「ソフトクリーム界のフェラーリ」で作った絶品ソフトを探せ!

「ソフトクリーム界のフェラーリ」で作った絶品ソフトを探せ!

2017/07/18

マニアの間で“ソフトクリーム界のフェラーリ”と称されるマシンがあるのをご存じだろうか。日本で普及している一般的なソフトクリームマシンの数倍という価格ゆえ、導入している店が限られているこのマシン。高級なぶんその味は格別。一体、どんなソフトクリームなのだろう? その正体に迫る。

Yahoo!ライフマガジン編集部

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1台300万円以上! 高級マシン“カルピジャーニ”

マシンに燦然(さんぜん)と輝くこのロゴマークがカルピジャーニの証だ

ウワサの超高級ソフトクリームマシン、その名も“カルピジャーニ”。正確には、1946年にイタリアで創業した老舗の菓子機械メーカーのことを指す。カルピジャーニ製のマシンで作ったソフトクリームを一口食べれば、誰もがその食感のトリコになってしまうというのだが、一体ほかのソフトクリームと何が違うというのか……? 

\教えて! プロソフトクリーマー/
森川勇一郎さん

2016年3月より一般社団法人アイスマニア協会認定のプロソフトクリーマーとして活躍。これまで国内外を食べ歩き、実に1千万円をソフトクリームに費やしてきた。1日平均3本、多い時は10本をペロリ

——森川さん、カルピジャーニで作ったソフトクリームは一体、何が違うのでしょう?

森川さん
森川さん
「ほかのものに比べると空気の含有量が多く、口当たりが極めてなめらか。表面はシルクのようで、口溶けの良さ、フワフワ感が全く違います。日本のソフトクリームを扱うお店のおよそ6割は日本製のソフトクリーム・マシンを使っていますが、カルピジャーニはイタリア製で、その値段は優に300万円を超えます! ソフトクリームにとことんこだわる店が導入していて、これを食べるとほかのソフトクリームは食べられないとまで言うファンも多いのですよ!」

300万円以上のイタリア製……!

やはり、ソフトクリーム界のフェラーリとのウワサは本当だった! ああ、一度は食べてみたいカルピジャーニ。取材班は都内でカルピジャーニを使ったソフトが食べられる店を探し出した!


1.茶の池田や

老舗のお茶屋さん × カルピジャーニの最強抹茶ソフト

カルピジャーニは意外なところに潜んでいた。言わずと知れた巨大ダンジョン・新宿駅で70年以上の長きにわたってお茶の販売を営んでいる「茶の池田や」に行けば、カルピジャーニ製のマシンで作った抹茶ソフトクリームが食べられるというのだ。

新宿駅西口地下街の小田急エース南館に位置。普段新宿駅を利用している人でなければ、まっすぐたどり着くのは難しいかもしれない。ちなみにこの日、カメラマンも店を発見するまでダンジョンをさまよった
店に入ると、所狭しと並べられた商品と熱量の高いPOPに圧倒される。各地から厳選された茶葉だけでなく、自家焙煎のコーヒー豆なども販売されている

この店内に、遠くイタリアからやって来たあのカルピジャーニが……? 

\マシン発見!/

マシンの横でほほ笑むスタッフの池田さん。1945年から続く「茶の池田や」の四代目にあたる

――いきなりこんな質問でアレなんですが、このマシンって本当に300万円以上するんですか?

四代目の池田さん
四代目の池田さん
「そうですね、それくらいします。モデルによって違いますが、1台300~350万円くらいかと。それにほかのメーカーに比べて部品の点数が多いので、メンテナンスも非常に大変なんです」

――なんと……! それでもカルピジャーニを選んだワケは?

四代目の池田さん
四代目の池田さん
「やっぱりよりおいしいものを提供したいという気持ちからですね。うちは1998年からソフトクリームを販売しているのですが、以前から日本アイスクリーム協会にお茶を卸していたんです。それでソフトクリームをやろうってなった時に協会の人に相談したら、『カルピジャーニの機械が一番いいですよ』とすすめられて。ほかのマシンのものと食べ比べた時に、食感が違うと感じてカルピジャーニを選んだと先代から聞きました」
さすが「ソフトクリーム界のフェラーリ」は、機械のお値段も外車クラス…。おいしいソフトクリームが食べられるお店探しは、このロゴを探すのが近道!

