テレビ局でウワサに! 上田晋也の差し入れが凄すぎる伝説

テレビ局でウワサに! 上田晋也の差し入れが凄すぎる伝説

2016/03/25

バラエティーもドラマも、テレビの現場は毎日が「学園祭」のような雰囲気。芸能人と接する機会も多い。芸能人は食通が多く、とにかく「うまいもの」をよく知っている。この連載では、他では聞けないテレビ制作の舞台裏&ちょっとしたグルメ情報をご紹介します。今回は「うまいもの」が5個!!

栗原 甚

栗原 甚

日本テレビ・ドラマプロデューサー

ドラマならではの文化
“差し入れ”

テレビドラマの撮影現場は、朝から晩まで長丁場。しかもクランクインすると、ほぼ毎日撮影があるので、出演者やスタッフをねぎらうため、関係各所から何かと差し入れが持ち込まれる。

そして、ほとんどが抜群にうまい!(ちなみにバラエティー番組では差し入れなどほとんどない)。

そんなドラマならではの差し入れで、最近とんでもない【伝説を作った男】がいる。それは…スペシャルドラマ『天才バカボン~家族の絆』で「バカボンのパパ」を見事に演じ、世間を驚かせた…俳優・上田晋也だ。

ドラマ撮影現場にて。差し入れがあると、スタッフは手書きで、こういう張り紙を作り「上田さんから差し入れをいただきました~!」と大声でアナウンスする
差し入れで嬉しいのが、甘い物。この浅草「亀十」どら焼きは、とにかく皮がうまい。最近流行のパンケーキのように驚くほど柔らかくて、しっとり感もある。さすが行列のできる老舗和菓子店だ

上田晋也の差し入れはなんと毎日!

上田さんは、ちょっとした甘い物から、軽食や豪華弁当まで、あらゆるジャンルのうまい物を、差し入れしてくれた。しかも約1カ月の撮影期間、スタジオはもちろんロケ現場にまで届けた。

毎回用意されるのは、100人分!

なんと、それが毎日なのだ‼︎

ドラマのベテランスタッフ達は「こんなに差し入れをした主演は、今まで見たことがない!」と驚いていた。

油揚げが裏返してある「おつな寿司」。テレビ業界では「裏(ウラ)を食う=ウラ番組をやっつける」という意味合いで、差し入れされることが多い。このお稲荷さんのおかげもあってか、視聴率は横並びトップだった!
上田さんの差し入れに触発されて、他の出演者からも、どんどん差し入れが増えるすてきなスパイラルが!(写真左はえなりかずきさんからの差し入れ)

ウワサにまでなった上田さんの差し入れ

うれしかったのは、気の利いた差し入れが多かったことだ。屋外でロケをする場合、寒い日には体が温まるものが欲しくなる…すると、ロケ現場に「スターバックスコーヒー」のポットが大量に運び込まれた。

さらに、ロケ弁に飽きはじめた頃、番組が用意するはずのお弁当を…上田さんが全部用意した日もあった。振る舞われたのは…お寿司!しかも、食後のデザートまで配られた‼︎

高級上方鮨専門店「関山」。押し寿司、太巻き、細巻き、いろいろ入った詰め合わせだ。茶巾寿司は、ゆっくり時間をかけて食べると、実に上品で味わい深い…しかし、そんなにゆっくり食べるほど休憩時間はない(涙)
バカボンを演じたオカリナが持っているのは「渦巻き模様」のかりんとう!
バカボンの衣装と同じ「渦巻き模様」に引っ掛けた、編成局長からの粋な差し入れ。偉い人からも時々差し入れがある
シャレが利いた差し入れは、笑いを巻き起こし、現場を和ませる。でも見た目の可愛さとは違い、想像以上に硬いので、食べる時は注意するべし。現在、僕は歯医者に通っている…(苦笑)

そんな上田さんの差し入れは、ドラマ界でウワサになり、瞬く間に広まった。ある日、隣りのスタジオで収録していた沢村一樹さんがやって来て、上田さんに開口一番「そんなに毎日、差し入れする必要はないんですよ!」とアドバイスしたほどだ(笑)。しかし、俳優・上田晋也の差し入れは、止まらない…いやむしろ、どんどんエスカレートしていった。

スタジオに「松屋」がやってきた!

こんなケータリングカー、はじめて見た。車の中で調理しているのだ!

スタッフが度肝を抜かれたのが、スタジオに「松屋」がやってきた事だ。そう、皆さんご存じ「牛丼の松屋」。

松屋のケータリングカーが生田スタジオに横付けされたのは、日本テレビの開局以来はじめての出来事だろう。牛丼やカレーライスなど、好きな物を好きなだけ選べるようになっていて、注文すると、その場で店員さんが作ってくれるのだ。豚汁までついた温かいメシに、スタッフのテンションは最高潮に!

カレー&プレミアム牛めし、最高〜!

しかし、1人だけ不満な男がいた。それは…僕だ。

普通、休憩は小一時間。短い時には、だいたい45分くらいだ。しかし上田さんのケータリングのせいで、なかなか撮影が始まらない。なんと休憩時間は、1時間半を超えた。

「この日は、まだたくさん撮影シーンが残っているのに・・・なんて日だ」と僕。

 後日、その話をすると上田さんは「もう二度と差し入れなんかしない!」と笑っていた。

左がバカボン家。右がマツコさん演じる「謎の隣人」が住む家。なかなか撮影が始まらない…たまらず、写真をパチリ

差し入れはすべて自腹!

芸能人の差し入れは、高価なものが多い。しかも用意する数も多いので、高額になる。だから「どうせ、事務所がお金を払っているんでしょ?」と思っている人が多い。しかし、実際は違う。

差し入れとは俳優さんが自腹を切ってするもので、事務所は全く関与していない。コレは、芸能界の古くからの風習らしい。だから今回、上田さんは数百万円もの自腹を切ったに違いない。
(ちなみに僕は上田さんに、そんな高額なギャラは払っていない)

上田さんの差し入れで、僕のNo.1はコレ!「天のや」の玉子サンド。はじめて食べた時「なんだ! コレは⁉︎」と衝撃を受けた。ふわふわのだし巻き玉子が挟まっているのだ!

なぜ、こんなに差し入れをしたのか?

上田さんは「ドラマが初めてなので、演技が下手でも許してもらえるように差し入れした」と言っている。
しかし、そんな事はない。

たぶん、現場のスタッフが気持ちよく撮影できる環境作りのために、毎日、差し入れをしたに違いない。
上田晋也とは…そういう気遣いの男だ。

そんな俳優・上田晋也と僕の対談「今だから話せる㊙ウラ話」がhuluで近日配信予定。お楽しみに!

この記事を書いたライター情報

栗原 甚

栗原 甚

日本テレビ・ドラマプロデューサー

日本テレビ 制作局 演出・プロデューサー。今まで数多くの人気バラエティー番組を手掛け、2013年からドラマ制作も兼任。独創的かつ常識破りの企画で、毎回視聴者を虜にする有名クリエイター。最近では、伝説のギャグ漫画『天才バカボン』を実写ドラマ化し、話題を呼んだ。

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