつの角度から、魚の姿を見られるように工夫されている。

さいたま水族館のマスコットキャラクター「ムートくん」。県の魚であり、県内希少野生動植物種に指定されているムサシトミヨがモチーフ

その他、カメやザリガニの触れ合い体験コーナーや、飼育員が講師を務めるレクチャー教室もある。夏休み期間に行われる小学生を対象としたサマースクールや、1日飼育員も人気のイベントだ。人の記憶は、見たり聞いたり、手で触ったりと五感を多く使うほど、強く残る。

さいたま水族館館長 小髙重光さん
さいたま水族館館長 小髙重光さん
「思い出作りや自分だけの小さな発見ができればと、子どもたちの体験コーナーを多く設けています。子どもたちから飼育員になりたいという声を聞くと、とてもうれしいですね!」

大きな水槽を泳ぐ魚の姿は、眺めているだけでも十分楽しめる。家族や仲間と、ゆったりした時間を過ごしに出かけてみてはどうだろうか。

Yahoo!ロコ県営さいたま水族館
住所
埼玉県羽生市三田ケ谷751-1

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口コミ・写真など

※この施設の情報はYahoo!ロコから提供されています。

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