実はここ「茶の池田や」がある小田急エースは、カルピジャーニと縁が深いという。

四代目の池田さん
四代目の池田さん
「以前、小田急エースに『ピレネーカタオカ』さんという洋菓子店があったのですが、1960年代に日本で初めてカルピジャーニの機械を導入してソフトクリームを提供したのがそのお店だったそうです。それが爆発的な人気を得て、ソフトクリームブームの先駆けとなったと聞いています。残念ながら、後継者がいなくて15年くらい前にお店を畳んでしまいましたが……」

いやぁ~、新宿に歴史あり、ソフトクリームに歴史あり! 

当時の新宿駅でソフトクリームを頬張る人々に思いを馳せたところで、カルピジャーニの機械を詳しく見せてもらった。

\マシンの中をCheck!/

マシンの中を特別に公開。上部のフタを開けると、原液が入ったタンクの中にカルピジャーニの特徴であるギヤポンプがあるのが見える
これがギヤポンプ。フックのようなものを回して、ソフトクリームに空気が入る量を調整する。ギヤポンプは一年に一回は取り換えが必要で、10万円ほどするそう。カルピジャーニは維持費もかなりかかるのだ

ギヤポンプが原料に空気を含ませ、それがシリンダーの中でフリージングされることで、カルピジャーニでできたソフトクリーム特有のフワフワ感が出るというわけだ。一般的なほかのメーカーのマシンは原料がギヤポンプを通さず、そのままシリンダーの中で撹拌(かくはん)されて空気を含みながら冷え固められるそう。

四代目の池田さん
四代目の池田さん
「目盛りがあるわけじゃないので感覚なんですが、季節でギヤポンプの締め具合を調整しています。空気が入りすぎるとゆるくなってすぐに溶けてしまうので、夏は若干空気の量を少なめにしていますね。それでもほかのソフトクリームに比べると、空気量は多めだと思います」

\ついにマシン始動!/

そろそろ、お待ちかねのソフトクリームを……。池田さんがレバーを倒すと、キレイな抹茶色のソフトクリームがにょろっと出てきた!
「できました!」
「高級ソフトクリーム 濃厚抹茶」(250円)。もなかコーン、ワッフルコーン、カップが選べ、写真のワッフルコーンは+30円となる
ついに対面したカルピジャーニ製ソフトちゃんを見つめる余裕もないまま(すぐ溶けるので)、急いで食べる

ウ、ウマーーーーーイ!!!!!! イタリア風に言うならヴォーーーーーノ!!!!!!!!

口に入れたとたん、すっと溶けるような柔らかさ、滑らかな食感。これまでに食べたソフトクリームとは確かに違う、軽やかさがそこにあった。これがカルピジャーニの威力なのか。そしてさすがお茶屋さんの抹茶ソフト、嫌味のない爽やかな抹茶の苦みが口の中に広がる。これぞイタリアと日本の最強コラボだ!

四代目の池田さん
四代目の池田さん
福岡・八女の石臼で引いた高級な抹茶を、一般的な抹茶ソフトクリームの約2倍入れています。あまり抹茶を入れすぎても粘度が高くなってギヤポンプが詰まってしまうので、これが最適な割合ですね」
「抹茶とバニラミックス」(左)と「プレミアム生クリームバニラ」(右・各250円)もある。バニラは乳脂肪分多めで濃厚な味。抹茶味はお茶の風味を消さないよう、バニラより乳脂肪分が少ない原料を使っている

夏は平均400~500本、最高で一日1000本以上売れたこともあるという「茶の池田や」のソフトクリーム。新宿駅に来る用事がなくても、わざわざ立ち寄る価値があると断言できる。

茶の池田や
住所:東京都新宿区西新宿1-1 小田急エース南館
電話:03-3342-0506
営業時間:10:00~21:30
定休日:1月1日、2月の第3日曜日、8月の第3日曜日

口コミ・写真など

※この情報は取材時の情報です。ご利用の際は事前にご確認ください。

2.東京えんとつCafe 

大手町で甘党リーマンのひんやり甘いオアシスを発見!

ふんわりとしたシフォン生地に、鳥取大山の生クリームと自家製カスタードをたっぷり詰め込んだカップ型シフォンケーキで人気の「東京えんとつ」。そのイートインショップである大手町の「東京えんとつCafe」でも、カルピジャーニ製のソフトクリームを取り扱っているという。

大手町タワー地下にある商業施設「オーテモリ」に入店している。大きなソフトクリームのオブジェが目印だ
「いらっしゃいませ!」とスタッフさんが笑顔で迎えてくれた

ショーケースに並ぶおいしそうなシフォンケーキへの誘惑を断ち切り、開口一番「カルピジャーニはどこですか!?」と捜索開始。

\カルピジャーニあったー!!/

カウンターの端に設置されたカルピジャーニ製のソフトクリームマシン。日本メーカーのものよりややサイズが大きいのもあり、ひときわ存在感を放っている

――高価なうえに取り扱いも難しいそうですが、それでもカルピジャーニを選んだワケは?

スタッフAさん
スタッフAさん
「やはり口当たりの違いですね。味わいはとても濃厚なのに、空気を含む量が多くて、ふんわり仕上がるんです。このふわふわ感と滑らかな口どけにリピーターが続出しています」

「東京えんとつ」系列でカルピジャーニ製のマシンで作ったソフトクリームを販売するのは、こちらと東京スカイツリータウン ソラマチにあるレストラン「トップテーブル」のみ。コストがかかるぶん、食べられる場所が限られているのだ。

レバーの後ろにある金具を上にあげると、フリージングが始まるそう
「この数値がどんどん上がっていきます」(スタッフAさん)

注文が入ったら、フリージングさせるために金具を上にあげて待機。マシンの中のギヤポンプにより空気を含んだ原料が、シリンダーの中で冷え固まっていく。表示される数値が80以上になったことを確認してから、レバーを引いてソフトクリームを絞り出す。

\ついにマシン始動!/

真っ白なバニラのソフトクリームがワッフルコーンの中へ
見るからに柔らかそうな、形のキレイなソフトクリームができあがった

空気を多く含んで柔らかいため、巻くのが難しそうなカルピジャーニ製マシンのソフトクリーム。こちらのスタッフさんも、働き始めた頃は5日間かけて何十回も練習したという。「土台をしっかり作って少し大きめに円を描くのがコツ」と教えてくれた。

「プレミアム黄金バニラ」(380円)。カップかワッフルコーンが選べる
では一口……思わず笑みがこぼれるおいしさ!

こちらのソフトクリームも口に入れた瞬間にすっと溶けるのが印象的。バニラの風味はしっかり感じられるのに、べったりとした甘さはなく、真夏でもさっぱりと食べられそうだ。これもやはり、ギヤポンプのなせるワザなのだろう。

とても柔らかいうえにコーンから出ている部分が10cm近くあるので、ソフトクリームが溶けて手がベタベタにならないようお気をつけあれ。

手前から「ソフトクリームえんとつ」(480円)、期間限定の「岡山県産白桃ソフトクリーム」(400円)

「ソフトクリームが食べたいけど、シフォンケーキも食べたいな……」という欲張りなあなたに朗報! 

名物のシフォンケーキにソフトクリームを入れ込んだ「ソフトクリームえんとつ」というメニューもある。ほんのり温かいシフォンケーキに、冷たいソフトクリームが絶妙にマッチする。月替わりで登場するソフトクリームのフレーバーも要チェックだ(7月は白桃)。

場所柄、会社員のお客さんが多いという「東京えんとつCafe」。帰宅前に必ずここで食べて行くサラリーマンもいるというほど、働く人たちに愛されているソフトクリームをぜひ味わってみてほしい。

東京えんとつCafe
住所:東京都千代田区大手町1-5- 5 大手町タワー地下2階 オーテモリ
電話:03-6273- 4286
営業時間:【月~金】9:00~22:00、【土】~21:00、【日・祝日】~20:00
定休日:不定休(オーテモリに準ずる)

口コミ・写真など

※この情報は取材時の情報です。ご利用の際は事前にご確認ください。

\こちらもカルピジャーニ製!/

3.東京ミルクチーズ工場

プロソフトクリーマー森川さんレコメンドのお店でも、カルピジャーニが稼働中! リンクから記事をチェック!!

構成=mogShore 取材・文=土田理奈(omo!) 
撮影=齋藤ジン(茶の池田や)、日高奈々子(東京えんとつCafe)


\追いソフトしとく?/

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Yahoo!ライフマガジン編集部

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